岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

電光のニュースの歌:尾崎左永子の短歌

2022年11月13日 18時21分28秒 | 尾崎左永子(長澤一作・川島喜代詩)の短歌を読む
・電光のニュース動ける夜の空に垂直に昇る文字の断片

 「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年に開催された「色紙展」の出品作品。この段階での代表歌だ。

「電光のニュース」とは都会の夜に流れる「文字で知らせるニュース」だろう。政治経済などの情報が「電光」で示される。これを「垂直に昇る文字の断片」と捉えた。「都会の夜の情景」が浮かぶ。ニュースの内容は「捨象」されている。吉報かもしれぬし、悲報かもしれぬ。
 「個別具体」が「捨象」佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」。
 「下の句」への転換が「序破急」の「破」。「起承転結」の「転」である。
 「美しい都会の叙景歌」だ。 





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