toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「半席」 青山文平

2018年10月21日 | 読書日記
今で言えば刑事が副業で事件の背景を追うといった感じかな。
当時は事実関係さえ認められれば刑が決まるということで、その原因は問題にされなかったらしい。
それで、事件の背景を知りたい被害者ほか関係者などから依頼され、裏の仕事として犯人の動機を調査する徒目付の物語。

裏稼業で私財を肥やすこと無く、出世を目指していながらついつい依頼に答えてしまう。
直接の依頼主は上司の組頭。
この二人、釣りが好きで、同じく釣り好きの親父の経営する居酒屋が密談場所。
釣りの話や季節の魚の話も楽しい。

連作短編集で6話収録されているが、最初の話は別にして、それぞれの話に同じ説明がコピペのように何度も登場するのがちょっとうざい。
「はぐれ長屋」もそうだけど。「はぐれ長屋」の場合は一冊一話で一冊に一度しか登場しないから許せるけれど、一冊に6回も登場するとちょっと・・・。
初出はおそらく雑誌の連載か何かだと思われるけれど、本にまとめる時にはそのあたりを修正して欲しかった。

意外な結末でこの著者の作品の中では一番面白いと思ったが、探偵役の主人公が真実にたどり着くのが突然すぎるかも。。





新潮文庫
コメント
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