新笠通信 奄美電信版

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国際競争力

2007-08-24 16:06:59 | B3
昨日までのおさらいです
キーワードはグローバルスタンダードです
急激な円高がありました
外国の人は1ドルで120円の価値がある日本製品を買うことができます
1ドル90円ぐらいの円高になってしまうと120円の日本製品を購入するためにより多くのドルを消費してしまいます
日本は輸出すればするほど外国人に手元のドルを割り増しで消費させられることになります
いっぽう日本人は小額の支出で外国製品を手に入れることができるようになります
円が強くなると日本人は世界中の価値を少ない支出で手に入れられるけれども外国人は日本製品を購入するためにより多くの自分の国の通貨を手放さなければならなくなるわけです

自分の国の通貨が強くなることはよいことですが相対的に通貨が弱くなった外国の貿易収支が一方的に悪化してしまう場合があります
通貨が強くなるということは強くなった国の製品・サービスが海外に認められたという状況にあるわけです
自分の国の製品より外国製品を手に入れたほうが満足できると認めたからより多くの自国通貨を消費しながらも購入しようとするわけです
メイドインジャパンが認められたということです
日本製品が優れた品質を誇るからといって日本製だけを購入しようとすると外国の人たちは自分の国の紙幣をどんどん消耗していくわけです
世界中が日本製品でみたされてしまうとが外国の人たちは手持ちの財産のほとんどを日本円に両替して財産を失っていってしまいます
自分の国のお金を大量に消費した結果手元に日本製品が残ったという状況になるわけです
製造物の価値は購入直後から減少しているわけだから長い時間のスパンでとらえると日本製という消耗品を買わされ続けているということになります
商品は購入してから時間がたってしまえば価値がなくなっていくわけだから日本製品を手に入れるために大量に消費した自国通貨は消耗品費用として消えてなくなったとみることもできるのです

日本製品を買わされ続けているうちに外国は手持ちの現金が減少し続けてしまうわけです
手持ちの現金が減少するということは製品を買わされている国はみるみるうちに貧乏になっていくということです
どこの国も貧乏になりたくなかったら外国製品より質の高い製品を自国で製造するしかないのです
商品開発競争です
商品開発競争において他国におくれをとらないように競争し続けるということが大事です
優れた商品を開発し続けていないと外国製品を買わされ続けてしまうのです
外国製品を買わされているうちにその国は貧乏になります
競争力のある製品しか市場に供給されないのです
売り場に外国製品しかなくなってしまったのならその国の通貨はどんどん外国に流出してしまっているということになります

強化しなければならない国際競争力のひとつが商品開発です

土地の値段や株価が暴落してしまったあと何が起こったか
実質的な価値が何十分の一にも下落してしまった土地建物を保有していた場合下落した実勢価格で売ってしまうと莫大な損失額を計上してしまいます
保有していても余剰価値を生み出せない、売却するとしても買ったとき支出した現金に比べて何十分の一程度の現金しか手元に残らない
そういう時代が長く続いたわけです
大枚をはたいて取得した土地や株式が安値でしか売れないわけだから高値のときに取得した資産を当時の金額で売却して現金にすることはもう二度とできなくなってしまったわけです
底値でしか取引できない状態に陥っていた平成不況下でにわかに活気付いてきたのが海外資本です
土地や株式を底値で手に入れられるという濡れ手に粟の状況を見過ごさなかったのが海外金融資本です
世界経済競争下で競合相手に対して優位に立つには優れた資産を手に入れておく必要があります
日本国に由来する主体が国内に保有している土地建物・優良企業株式・十分に熟練された人材といった優れた財産がいとも簡単に外国企業の手に渡ってしまいやすい状況になっていたわけです
経済競争を行っている主体は優れた資産・人材・情報を獲得し続けていなければ国際競争を生き残っていくことはできません

優れた資産や人材が減少してしまうと競争力が低下することはごく当然のことです
バブル崩壊直後から国際間の競争で生き残っていくのに欠かせない財産を維持することがとても困難になったわけです

土地建物などの優れた資産を維持することができなくなってしまったら外国人の手に渡ってしまいます
同様に優良企業の株式も国内の優秀な人材も外国企業の手に渡ってしまいます
これらの財産が外国人の手に渡ってしまってから発生するのは税収減です
利益を上げている企業の母国の税収が増加することはとても自然なことです
企業がどこの国に籍があるのかということはとても重要な問題です

海外に籍を置いている企業に優れた財産がわたってしまうと財産を失った企業が籍を置いている国は競争力を失い疲弊化します
国力の弱体化につながるわけです

国や地方公共団体が予算を組めなくなると治安が悪化します教育水準が低下しますその他各方面の水準が低下します
人民力が総合的に低下してしまうわけです

日本の優良資産が外国の手に渡ってしまわないようにとあらゆる産業に規制や障壁が構築されてきました
国内の優良資産を維持するために鎖国同然の度を過ぎた産業保護を行なっているということが鮮明になっていたわけです
日本だけが一方的に有利になるようなルールが運用されている状況を他国は認めないといってきたわけです
世界標準のルールで競争しないのであれば国際的に孤立させて市場取引に参加できなくなるような状況に追い込もうと圧力をかけてきたわけです

長くなったので休憩しますが世界のルールで戦うために個々の人材が獲得していなければならない財産というものが具体的になっていたわけです
情報・会計・語学力です
三種の神器として例えられることもあります
平成不況から脱出するにはこれらの知的資源を運用できる人材をより多くかかえていることが望ましいとされていたわけです
国際間の競争を行なっているのに情報科学技術を運用できない、企業会計的金銭感覚がない、語学力がないというのは致命的であるということが明らかとなっています

知的資源が生き残りに必要不可欠な財産であるという意識を強くもてるようにならなければなりません
目に見える動産・不動産や有価証券は確かに換金性がある価値を認められている資産ですが知性だけはまったく存在していません
土地や現金・有価証券といった資産は帳簿上だけで示される知性を持たない財産であるから知の相続・継承がまったく行なわれません
帳簿上に記すことができない知的情報を十分に獲得した人材というものが最大の資産であるということを忘れてはいけないということです
知性を持った人材からでないと知の継承や相続は起こりえないということです
生き残りに必要とされる情報を習得した人材を確保し続けることが企業存続の鍵を握るものだといえます

社会に出るまでにどれほどの訓練を受けてきたかということは常に評価され続けます
活発な知の継承を企業内外で行なえる人材でないと企業の将来は暗いといえます
知識を獲得したにもかかわらず企業内部で生かそうとしない人材は不要と判断することができます

知的財産を貪欲に吸収し続けている人材の比率を向上させることが重要です
吸収した知的財産を格納するキャパシティーに限界が発生しており自発的に情報を取得していこうとする意欲が消滅してしまっている者は産業廃棄物としての属性が与えられても文句の言いようがない状態であるといえます