Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

百合と愛(ウミシダウバウオ)

2020-09-15 18:51:49 | ウバウオ科

台風10号の影響が消えた後、凪の日が続いているやんばるです。

フィリピン付近に熱帯低気圧が発生しており、今後台風になりそうですが、西進していきそうな雰囲気です。

まだまだ凪のコンディションが続きそうです。

風は弱い南西。晴天。

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『愛する』

男女の間のセクシャルな意味で使われることもあれば、家族や友達、動物に対してや仕事や趣味に対しても使われる言葉ですよね。

この言葉、日本語として定着したのは明治以降のことなのだとか。

明治以降文学作品を通じて西欧から『ラブ(love)』という言葉が入ってきたとき、当時の翻訳家たちがそれに直接対応する言葉として漢語から『愛』という言葉を引用し、『ラブ』の対応語にあてたのだそう。

つまり『愛・愛する』はそのとき生まれた造語だったようです。

ではそれまで愛情を表現する言葉が日本にはなかったのかというと、もちろんそうではありません。

異性に対する愛情を表現する言葉は、『恋する』、『慕う』、『思う』、『焦がれる』、『惚れる』等々、状況によって細かくありすぎたわけです。しかもこれらは家族や友達には使えません。

そういう関係には、『慈しむ』や『可愛い』等、やっぱり細かな別の表現があったわけです。

現在僕たちはどんな対象にも万能に使える『愛する』という言葉を普通に使っていますよね。きめ細かな使い分けは失われつつあるのかもしれませんが、愛すること、愛情を伝えることが昔よりたやすくなったような気もします。

『愛する』

明治の翻訳家たちの偉大な発明のように思えたり…。

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さて…

〈ウバウオ科ウミシダウバウオ属ウミシダウバウオ Discotrema crinophilum 20年7月20日 沖縄島安和〉

学名種小名は『分離する+愛する』の意。

あるいは前半は『百合』の意で、『百合+愛する』の可能性も。

なんかぐっとGL的な雰囲気になってしまう気もしますが…。

住処のウミシダはウミユリ綱で別名を無茎ウミユリ類とも言われますから、そちらからの意味なのかも。

〈同種同個体 同日 同ポイント〉

ユリの中で愛し合うペア…です。

 

 

コメント
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