岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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天の意思の歌:尾崎左永子の短歌

2022年09月29日 18時57分21秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・樅(もみ)枯れて佇てり一木の歳月をここに据えたるその天の意思

「かまくらもだぁん」所収

まずは歌意「モミの木が枯れて佇んでいる一本の木のここまで経て来た歳月がここに据えられている。それは天の意思なのだ」

結句が大胆である。

どこに植えられて、植わっているか、一日の時刻はいつ頃か、は詠みこまれていない。「捨象」されている。「表現の限定」「言葉の削ぎ落し」だ。

 また、一首全体が「悲しみ・寂しさ」を象徴しているようだ。

「表現の限定」「象徴性」これをふまえた、作者の独自の作品だ。





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