岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

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明るい夜の運河の歌:尾崎左永子の短歌

2022年09月05日 20時04分06秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・夜の運河なめらにしてそこに水ありと知らるるほどの明るさ
 「夕霧峠」所収。

 作者はこの歌集で「釈超空賞」を受賞した。選者を担当していた「NHK歌壇」でも「選者の一首」と紹介されていたから、かなりの自信作だろう。当時作者は「運河の会」の運営委員をしていた。「運河の会だから運河を詠むのではないけれど」とコメントしていた。

 「夜の運河」は美しい。都会の運河の水は濁っているが、ネオンサイン、ビルの窓からさす光、車のヘッドライトの光を反射して美しく輝く。

 番組のゲストは兄弟子の長澤一作「うん、深みのある歌ですねー」とコメント。「写生」「写実」には遠近感があるのだと、僕が自覚し始めた作品だ。



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