山水図鐔 正阿弥一光
山水図鐔 正阿弥一光
これでもか、というほどに濃密に空域を描き出した若芝の山水図に対し、この作者は中間の景色をなくし、遠景を雲の隙間にわずかに顔を出しているかのように表現している。中間を省略している・・・のではなさそうだ。というのは、何も描かれていないように感じられる中間部分には、焼手腐らかしによって微妙な凹凸を施しているのだ。穏やかな凹凸は雲か、空気感か。一光はぼかしをこのように用いた。
山水図鐔 正阿弥一光
これでもか、というほどに濃密に空域を描き出した若芝の山水図に対し、この作者は中間の景色をなくし、遠景を雲の隙間にわずかに顔を出しているかのように表現している。中間を省略している・・・のではなさそうだ。というのは、何も描かれていないように感じられる中間部分には、焼手腐らかしによって微妙な凹凸を施しているのだ。穏やかな凹凸は雲か、空気感か。一光はぼかしをこのように用いた。