ポスター騒動の「蘇民祭」に報道陣170人 岩手(朝日新聞) - goo ニュース
JR東日本がポスターの張り出しを断った騒動で注目された岩手県奥州市の「蘇民祭」が、13日夜半から開かれた。14日早朝まで8時間以上にわたる「裸の男と炎」の奇祭に、例年の3倍に膨れあがった報道機関47社、約170人も含め、大勢の見物人が詰めかけた。
 |
大勢の見物客が見守る中、水ごりをする若者たち=13日午後10時すぎ、岩手県奥州市水沢区で |
この日は日中も気温が零下の真冬日。五穀豊穣(ほうじょう)を願い薬師堂などを回る祈願祭が始まると、「ジャッソウ、ジョイヤサ」のかけ声が境内に響いた。
今年はポスター騒動に加え、メーン行事の際に男衆が裸体になることなどが「公然わいせつに当たる」として警察から事前に警告を受けた。1000年以上続
くとされる国指定無形民俗文化財の伝統行事だけに、地元には「スタイルは変えられない」と反発もあり、祭りのなりゆきが関心を集めた。
◇世話人の中には「逮捕されても…」
岩手県奥州市の黒石寺蘇民祭(こくせきじそみんさい)(13~14日)が今度は山場の主役が全
裸になるかどうかで揺れている。下帯姿の男が奪い合う蘇民袋を小刀で切り裂く役は07年まで伝統通り全裸だったが、岩手県警水沢署が今年初めて「公然わい
せつに該当し、警察として措置する」と事前警告したためだ。運営する16人の世話人の中には「仮に逮捕されても伝統は守る」と逆に意気込む人もいる。
世話人の一人は裸で本堂の格子に登り近くに袋が来た瞬間、口に小刀をくわえて男衆の上に飛び降りる。そして四方をにらみ袋を切り裂くと、中から護符の小間木(こまぎ)がこぼれ落ち、争奪戦はクライマックスを迎える。
元々、参加者はみな全裸だった。しかし女性観光客が増加し、露出目的の参加者も現れ、寺側は数年前から「祭事外で全裸にならない」「一般参加者は下帯を付ける」と規制してきたが、世話人の全裸は許していた。
しかし1月、水沢署から全裸への事前警告が口頭で数回初めてあった。荒川文則副署長は「『神事だから黙認』と思われていたかもしれないが、法律に抵触する
行為があればしかるべく措置するスタンスは不変。昨年までも現場で警告制止してきた」と話す。境内での宗教行為だから罪にならないとの声もあるが、荒川副
署長は「観光客がおり、公然性がある」と言う。寺の女性住職、藤波洋香さん(55)は「対応に苦慮している。もう少し伝統文化への理解があっていいので
は」とこぼす。【石川宏】
蘇民祭存続へ禁「全裸」 下帯着用呼び掛け (河北新報) - goo ニュース

(河北新報)
岩手県奥州市水沢区の黒石寺に伝わる伝統行事「蘇民祭」を13日に控え、関係者の緊張が高まっている。過去には一部参加者が全裸で境内を歩くなど風紀の
乱れが問題視され、警察から指導を受けたこともあった。今年はJR東日本のポスター掲載拒否騒動で注目度が高まっており、寺や市などは「風紀が守れないと
存続が危ぶまれる」と、下帯着用などマナー順守の徹底を呼び掛ける。
蘇民祭では一昨年、一つの「事件」があった。祭りに参加した複数の男性が全裸を誇示して境内を歩き回る様子がインターネットで流された。主催する寺と市、地元の蘇民祭保存協力会に対し、水沢署が下帯着用を徹底するよう強く要請する異例の事態に発展した。
以前から全裸を目的に参加したり、見物に駆け付けたりする人たちが話題になり、「最近はいかがわしい雰囲気が目に余る」と市民から苦情も寄せられていた。
藤波洋香住職(55)は「蘇民祭は裸祭りとして続いてきたが、裸だけを興味本位にとらえられては心外。全裸の画像をネットで流すのは祭りを侮辱する行為」と憤る。
危機感を募らせた主催側は昨年、風紀徹底を申し合わせた。参加者用の更衣室に下帯着用厳守を呼び掛ける紙を張り、ビラを渡してマナー順守を呼び掛けた。関
係者が見回りを強化して直接注意するなどした結果、意図的に全裸になる行為はなくなり、苦情も寄せられなかったという。
主催側は今年も同様の対策を取る方針。保存協力会青年部顧問の佐藤健一さん(64)は「今年はポスター騒動で例年より注目されているので、メディアの取材なども増えると予想される。下帯着用を徹底し、トラブルがないよう一層の努力をしたい」と気を引き締める。
藤波住職は「祭りは時代や社会の変化に合わせて変化してきた。下帯着用もその一つであり、時代や社会に受け入れられるためのルールを守れないようでは、祭りの存続自体が危うい。節度ある行動をお願いしたい」と協力を呼び掛けている。
[黒
石寺の蘇民祭]蘇民祭は岩手県南などに伝わる正月や旧正月の伝統行事。無病息災などを祈り、裸の男たちが厄よけになるといわれる蘇民袋の争奪戦などを繰り
広げる。薬師信仰で始まった黒石寺の祭りは1000年以上の歴史があるとされ、「裸の男と炎のまつり」として知られる。もともと参加者は全裸だったが、戦
後は下帯着用が広がった。今年は13日夜から14日早朝にかけて行われる。奥州市が宣伝用に制作したポスターについて、JR東日本が「不快感を与える」と
して駅構内への掲示を拒否したことが、全国的に話題になった。
保守記事.226 そこまで、大事か?