「天童大人プロデュース:詩人の聲」第1238回
岩田亨公演(19回目)於)東京平和教会駒込チャペル
(語り)本日は御来場いただき、有難う御座います。今回より第四歌集集録作品を選択するのに聲を出したいと思います。
「聲の力」7首
歌集の主題に関わった作品。未完成、未発表だが、毎月の歌会(批評会)に出詠して完成を目指している。歌集集録のみの作品となりそうだ。
「祈り」7首
短歌に肉親の死の虚構を詠んでよいか論争があった。加藤治郎と大辻隆弘が、フェイスブックで、盛んに論争した。それに僕も何度かコメントしたが、加藤が「(肉親の死の虚構を)詠めるなら、詠んでみろ。」と言う趣旨のコメントを返してきた。それならばと、母の死を詠み込んだ連作を作った。7首連作で現代詩のようになった。新しい試みで、これも歌集集録のみの作品となるだろう。
「島の娘(こ)」7首
物語詩を試みている。「星座」73号に、離島に住む女性を素材とした短歌を発表した。それとは別に、現代詩風にアレンジした連作を作った。これも歌集集録のみの作品となるだろう。
「猛禽類の声」7首
・みずからの影に脅えるさまに立つ冬木の形のひどく驚く
ほかの6首ある。『星座』に出詠した作品で、第四歌集集録作品の中心となるだろう。
「光幾筋」4首
・流言のたぐいありしと聞く夜に音高き風窓ごしに吹く
「野茨が咲く」7首
・ささいなるこだわり多き世にありて逃れ得ぬこと野茨が咲く
「太陽の輪郭」5首
・さんさんと日の差す白き砂浜に周期定かに波音ひびく
このほか『星座』に発表した作品を、約180首読んだ。これが歌集収録歌となるだろう。
そのあとに読んだ、やく150首は出来不出来にばらつきがあり、次回公演までに、作品の入れ替え、改作が必要だろう。
公演のあと天童大人から辛口の批評をされた。
「聲が後半に息切れしている。」これは自分でも感じていた。まだまだ腹筋の鍛え方が足りない。語尾をハッキリ聲に出すのに注意を集中したので、今までにない疲れを感じた。翌日は一日疲れが取れなかった。「聲の修行」は、まだまだ続きそうだ。
だが確かな手応えはあった。
次回を期して、作品も体も修練したい。
【次回は5月6日(水)自由が丘 キャシュキャシュダールで。午後18:30開場。19:00開演。予約、問い合わせ 北十字舎 090-6181-0556】