Sakana no Sanaka

沖縄本島テキスト系ダイバーの一考察

世界図の技法(ケボリガイの仲間)

2020-09-22 20:38:16 | 水中生物

早朝は少し雨交じりでしたが、時間と共に青空が広がった本日のやんばるです。

このところ北寄りの風が続き、鋭い日差しを浴びても灼熱~な感じではなくなっています。

秋分の日の今日も、秋めいた一日になりました。

ただ、向こう一週間は平年並みか平年より暑い日になりそうな予報ですが…。

二つの季節が鬩ぎ合っている感じのこの頃です。

風は北~北東。雨のち曇、のち晴れ。

■■

『ブッダーヴァタンサカ・ナーマ・マハーヴァイプリヤ・スートラ』と聞いて、何かをイメージできる人はまあまずいないでしょうね。

これは梵語で、日本語にすると『大方広仏華厳経』のこと。大乗仏教経典の一つ。つまり仏教の、釈迦が説いた教えを記録した聖典の一つです。

この華厳経には『華厳蔵世界』という世界観が説かれているのだとか。それによると、世界には『香水海』という清い真水の大海の上に一輪の巨大な蓮華があり、その上は大地になっているのだそう。

そしてその大地にはさらに無数の香水海があって、そのそれぞれに一輪ずつの大蓮華があるのだとか。そしてさらにその上に無数の大地があり、そのそれぞれに無数の世界があり、無数の世界には無数の仏国土があるという世界観なのだそうです。

複雑怪奇な世界観にも思えますが、綺麗なイメージが浮かぶ世界観です。

東大寺盧舎那仏像、いわゆる奈良の大仏様。その大仏の坐する蓮弁には、この華厳蔵世界図が毛彫りによって表されているのだとか。

毛彫りとは金属に線を彫る彫金の一手法で、もっとも基本的な技法なのだそう。

古くは弥生時代の『銅鐸』にはじまり、古墳から出土した兜や馬具の金具、室町時代以降には刀装具の彫刻などにもこの技法が使われているのだそうです。

東大寺には小学生のときに遠足で行っているのですが、蓮弁の記憶はないなぁ…。

■■

さて…

〈ウミウサギガイ科ケボリガイの仲間 Ovulidae sp. 20年8月7日 沖縄島安和〉

毛彫り技法のような線刻を、殻全体に纏っている貝です。

イソバナ類の上でじーっとしているイメージの本種ですが、画像の個体は活発に動いてました。

「赤いだけに3倍速いのか?」とか、「こいつ、動くぞ!(あっ、これはライバルの方のセリフだった)」とか思いながら撮影してました…。

 

 

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