岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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生きる意味の歌:尾崎左永子の短歌

2022年01月26日 23時16分44秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・生くるとは己の意思の外にある大いなる流れと思う他なし
                         「星座α」27号より

 何のために生きるのか。僕の高校時代に倫理社会でアンケートを実施していた上級生がいた。僕はそのアンケートにこう答えた。

 「人間の何のために生きるのか。そんなものに結論はない。寿命まで生きて、死後に明らかになるものだ。生きた結果で初めてわかるものだ。」と。

 しかしそれは大変な誤解だった。金のために生きる人もいる(金で幸せが買えると本気で思っている人がいる)。ラインの知り合いを批判したら、「それは貧乏人の理屈だ。」と言われ、即ブロックした。

 家族のために生きる人もいる。では単身者は何のために生きるのか。

 心の豊かさえを求めて生きる人もいる。だがそういうひとも、生活ための経済的な基盤がなければ生きて行けない。

 世の中には、病人も障碍者もいる。生き様(いきよう)は様々ある。 

 様々あるなかで作者は「自分の意思とはかかわりなく生かされている」と考えている。それも「大いなるもの」に生かされていると。

 齢、90を越えて、生きるとは何かを問い続けている作者には脱帽だ。


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