Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

ひともじ(ナンヨウミドリハゼ)

2018-09-07 18:48:22 | ハゼ科

強い日差しか強い雨…、メリハリがはっきりした空模様だった本日のやんばるです。

近海にまた熱帯低気圧が…。

今年はホントに多いなぁ…。まあ、海への影響はそんなになさそうですが。

当分の間、不安定な空模様が続きそうです。

風は南東。晴れ、一時雨。

■■

京都の哲学の道沿いには、法然院というお寺があるのだそう。そしてその門には『不許葷酒入山門』と書かれているのだとか。これは「葷酒山門に入るを許さず」ということわざで、「葷菜と酒は修行の妨げになるので、寺に持ち込んではならない」という意味。

お酒は分かるでしょうけど、葷菜ってどんなものか分かります?

葷菜とはニンニクやニラ、タマネギやラッキョウ、あるいはネギのこと。つまりくさい匂い、強い匂いのする野菜のことなのだとか。

そういう野菜は精力がつき心を乱すため、出家したものに対して食することを禁じていたのだそうです。

お坊さんには肉・魚やお酒以外に、食べてはいけない野菜というものもあったのですね。

ネギなんて昔から様々な効能があることが知られていたり、風邪や風邪の予防にも効果的な食材なのにだめなのですね。

昔のお坊さんは風邪をひいたらどうしてたのでしょうね。僕が幼少の頃は、普通に首にネギを巻かれましたけど…。

ネギにはアリシンという物質が含まれていて、揮発性の高いアリシンを吸引することで風邪の治療に効果があるのだとか。

もちろんそんなことは全く知らずに首に巻いていたのですが…。

ネギは別名『ひともじ』ともいうのだそう。

これは、女房言葉なのだとか。といっても現代の女房ではなく、平安から江戸時代の貴族に使えた女性達のこと。

女房言葉には、後に一般に使われるようになった言葉がいろいろとあって、『おかか(かつお節)』や『おなか(腹)』なんかも元々は女房言葉だったのだとか。

あるいは『しゃもじ(杓子)』や『きなこ(ダイズの粉)』もそうなのだそうです。

ネギは人によっては毎日でも口にする野菜ですが、それが葷菜というカテゴリーに属していたりとか、ひともじなんていう別名があったりとか、実は今まで知りませんでした。

■■

さて…

〈ハゼ科ハゼ亜科イソハゼ属ナンヨウミドリハゼ Eviota prasina 18年7月24日 沖縄島新里〉

学名種小名は『ネギ色の、緑色の』の意。

ネギの緑ということは、萌葱色ということでしょうか。

画像の個体は分かりにくいですが、鮮やかな黄緑系の体色をしています。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする