相変わらず暑~い日々が続いてますやんばるです。
風もゆる~く、海も凪続き。
本日の熱中症指数が厳重注意。そして明日は危険レベルの予報。
まだ暑~い日は続きそうです。
海上の熱帯低気圧が、明日には台風に発達しそうです。
進路はまだ解りませんが、来週の後半沖縄島に近づくかもしれません。
風は南~南西。晴天。
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魚の学名種小名には、語尾が ‐ae や ‐i で終わるものが結構ありますが、これは献名と呼ばれる慣習です。
つまりその種小名から語尾の -ae や -i を取り除くと人名になるわけです。
例えば…
〈ヨウジウオ科ヨウジウオ亜科イシヨウジ属クチナガイシヨウジ Corythoichthys schultzi 18年8月20日 沖縄島安和〉
クチナガイシヨウジの学名種小名は schultzi ですので、i を取り除くと schultz となり、これは Leonard P.Schultz (レオナルド・P・シュルツ)さんというアメリカの魚類学者の名前です。彼に献名された学名だということですね。
献名とは、魚類だけに限らず、生物の種を記載し学名を命名するのに際して、命名者が特定の人物に敬意を表して名前を織り込む慣行のこと。
この特定の人物とは、記載された種を採集して命名者に提供した人物というケースが多いのだとか。
しかしそれだけではなく、命名者が個人的に恩義を感じている人物や、個人的に尊敬している人物である場合もあるのだそう。
分類学者が、自分の発見した新種の生物に自分の名前をつけるケースもあるにはありますが非常に稀で、やはり多くは前述のようなパターンで直接的あるいは間接的に敬意を表するのだとか。
個人的に尊敬しているというパターンは結構バラエティーに富んでいて、イギリスのヴィクトリア女王やアメリカのバラク・オバマ前大統領、ドナルド・トランプ現大統領等の王族や政治家に献名されていたり。
あるいはジョン・レノンやオジー・オズボーンなどのミュージシャンに献名されていたりもします。
日本ではインドネシアに分布するハゼの一種の学名は、長年ハゼの分類学的研究を行っている今上天皇に、またコトクラゲの学名は標本を相模湾より採集した昭和天皇に献名されていたりもします。
ではそもそもどうして献名という慣行が始まったのかというと、これは分類学的研究に多大な経済援助が必要だった19世紀に、研究者が援助者への謝意を示すために行ったものであったそうです。
研究ってお金かかりますもんねぇ…。
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さて…
〈ヨウジウオ科タツノオトシゴ亜科タツノオトシゴ属ヒポカンパス・ポントヒィ Hippocampus pontohi 18年8月20日 沖縄島安和〉
学名種小名の語尾が -i ですから、本種の学名も献名です。
インドネシアのスラウェシ島のダイビングガイド、Hence Pontoh(ヘンス・ポントヒ)さんに因んでいます。
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ところで…
本種は最初、Hippocampus severnsi として新種記載されました。
しかしその後遺伝的データによって、H.pontohi と H.severnsi は同種内の体色変異であることがわかりました。
国際動物命名規約に基づき、優先権がある H.pontohi が正式名、H.severnsi は異名とされたそうです。