・戦争を知らざる者ら口を閉ぢよかの日悼むは己れを悼む
「尾崎左永子八十八歌」所収。2015年に開催された色紙展の展示作品。この時期までの代表作。
「かの日の日付」は「捨象」されている。「8・15なのか戦争の日々なのか東京大空襲があった日なのか」。また「戦争を知らざる者らの人名」も「捨象」されている。佐藤佐太郎の言う「表現の限定」、作者の言う「言葉の削ぎ落し」。
これを僕は勘違いしていた「戦争を知らないくせに『戦争反対』と言うな」と解釈していた、だがそれは大きな勘違いだった。作者な戦争に反対なのだ。東京大空襲で赤子の黒焦げ死体跨いで避難した経験からくる。何度も口頭で聞かされた。そういう重い意味のある「社会詠」だ。
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