米マイクロソフト(MS)が仕掛けた米ヤフーの買収劇に、「メディア王」ルパート・マードック氏率いるニューズ社が割って入る見通しが強まった。MSの 買収提案を拒否したヤフーが、MSに対抗する友好的な買収者「ホワイトナイト(白馬の騎士)」を引き入れることができるか。現時点でもMS有利とされる が、攻防は、水面下で激しさを増しそうだ。
![図](http://www.asahi.com/digital/internet/images/TKY200802150010.jpg)
米ヤフー買収をめぐる動き 「マードック氏は『ヤフー争奪戦に参戦しない』と語った約1週間後に、ヤフーのホワイトナイトに浮かび上がった」
米紙ロサンゼルス・タイムズは13日の電子版でこう報じた。早々にMSの対抗馬に挙げられたニューズ社だが、マードック氏は4日の会見で「現時点では関 心がない」とヤフー買収の可能性を否定していた。ところが、ヤフーが11日、MSの提案を拒否したことで、状況は変わったようだ。
ヤフーとニューズ社の交渉は、ヤフー側が持ちかけたと複数の米紙が報じている。
両社は1年半以上前からインターネット事業の統合などを交渉していたとされるが、これまではヤフーが断っていたという。だが今回は、MS から総額446億ドルという破格の条件で買収を提案されたため、独立経営を守りたいヤフーは早急にホワイトナイトを探さなければならなくなった。
米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)によると、両社が今回協議しているのは、ニューズ社のネット事業とヤフーとの事業統合だ。
ニューズ社は05年、世界最大のソーシャル・ネットワーキング・サービス「マイスペース」を買収。傘下のテレビ局のニュースやスポーツ情報を提供するサイトなども運営するが、有力な検索サイトやポータルサイトは持っていない。
事業統合では、ニューズ社がヤフーの株式20%以上を取得することが協議されている。実現すれば、ニューズ社にとってネット事業への本格的な足がかりになる。ヤフーと組めば、急成長するネット広告市場での収益増が期待できる。
ヤフーにとっては、MSに対抗できる強力な援軍だ。マードック氏は買収を繰り返して米欧などにまたがるメディア王国を築き上げ、昨年には世界屈指の経済紙WSJを発行する米ダウ・ジョーンズ社まで資金力に物を言わせて買収した。
だが、現在の交渉は初期段階にあるとされ、実現するかどうかは不透明だ。MSも、買収額を引き上げて買収成立を目指す可能性が高いと見ら
れており、ヤフー大株主の一部は賛同する構えだとされる。WSJなど米メディアやアナリストらの多くはまだ、「MSが本命」と見ている。
一方、ニューズ社側には「ニューズ社が失うものは何もない。(ヤフーとの交渉が決裂しても)MSに買収額の引き上げ圧力をかけられる」と
の思惑があるとニューヨーク・タイムズは伝える。どちらに転んでも、競合するMSの力を弱められるという、したたかな計算がマードック氏にはあるようだ。
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