破扇図鐔 正阿弥金十郎
破扇図鐔 正阿弥金十郎
以前にも紹介したことがある。水に投げ落とされた扇が、破れ朽ちてゆく様子を文様化した作。この様子を、金銀の布目象嵌、下地である鉄地の鍛え肌を焼手腐らかしの手法で流文状に肌目が浮かび上がるようにし、さらにごく浅い肉彫で水の流れを描いている。これらの要素が重なり合い、なんとも不明確な鐔面となっている。形のないものが刻々と移り変わってゆく様子、その瞬間をとらえた図柄。扇の地紙が水に溶けてゆくような、動きが感じられるのも面白い。写真は薄肉彫の流れが際立つようにライトを加減しているが、実際にはもっと地鉄に溶け込んでいるかのように見えにくい。
破扇図鐔 正阿弥金十郎
以前にも紹介したことがある。水に投げ落とされた扇が、破れ朽ちてゆく様子を文様化した作。この様子を、金銀の布目象嵌、下地である鉄地の鍛え肌を焼手腐らかしの手法で流文状に肌目が浮かび上がるようにし、さらにごく浅い肉彫で水の流れを描いている。これらの要素が重なり合い、なんとも不明確な鐔面となっている。形のないものが刻々と移り変わってゆく様子、その瞬間をとらえた図柄。扇の地紙が水に溶けてゆくような、動きが感じられるのも面白い。写真は薄肉彫の流れが際立つようにライトを加減しているが、実際にはもっと地鉄に溶け込んでいるかのように見えにくい。