朝鮮半島の南北対話の歌
・冷麺を初めて食し心して「リムジン河」に耳を澄ませり
「星座α」18号
朝鮮戦争は未だ終結していない。締結されているのは休戦協定だ。2018年春。朝鮮半島の南北首脳が、首脳会談を開き、「朝鮮戦争の終結」と「朝鮮半島の非核化」を目指すのを宣言した。
そのとき金成恩国務院総理が、韓国のムンジェイン大統領に手土産で贈ったのが冷麺だった。交渉が上手くいくかはわからない。山あり谷ありだろう。しかし歴史的出来事には変わりない。
この日、夜になって都心で、在日コリアの青年たちが集まり歓声をあげた。分断された祖国が統一に一歩踏み出したのだ。この青年たちの気持ちが痛いほどわかった。
この夜、僕は国会議事堂前で「民衆の歌」を歌っていた。歴史的になるかも知れないこの夜に、国会前にいたのは何かの縁だろうか。
その夜帰宅して、「リムジン河」をYouTubeで聞いた。遅い夕食を食べながら、ひそかに祝杯をあげた。食べたのが冷麺だった、と思いきや、冷やし中華だった。だが冷えた麺には変わりない。
「リムジン河」は朝鮮半島の南北分断を嘆いた歌。これをシミジミと聞いた。朝鮮戦争が終結する可能性が出てきた。こんな時が来るとは夢にも思わなかった。できれば「リムジン河」という曲名を出さずに作品にしたかったが、それは次の課題としてとっておこうと思う。