岩田亨の短歌工房 -斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・短歌・日本語-

短歌・日本語・斎藤茂吉・佐藤佐太郎・尾崎左永子・社会・歴史について考える

報告「天童大人プロデュース:詩人の聲 」参戦(27)

2015年12月23日 14時02分44秒 | 岩田亨の作品紹介
第1346回 天童大人プロデュース「詩人の聲」


  岩田亨公演(27回目) 於)Unica Gallery



「(語り)天童大人プロデュース『詩人の聲』。27回目の参加です。本日は御来場頂きましてありがとうございました。

 プロジェクト、本年最後の公演です。クリスマスも近いので冬や クリスマスにちなんだ作品などを読んで行きたいと思います。」



 「聖夜」33首

・戦いの軌跡を映す画像見て世紀最後のイブを過ごせり


・イブの夜のコンビニエンスストアに二つ残れるエクレアを買う

 1首目『短歌』の題詠「新世紀をうたう」で入選したもの。僕自身の初めての入選歌だ。2首目。歌集未収録。


 「橘真樹へー君のてのひら」50首

 新境地の相聞。聴衆の女性が「物語性がある」と話していたので方向性はこれでいいだろう。これから練り上げて行きたい。


 「聲の力」7首

 第四歌集の主題にかかわる連作。雑誌などに未発表。「詩人の聲」で練り上げきた。短歌7首の形をとりながら一篇の現代詩になるようにした実験作。「祈り」6首も同様だ。またこれは肉親の死の虚構の是非に対する実験作だ。正確には生存している肉親の死という言葉を詠みこんだ作品だ。


 「マタギの爺」8首、「島の娘」8首。

 人物を題材とした物語詩の実験作。「星座」「星座α」に発表した作品をもとにしている。


 「ISによる人質殺害事件の追悼集会にて」7首。

・追悼の人の集える広場にて冬の時間は厳かに過ぐ

 「星座α」に発表したもの。社会詠の実験作だ。「議事堂周辺」7首、「火祭り」7首も社会詠の実験作。「議事堂周辺」は「うた新聞」に寄稿したものに新作1首を加えたもの。


 「われの肖像」10首

・キリストの最期のような寒夜にてフクロウの鳴く声の聞こえず


 「運河」の巻頭詠。「かながわサロン」の歌友から力作だと言われた。フクロウ「の」は「も」のほうがいいと「かながわサロン」で言われたが原作は「も」。選者によって直された。「も」は避けるべきだという教条的判断だろう。


 「神ならぬもの」7首。

・異形なるものこそよけれドラクロワ・ジェリコの絵画を好めりわれは

 『短歌』に寄稿した連作。


 「高山の跡」「空青し」「論敵」「断崖」「淀む空気」「雨降る予感」「感覚」「乾いた風」「光幾筋」「太陽の輪郭」など。第四歌集収録予定の作品。


 風邪気味だったが聲は出せた。咽喉へも負担がない。翌日体全身が痛んだ。天童大人の言っている聲の出し方が身についてきた。だがまだ間がとれない。読んでいるうちに心がせいてくる。自身がコントロールできない。これは僕の性格的弱点でもあるので、意識して変えて行きたい。こうしたことも聲に出る。

 間の取り方は尾崎左永子の音読CDなども参考にして次回、1月7日の公演で披露したいと思う。

 次回は1月7日場所は同じUnica Galleryで。18:30開場、19:00開演。






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