天童大人プロデュース「詩人の聲」第1264回
岩田亨の聲(21回目)
6月8日(月) 於)NPO法人東京自由大学
「(語り)今晩は。岩田亨です。詩人の聲。21回目の参加です。第4歌集集録予定の作品を、ここ数回読んでは手を入れ、また読むを繰り返してきました。今日もそういう方向で、作品を聲に載せ、練り上げていきたいと思います。」
「われの肖像」10首詠(『運河』)
・争論の終わりし部屋のすみに居てミルフィーユの味われは楽しむ
「ISによる人質殺害事件を受けて」7首詠(『星座』)
・追悼の人の集える広場にて冬の時間は厳かに過ぐ
「火祭り」14首詠(『短歌』、社会詠の実験作。)
・海外への派兵の決定なされたる今日多喜二忌の案内届く
「聲の力」7首詠(未発表)
「祈り」7首詠(未発表)
「島の娘(こ)」8首詠(未発表)
「マタギの爺」10首詠(『星座』)
・アルテミスの申し子のような狩人がおのが仕留めし獲物を掲ぐ
「猛禽類の声」「光幾筋」「野茨が咲く」「太陽の輪郭」「海静かなり」「際の河原」
「わが耳澄ます」「赤紫蘇刻む」「遠き山々」「童話」「怒り鎮めん」「セロリが苦し」
「無頼の輩」「砲弾」「かの夏」「木彫りの熊」「水無川」「空気が淀む」「午後3時」
「冬至前後」「工事現場」以下略。(『星座』『星座α』『運河』)
「無題」30首詠(未発表)
ここ数年かけ制作している連作。今回でほぼ完成した。
物語詩の実験、社会詠の実験、連作で一篇の定形詩とする実験。こういう作品が形となりつつある。
フェイスブックの繋がりで、ハワイから聞きに来てくれた方がいた。「全作品が耳で聞きとれた」と感想を頂いた。聲に出しながら手を入れて来た成果だろう。聲に出しやすい作品は耳からも聞きやすい。
だが課題もある。天童大人から指摘されたのだが、決まり文句になっているものがある。ここは次回までに、さらに練り上げたい。