鉄拐仙人図小柄 乗意
鉄拐仙人図小柄 乗意
この小柄では3つの要素が、実体の不明瞭な、鉄拐から離れてゆく霊魂を表現する要素となっている。実体として体を持つ鉄拐仙人は、正確な構成と彫刻によってリアルに描き出している。これも実態不明の霊魂をより不確かな存在として感じさせる工夫であろう。素材が朧銀地であることも重要で、このもやもやとした背景は朧銀地ならではのもの。鉄拐の口から出て浮遊する霊魂はぼかしを利用した平象嵌。象嵌の境界はもやっとして地に溶け込んでいるように感じられる。さらに立ち上る気のようなものを、微細な点刻の中に色合いの黒い別の金属(赤銅であろう)を平象嵌しているのである。金工芸術の面白さは、図柄だけではないことを証している作品である。
鉄拐仙人図小柄 乗意
この小柄では3つの要素が、実体の不明瞭な、鉄拐から離れてゆく霊魂を表現する要素となっている。実体として体を持つ鉄拐仙人は、正確な構成と彫刻によってリアルに描き出している。これも実態不明の霊魂をより不確かな存在として感じさせる工夫であろう。素材が朧銀地であることも重要で、このもやもやとした背景は朧銀地ならではのもの。鉄拐の口から出て浮遊する霊魂はぼかしを利用した平象嵌。象嵌の境界はもやっとして地に溶け込んでいるように感じられる。さらに立ち上る気のようなものを、微細な点刻の中に色合いの黒い別の金属(赤銅であろう)を平象嵌しているのである。金工芸術の面白さは、図柄だけではないことを証している作品である。