欧州連合(EU)上空を飛行する飛行機の機内で、2008年中に携帯電話の利用が認められる方向となった。欧州委員会が7日に利用を解禁する方針
を決めた。現在は飛行機の計器や通信網に悪影響を及ぼす恐れがあるため、乗客は携帯電話の電源を切る必要がある。レディング委員(情報社会担当)は「乗客
の約90%は携帯電話の利用者であり、ビジネスマンの利便性が高まる」と強調した。
欧州委は実用化試験の結果をふまえ、今年中に新サービスを認める方針だ。機内に設けた「基地局」機能が衛星を経由して地上とつながる仕
組みを利用する。地上の基地局などとは直接つながらないため、運航の安全性に問題はないという。欧州委は新サービスでの通話料金が高額だと利便性の向上に
つながらないと指摘。料金の設定などでEU統一のルールを定める考えだ。(ブリュッセル=下田敏)
(16:00)
米Boeingは8月17日(現地時間)、航空機内インターネット接続サービス「Connexion by
Boeing(CBB)」を終了し、同市場から撤退することを発表した。CBBは2004年5月に、ドイツのルフトハンザ(Lufthansa)航空の定
期便の一部で一般利用者向け商用サービスの提供が始まった。その後、日本航空(JAL)や全日空(ANA)などの日系航空会社をはじめ、世界の航空会社数
社で導入が進んでいた。正式サービスインからわずか2年と少々で撤退が発表されたことになる。
CBBは通信衛星を用いて航空機と地上を接続し、航空機に搭乗している利用者にIEEE
802.11b/gベースの無線LANによる機内インターネット接続環境を提供するサービスだ。従量制、または26.95ドルの定額料金でフライト中にイ
ンターネット接続が利用し放題となる。登場時には画期的なサービスとして注目を集めたものの、同社によれば、きちんとビジネスとして成立するにはハードル
が高かったようだ。Boeing会長で社長兼CEOのJim
McNerney氏は「Boeingは過去6年にわたり、CBB実現のために多くの時間とリソース、技術を投入してきた。だが残念なことに、市場はわれわ
れの思ったほどにこのサービスを必要としていなかったようだ」と述べている。
Boeingは2006年度後期(5-10月)の損失額を、最大で3億2,000万ドル、1株あたり26セントと見積もっている。一方で2007年
度には黒字に転じ、1株あたり約15セントの利益にまで回復すると予測する。損失額には、CBB利用者への早期解約によるサービス料金返還などサービス停
止に関するコスト負担のほか、CBBの保有する資産などが含まれる。子会社であるCBBに勤める従業員の多くは、そのままBoeing社内の他の部署に配
置転換されることになる。
今回のBoeingの発表はCBBユーザーには残念な決定だが、航空機内でインターネットを利用する道が閉ざされたわけではない。通信機器会社の米
AirCellは2005年3月に、「AirCell Broadband
System」と呼ばれる独自の機内ブロードバンド通信技術のデモストレーションを行っている。CBBの衛星通信とは異なり、こちらは米国内の地表に複数
のアンテナを設置し、これらのアンテナと航空機に設置されたアンテナを無線通信で結び、ブロードバンド通信に必要な帯域を確保しようとしている。利用者は
機内のアンテナから802.11b/gによる無線LANインターネット接続を利用できるだけでなく、通常の携帯電話による通話も可能になる。しかも、これ
らのサービスが低コストで実現できるというのがAirCell Broadband
Systemの特徴だ。米国内線を就航している格安航空会社の米JetBlue Airwaysが同社のサービスを採用し、米連邦通信委員会(FCC:
Federal Communications Commission)から無線周波数帯使用の許可を得ており、早期のサービスインが期待されている。
保守記事.101-55 格差、広がってるじゃん!!保守記事.175-6 かつてのナショナルフラッグ保守記事.175-6-2 かつてのナショナルフラッグ