第1346回 天童大人プロデュース「詩人の聲」
岩田亨公演(27回目) 於)Unica Gallery
「(語り)天童大人プロデュース『詩人の聲』。27回目の参加です。本日は御来場頂きましてありがとうございました。
プロジェクト、本年最後の公演です。クリスマスも近いので冬や クリスマスにちなんだ作品などを読んで行きたいと思います。」
「聖夜」33首
・戦いの軌跡を映す画像見て世紀最後のイブを過ごせり
・イブの夜のコンビニエンスストアに二つ残れるエクレアを買う
1首目『短歌』の題詠「新世紀をうたう」で入選したもの。僕自身の初めての入選歌だ。2首目。歌集未収録。
「橘真樹へー君のてのひら」50首
新境地の相聞。聴衆の女性が「物語性がある」と話していたので方向性はこれでいいだろう。これから練り上げて行きたい。
「聲の力」7首
第四歌集の主題にかかわる連作。雑誌などに未発表。「詩人の聲」で練り上げきた。短歌7首の形をとりながら一篇の現代詩になるようにした実験作。「祈り」6首も同様だ。またこれは肉親の死の虚構の是非に対する実験作だ。正確には生存している肉親の死という言葉を詠みこんだ作品だ。
「マタギの爺」8首、「島の娘」8首。
人物を題材とした物語詩の実験作。「星座」「星座α」に発表した作品をもとにしている。
「ISによる人質殺害事件の追悼集会にて」7首。
・追悼の人の集える広場にて冬の時間は厳かに過ぐ
「星座α」に発表したもの。社会詠の実験作だ。「議事堂周辺」7首、「火祭り」7首も社会詠の実験作。「議事堂周辺」は「うた新聞」に寄稿したものに新作1首を加えたもの。
「われの肖像」10首
・キリストの最期のような寒夜にてフクロウの鳴く声の聞こえず
「運河」の巻頭詠。「かながわサロン」の歌友から力作だと言われた。フクロウ「の」は「も」のほうがいいと「かながわサロン」で言われたが原作は「も」。選者によって直された。「も」は避けるべきだという教条的判断だろう。
「神ならぬもの」7首。
・異形なるものこそよけれドラクロワ・ジェリコの絵画を好めりわれは
『短歌』に寄稿した連作。
「高山の跡」「空青し」「論敵」「断崖」「淀む空気」「雨降る予感」「感覚」「乾いた風」「光幾筋」「太陽の輪郭」など。第四歌集収録予定の作品。
風邪気味だったが聲は出せた。咽喉へも負担がない。翌日体全身が痛んだ。天童大人の言っている聲の出し方が身についてきた。だがまだ間がとれない。読んでいるうちに心がせいてくる。自身がコントロールできない。これは僕の性格的弱点でもあるので、意識して変えて行きたい。こうしたことも聲に出る。
間の取り方は尾崎左永子の音読CDなども参考にして次回、1月7日の公演で披露したいと思う。
次回は1月7日場所は同じUnica Galleryで。18:30開場、19:00開演。