仙台市の北陵クリニックで患者に筋弛緩(しかん)剤を投与し、1人を殺害、4人を意識不明などにさせたとして、殺人と殺人未遂罪に問われた元准看護師守大助被告(36)の上告審で、最高裁第3小法廷(藤田宙靖裁判長)は27日までに、被告側上告を棄却する決定をした。無期懲役が確定する。決定は25日付。
直接証拠に乏しく、被告は逮捕当初の自供を直後に翻したが、同小法廷は「被告が筋弛緩剤を点滴で投与したとの二審判決に事実誤認はない」と判断。「薬の副作用か医療事故が原因」との弁護側無罪主張を退けた。
一審仙台地裁は2004年3月、警察の鑑定や被告の自白は信用できるとして、「容体急変は被告による故意の犯罪」と認定。患者が死亡する可能性を認識していたとして、未必の殺意があったとした。
[時事通信社]
筋弛緩剤事件 意識戻らず来月19歳(産経新聞) - goo ニュース
筋弛緩(しかん)剤事件の被害者で、いまだ意識不明の状態が続く大島綾子さん(18)の父親は、弁護士を通じて「突然の話でびっくりしたが、当然の判決 だと思う。これまで否認を続けてきた守被告は謝罪をしてほしい」と訴え、母親の恵理子さんは「主人から第一報を聞いた。コメントと言われても頭の中が真っ 白で、まとまらない」と話しているという。
大島さんの代理人である袴田弘弁護士によると、守被告に対する損害賠償訴訟が26日に結審。そこで提出された守被告側の準備書面に「守大助に対する刑事 裁判の上告審においても、下級審の有罪判決の見直しが行われることが必至の状況」と書いてあったことに両親は激怒し、「何の根拠もなく、無責任なことを堂 々と主張するなんて」と守被告やその弁護団に憤っていたという。
事件当時11歳だった綾子さんは仙台市内の自宅で意識不明のまま、来月14日に19歳の誕生日を迎える。筋肉の硬直化を防ぐため月1、2回のペースでリハビリを行っており、子供のころから習っていたピアノの生演奏を聴くと、微妙に表情を変えることがあるという。