toshiの「読書日記」

忘備録を兼ねて読んだ本の感想などを書いています。個人的な感想なので不快に思われたりすることも有るかもしれませんがご容赦。

「銀座の紙ひこうき」 はらだみずき

2019年09月10日 | 読書日記
あまりはらだみずきらしくないな・・・と言うのが第一印象。

別のエッセイを読んでいたんだけど、合間にちょっと浮気したら面白くて、エッセイの方は後回しにしてしまった。

銀座の会社で働いているということで、椎名誠の3部作を連想しながら読んでいたけれど、本に使われる紙の話になると、今度は三浦しをんの「舟を編む」を連想。
その後、友人が持ち込みの雑誌を発行するくだりではまた椎名誠、しかも「本の雑誌」の話も出たりする。
他にも鬼平をはじめ色んな小説が登場して本好きにはかなり嬉しい。
お仕事小説としてのストーリは大変興味深い内容で面白い。
でも、梨木さんとのサイドストーリはイマイチ・・・。

プロローグとエピローグは全く余計。
折角の作品がこのエピローグで台無し。。。








中央公論新社
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「人の町」 詠坂雄二

2019年09月10日 | 読書日記
「旅人」が風ノ町、犬ノ街、日ノ町、北ノ町、石ノ町、王ノ町を巡る物語。

それぞれの町を訪れる話は独立しており、連作短編集のような構成になっている。
それにしても固有名詞が出てこないとこんなにも抽象的で分かりにくくなるのか。。。
主人公の「旅人」の名前さえ最後まで分からない。

北ノ町で死んだはずの「旅人」の素性が石ノ町でなんとなく明らかになる。
そして最後の王ノ町でより確かになるが、何者かは最後まで良く分からない。

とにかく、どこの町に行っても哲学的な話ばかりしていて、いつまで経っても物語の本質が見えてこない。
誰も住んでいない石ノ町を道連れになった二人と共に訪れたところから、物語が少し動いたように思えたけれど、そしてそれが最後に訪れる王ノ町で完結する物語の伏線になるんだろうと思ったが、結局良く分からないまま終わってしまった。

やたらに哲学的で抽象的な会話ばかり続く物語で、具体的な進展がないので読み進めるのがちょっと辛い。
「<正解>に瞠目する究極のミステリー」と腰巻に有るけれど、ミステリーだったの??
表紙はSF的だけど、間違いなくSFではない。
とにかく、この著者はもう読まないと思う。





新潮文庫ネックス
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