大型船との衝突、小型船の回避が常態化…あたご側に予断か(読売新聞) - goo ニュース 海上自衛隊のイージス艦「あたご」と漁船「清徳丸」の衝突事故で、なぜあたごは直前まで回避行動をとらなかったのか。
海上衝突予防法は2隻の船が互いの航路を横切る際、相手を右に見る方が避けることを義務付けている。だが実際には、小回りの利く小型船が大型船をよけるケースが多く、漁師や海事関係者らは「あたごは漁船団がよけてくれるだろうという予断があったのでは」と指摘している。
東京湾の出入り口やその近海は、タンカーや自衛艦などの大型船から漁船などの小型船まで、様々な船舶が頻繁に行き来する。ある遊漁船業者(35)
は、小さな釣り船を操縦する際、「自衛艦とわずか数十メートルの距離ですれ違うことが多いが、よけるのはいつも自分の方だ」と話す。全長100メートル以
上ある自衛艦は小回りが利かない。釣り船は半径30~40メートルで旋回できるため、自衛艦に回避義務があるケースでも、「客の安全のためにも、こちらか
ら早めに回避している」という。
大型船が頻繁に往来する海域で操業する漁船も「遠慮」を口にする。大阪湾で操業する漁業者で作る大阪市漁業協同組合は「自分の身は自分で守るしかない」。また、伊豆大島に住む50歳代の男性漁師も、「大きな船とけんかしても負けるから、その前によける」と話す。
一方、イージス艦に乗務経験がある元海自幹部は「大きな船の方が相手をよけにくいため、関門海峡など狭い所や、船の行き来が過密な海域では小型船に避けてもらうことも多い」と語る。だが、今回の事故ではあたご側も回避行動が可能だったとし、「衝突直前まで自動
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だったのは、漁船に回避してもらえるだろうという意識があったからではないか」と指摘する。
また、清徳丸の僚船のある船長も「大型船にありがちな『小型船がよけてくれる』という考えだ。沖合で自衛艦とよく遭遇するが、こちらが回避している」と不信感をあらわにする。
神奈川県・横須賀沖で1988年7月、海上自衛隊の潜水艦「なだしお」と遊漁船「第一富士丸」が衝突して釣り客30人が死亡した事故でも、海上保安庁幹部は「遊漁船が避けてくれるという予断があったのではないか」と指摘した。
大型船に乗り込んで東京湾内を誘導する「東京湾水先人会」の佐藤克弘会長は「イージス艦は大型だが、タンカーに比べれば運動性能ははるかに高い」
と語る。見張り員が衝突の12分前に清徳丸とみられる灯火を視認した後、衝突まで見失った疑いがあることに触れ、「本来、あり得ない。『漁船が回避してく
れる』と考え、漫然と航行していたとすれば、非常に問題だ」と批判した。また、コンテナ船の船長だった池田宗雄・元東海大海洋学部教授は「相手がよけると
いうおごりがあると思われても仕方ない」と話す。
衝突7分前に当直全員交代、レーダーの船影無警戒(読売新聞) - goo ニュース
海上自衛隊のイージス艦「あたご」と新勝浦市漁協(千葉県勝浦市)所属の漁船「清徳丸」の衝突事故で、あたごのレーダー員が複数の漁船の存在を画面上で把握しながら、接近してくるものと認識していなかったことがわかった。
第3管区海上保安本部(3管)の調べで、午前4時の当直交代の際、このレーダー員を含む26人全員がそっくり入れ替わっていたことが判明。交代は
通常、安全が確保されたうえで行われることになっており、当直士官や見張り員を含む全員が漁船の接近を察知していなかったことを裏付けている。
防衛省などによると、あたごの水上(航海)レーダー画面は艦橋と戦闘指揮所(CIC)の2か所にあり、それぞれ1人が、広域用と近距離用の画面を
切り替えながら監視する。レーダーは通常、遠距離用の場合は約20キロ先まで漁船の存在を認識でき、近距離用は周囲数百メートルを監視する。
今回の事故現場のような海域では、遠距離用の画面を見た場合、漁船が多数の点で表示される。そのすべてを追跡するのは困難で、レーダー員は自船の航行に危険を及ぼしそうな船に限って針路を追跡、危険性がないと判断した場合は追跡することはないという。
今回、あたごのレーダーがどちらの画面を表示していたかは不明だが、正常に作動していたという。石破防衛相は22日の衆院安全保障委員会で、「漁船は当然、映っていたと考えるのが普通」と述べた。
同省幹部は「いくつかの漁船がレーダーに映っていたものの、清徳丸については自分の針路に向かってくるとは認識せず、画面上では全く注意を払っていなかった可能性が高い」と話す。
事故当時、当直は艦橋に10人、CICに7人など計26人体制だった。レーダー監視を補う見張り員は、艦橋の左右と後部甲板に配置。あたごでは艦
橋の右側にいた見張り員が衝突した午前4時7分の12分前に、右前方に清徳丸のものと思われる赤と白の灯火を確認。しかし、その情報が当直士官など他の乗
組員に伝わらず、レーダー員は事故直前まで清徳丸の接近を把握していなかったことになる。
イージス艦勤務がある元海自幹部は「少しでも危険がある場合は、当直は交代せずに、そのまま残るよう、徹底した教育を受けている」と指摘している。
◇
3管は22日、あたごと回収された清徳丸の船体の実況見分を終えた。捜索では、あたごの全地球測位システム(GPS)のデータを紙に記した「航法装置記録紙」や航海日誌、海図など27点を押収した。
保守記事.166-11-17 「神の目」着いてねぇのかよ!!
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