toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「節約は災いのもと」 エミリー・プライトトウェル(訳:田辺千幸)

2017年01月05日 | 読書日記
とにかく翻訳が素晴らしい。
直訳みたいな変な表現は一切ないし、自然な日本語で全くストレスなしで読める。
こんなにこなれた翻訳本ははじめてです。
でもやっぱり外人の名前はピンと来ないので巻頭の登場人物を見ながら読まないと混乱してしまう。
登場人物があって助かった(笑)。


「家政婦は名探偵」というシリーズものらしいけど読むのはこの本がはじめて。
イマイチな警部補の家の使用人達が、家政婦が中心となって一致協力して素人探偵となり本人に気付かれないように事件を解決するという構成。
英国版「はぐれ長屋の用心棒」といったところ。

今回は銃で撃たれて川に浮かんだ死体が発見され、その犯人を捜すという物語。
家政婦たちがだんだん犯人を絞り込んでいく過程の面白さのわりに最後はあっさりした感じで尻つぼみな感じで、ミステリーとしてはちょっと残念。

タイトルに出てくる「節約」というキーワードは物語の中で執拗に登場するけれど、犯人捜しとは何の関係もないサイドストーリになっている。
折角だから文字通りそれが謎を解く鍵になるような構成だったらもっと良かったのに。。






創元推理文庫
コメント
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