可破家の御啓・9

可破家の御啓(かばかのごけい)・９


賢木さん、一度冷静になったけど、

更にヒートアップしてしまうところをみると

やはりかなり溜まっているみたいだ


　陣「さ、賢木さんお落ち着いて

　　　私たちは、賢木さんの味方ですから」


さっきから陣が右往左往しながら賢木さんを

なだめようと、逆に火に油を注ぎ続けているのが

なかなかに面白くて、ついつい傍観してしまったけど

そろそろ助け舟を出さないとかなぁ


　陣「さ、賢木さん信用してください～～～っ」

賢木「信用できるわけがないでしょ

　　　あなた達は、この仕事でいくら

　　　もらう予定なんですか

　　　ありもしないことで人を騙して、

　　　詐欺師と同じじゃありませんか」

透明「流石に聞き捨てなりませんね～」

賢木「・・・だ、だってそうでしょ」

透明「賢木さんが今回のことを信用できないのであれば

　　　私達はそれで良いのですが」

賢木「えっ」

透明「ちなみに今回のことで、何か事前に

　　　金銭でのやり取りがあったのですか」

賢木「えっそれは・・・きっと、これから・・・」

透明「ふむっ可能性だけで人を詐欺師呼ばわりは

　　　いただけませんよね」

賢木「あっ」

透明「取り敢えず、落ち着きましょうよ

　　　正直、私達の仕事はここまでなので」

賢木「えっ」

　陣「実は、私達は大切な氏子の方に不吉な神託が

　　　降りてしまったので、その神託を読み解いて

　　　報告して欲しいとだけ言われているので、

　　　読み解きが終わった時点で、私達の仕事は

　　　終了なんです

　　　ちなみに、今回のことで特別に報酬などは

　　　出ないというか、普段のお給金範囲での仕事

　　　なので、賢木さんに何かを請求することは

　　　ありませんので、ご安心ください」

透明「あっ

　　　ちなみに私は陣の仕事とは直接関係ないので

　　　２日分の夕食を奢るという条件で

　　　手伝いに来ています」

賢木「そ、そんな・・・」


実際に、陣が職務として任されたのはここまでで

難解な読み解きさえできれば、後は賢木さんと

こちらの神主さんに報告をあげれば終了の

単純なお仕事でもあった

後はこちらの神主さんが対応するのだろうけど

賢木さんの様子をみると、なかなか一筋縄では

いかないだろ



さてさて、どうしたものか



　　　　　　　　　続く・・・。

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