*ウサギのお部屋*

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マーガレット・アトウッド「侍女の物語」(1985)

2022年08月11日 | 
 
何で読もうと思ったのか覚えてないけど、ずっと借りる本リストに入ってて、そろそろ読んでみようと思ったのである。
カナダの女性の作家なのね。そうなんだね。カナダの女性の作家といえばモンゴメリですよね。
「ヴィクトリア朝」とか出てきて、おおっと思った(笑)←モンゴメリでもよく出てきますのでね。

原題「The Handmaid's Tale」
タイトルから、中世? 昔の話かなって思ってたけど、全然違う。
「一九八四年」みたいなやつ。
ディストピア小説? っていうジャンルなんだって。
近未来の話。
想像では、1984年を超えた今(1985年)、自分なりのそういう感じのものを書いてみようって著者が思ったのかな? って。
ほかの作品を読んでないので何とも言えないけどね。想像です。

こういう、全然違う世界の話だと、入り込めていいなと思った。どんな世界にいるんだろうって、だんだん分かってくる感じがいい。
主人公たちの衣装なんかも、独特でいい。
一九八四は、そうなりつつある現実を思うと、ただ楽しんで読むってわけにいかなかったけど、こっちは、割と独創的な話なので、かえってよかったな。
まあ、深読みすれば、そうなりそうにも読めるけどね。政府がなくなっちゃうとかはさ、あり得る、というか、もうないようなもんだしね。

1985の近未来だから、多分、2000年頃が想定されているのかな?
それまでは、夫と幼い娘と、普通に自由に暮らしていた。しかし、クーデターが起こり、政府が倒され、軍事政権が始まる。そこで、少子化が問題になり、女性は自由を奪われて、子供を産める女性は産む機械となり、「司令官」という高位の男性の「侍女」として子を産むために勤務(?)することになる。元の家族はバラバラに。
もちろん、男性にも自由はない。皆、何らかの身分を与えられ、その身分身分で着る服も決められて、その役を演じて、表面上は穏やかに過ぎていく。

庶民は読み書きすることが禁止されている。
私だったら、それだけで気が狂えるわ。。。自信ある。。。だから、その点については深く考えませんでした。

女性たちを「教育」する機関で教える存在の「小母」という人が言っていたこと。
自由には2種類ある。
したいことをする自由、されたくないことをされない自由。
今は、前者の自由はないが、後者の自由はある。好きなことはできないが、例えばレイプされたりとか、そういうことはされないシステムになってるということ。

例外もある。
そうなると「救済の儀」という名の公開処刑が行われる。
地下活動もあり、置かれている環境から逃げることも、できるかもしれない?
という感じの話。

現在の日常を語る中で、昔のこと、家族のことを語ったり、「教育機関」にいたときのことを語ったりする話が入ってくる。
変化のない環境の中で、徐々に変化が・・っていうのもあり、最後はどうなったの? って感じでした。

続編もあるんだって(2019)。読んでみたい。
映画化もされているらしい。Huluでドラマ化も。ふうん。これは機会があれば。