3月5日東京楽の観劇記です。
前回の観劇ではセリフが前のめりになっていて2人の掛け合いのタイミングが合わなかった場面があったりで少しお疲れ気味 と思うところがあったのですが、今回は要所要所が引き締まっていて、それでいて熟れたゆったり感があって千秋楽に相応しい素晴らしい公演でした。
東京で観られるのも今日が最後!あそこが好き、ここ良いよね~と1日1日を噛みしめるように観てしまいました 1日目、冒頭から勢いのあるやり取りが炸裂……椿の柔軟な口調と向坂のいかにも昭和のおじさんっぽい口調(もちろん良い意味で!)が板についていて初日の頃の硬さが嘘のように馴染んでいてそれだけで圧巻 雷屋の今川焼からの向坂の自虐的なツッコミ……「今こう思いましたね?なーんだ、結局は持って帰るのか。あなたそういう顔をしていた!」「酷い男にぶつかった。あなたそう思いましたね?」あ~~~めんどくさくて可愛いっ ←バカ(笑)
2日目、カラス談義を繰り広げる椿と台本を読み続ける向坂、そして話にならんと台本を破り捨てて……徹夜して書き上げたんだから納得いく説明を~とキレまくる椿。椿の持つ激しさの一端を見たように感じたのですが破り捨てたのは別の劇団の台本で……ホッとしたところで自然に猿股失敬が出るところが面白すぎて 向坂が飼っている…のか?ムサシの巣箱も、、、本みたいに折りたためる形。表紙にムサシ君の何とかって書いてあるようなのですが全景が見えなくて……そうそう見えないといえば椿の台本!元々はジュリオとロミエットというタイトルだったのが結局何に変わったのか???2人で作り上げてさんざん盛り上がって最後に椿の思いを全て込めた台本なのに……自分ちゃんと見ておきなさいよっ と自己ツッコミしちゃった(笑)次に観る時はちゃんとオペラでガン見しておこうーっと。
3日目のやりとりは向坂の気の利かない雑談から始まるのですが、「わんこそば上手いよね」「何杯いけるものなんだろうね」と敢えての 棒読み調なところに向坂の不器用さが滲み出ていてなーんか好きなんですよね。ちょっと厭らしい感じなのに可愛いところもあって…みたいな お国の為→芸者のおクニちゃんで笑いを取る……おクニちゃんの人生に肩入れする向坂にちょっと稽古中の内野さんを重ねてしまったところがあって……5日目に警官の登場場面について椿と議論するところや6日目のアオカン出演について語るところも……勝手な想像ですが良い意味でめんどくさいやり取りが起こりそうで思わずニヤリと( ̄▽ ̄)この日語られた椿の大好きな伊勢の昔話。笑いのことなんか考えたこともないと言い放つ向坂、、、ちょっと切なくなりながら聞いていたのですが、椿は必死に笑いの大切さを訴える。「私は心の底から笑ったことはないがどうにか生きてきた」と言う向坂でしたが、椿の言っていることと向坂の人生が重なり合っていろいろ考えさせられて……。
5日目辺りから2人の関係が何となく柔らかくなるような……ピーちゃんの件、椿が向坂に餌と飼育メモを渡すところは結構上から目線的な感じになっているのに“台本直し”のところでは向坂が椿をリスペクトしているような感じからの厭らしいダメ出しで立場が逆転に逆転を重ねていくところが面白くて 初めての演劇 向坂が警官を演じるところはもうぅ~~毎回メチャクチャ笑えます←一種の繰り返しの法則・・・か 客席の方を向いてセリフを言って!と言われて客席を見た時の真ん丸な目がホント可愛くて 椿の書いている喜劇同様に劇中劇になっているところは上手いなぁと感じました。しかし、、、この日の2人のやり取りを永遠に見ていたいと思うほど温かい場面です。。。
6日目もジュリエットと神父様、じゃなくてお宮と浄土宗のお坊さんの立ち稽古からスタート。向坂の一生懸命なのに不器用な台詞回しがツボるんですよね~~「◯◯だよ」の語尾に必死さと実はノリノリな感じ なところが出ていて面白いし可愛いし……しかし、上演許可が下りて明るく笑って終わるのかと思いきや椿の告白からの急展開……というか緊急事態 緊張感が漂いながらも何となく響き合っている2人に見えて実はそんな単純な関係でもなく……恩賜のタバコを断る椿、何だかんだで権力側の発想になってしまう向阪、、、それぞれが譲れないプライドを持って生きてきたのだろう、お互いに尊重し合っているのだろう、だからこそこういうことになってしまったのだろう……今回は2人の関係が尊くて切なくて強くて悲しくて……台詞以上に伝わってくる空気感があって、手にする小道具にも思いが込められているように感じました。内野さんと瀬戸くん2人が演じている人物の関係性がずーーーっと纏わり続けている感覚 全てにおいて反対の凸凹コンビが美しくて切なくて痛くてね……反戦+α凄いものを残してくれたように思いました。
7日目の終盤、台本に名前を書く椿を見つめる向坂の目線と表情から目が離せませんでした 3日目に向坂が満州で労働者の統括、反日思想の統制をしていたことを語っているのですが、その背中に滲み出ていたものがとにかく重かったんです。勝手な想像ですが、彼は過酷な状況を見てきたのではないか?あるいは相当酷いことをしてきたのではないか?そして内地では語られない戦争の現実を知っていると思われ……だからこそ椿の気持ちを慮りながらも希望が叶わないかもしれないことを分かっているような……それでも帰ってこいと願った向坂の思いが温かくて切なくて堪らなかったです暗転からのラストシーン、今回は拍手が起きず静かに2人に寄り添う客席。じっくり最後の最後まで噛み締められたおかげで大号泣だったよーーー
カテコはあっさり3回。最初は役が抜け切らない内野さんでしたが、最後は瀬戸くんと固く握手を交わして肩を組んでバイバイしてくれました
前回の観劇ではセリフが前のめりになっていて2人の掛け合いのタイミングが合わなかった場面があったりで少しお疲れ気味 と思うところがあったのですが、今回は要所要所が引き締まっていて、それでいて熟れたゆったり感があって千秋楽に相応しい素晴らしい公演でした。
東京で観られるのも今日が最後!あそこが好き、ここ良いよね~と1日1日を噛みしめるように観てしまいました 1日目、冒頭から勢いのあるやり取りが炸裂……椿の柔軟な口調と向坂のいかにも昭和のおじさんっぽい口調(もちろん良い意味で!)が板についていて初日の頃の硬さが嘘のように馴染んでいてそれだけで圧巻 雷屋の今川焼からの向坂の自虐的なツッコミ……「今こう思いましたね?なーんだ、結局は持って帰るのか。あなたそういう顔をしていた!」「酷い男にぶつかった。あなたそう思いましたね?」あ~~~めんどくさくて可愛いっ ←バカ(笑)
2日目、カラス談義を繰り広げる椿と台本を読み続ける向坂、そして話にならんと台本を破り捨てて……徹夜して書き上げたんだから納得いく説明を~とキレまくる椿。椿の持つ激しさの一端を見たように感じたのですが破り捨てたのは別の劇団の台本で……ホッとしたところで自然に猿股失敬が出るところが面白すぎて 向坂が飼っている…のか?ムサシの巣箱も、、、本みたいに折りたためる形。表紙にムサシ君の何とかって書いてあるようなのですが全景が見えなくて……そうそう見えないといえば椿の台本!元々はジュリオとロミエットというタイトルだったのが結局何に変わったのか???2人で作り上げてさんざん盛り上がって最後に椿の思いを全て込めた台本なのに……自分ちゃんと見ておきなさいよっ と自己ツッコミしちゃった(笑)次に観る時はちゃんとオペラでガン見しておこうーっと。
3日目のやりとりは向坂の気の利かない雑談から始まるのですが、「わんこそば上手いよね」「何杯いけるものなんだろうね」と敢えての 棒読み調なところに向坂の不器用さが滲み出ていてなーんか好きなんですよね。ちょっと厭らしい感じなのに可愛いところもあって…みたいな お国の為→芸者のおクニちゃんで笑いを取る……おクニちゃんの人生に肩入れする向坂にちょっと稽古中の内野さんを重ねてしまったところがあって……5日目に警官の登場場面について椿と議論するところや6日目のアオカン出演について語るところも……勝手な想像ですが良い意味でめんどくさいやり取りが起こりそうで思わずニヤリと( ̄▽ ̄)この日語られた椿の大好きな伊勢の昔話。笑いのことなんか考えたこともないと言い放つ向坂、、、ちょっと切なくなりながら聞いていたのですが、椿は必死に笑いの大切さを訴える。「私は心の底から笑ったことはないがどうにか生きてきた」と言う向坂でしたが、椿の言っていることと向坂の人生が重なり合っていろいろ考えさせられて……。
5日目辺りから2人の関係が何となく柔らかくなるような……ピーちゃんの件、椿が向坂に餌と飼育メモを渡すところは結構上から目線的な感じになっているのに“台本直し”のところでは向坂が椿をリスペクトしているような感じからの厭らしいダメ出しで立場が逆転に逆転を重ねていくところが面白くて 初めての演劇 向坂が警官を演じるところはもうぅ~~毎回メチャクチャ笑えます←一種の繰り返しの法則・・・か 客席の方を向いてセリフを言って!と言われて客席を見た時の真ん丸な目がホント可愛くて 椿の書いている喜劇同様に劇中劇になっているところは上手いなぁと感じました。しかし、、、この日の2人のやり取りを永遠に見ていたいと思うほど温かい場面です。。。
6日目もジュリエットと神父様、じゃなくてお宮と浄土宗のお坊さんの立ち稽古からスタート。向坂の一生懸命なのに不器用な台詞回しがツボるんですよね~~「◯◯だよ」の語尾に必死さと実はノリノリな感じ なところが出ていて面白いし可愛いし……しかし、上演許可が下りて明るく笑って終わるのかと思いきや椿の告白からの急展開……というか緊急事態 緊張感が漂いながらも何となく響き合っている2人に見えて実はそんな単純な関係でもなく……恩賜のタバコを断る椿、何だかんだで権力側の発想になってしまう向阪、、、それぞれが譲れないプライドを持って生きてきたのだろう、お互いに尊重し合っているのだろう、だからこそこういうことになってしまったのだろう……今回は2人の関係が尊くて切なくて強くて悲しくて……台詞以上に伝わってくる空気感があって、手にする小道具にも思いが込められているように感じました。内野さんと瀬戸くん2人が演じている人物の関係性がずーーーっと纏わり続けている感覚 全てにおいて反対の凸凹コンビが美しくて切なくて痛くてね……反戦+α凄いものを残してくれたように思いました。
7日目の終盤、台本に名前を書く椿を見つめる向坂の目線と表情から目が離せませんでした 3日目に向坂が満州で労働者の統括、反日思想の統制をしていたことを語っているのですが、その背中に滲み出ていたものがとにかく重かったんです。勝手な想像ですが、彼は過酷な状況を見てきたのではないか?あるいは相当酷いことをしてきたのではないか?そして内地では語られない戦争の現実を知っていると思われ……だからこそ椿の気持ちを慮りながらも希望が叶わないかもしれないことを分かっているような……それでも帰ってこいと願った向坂の思いが温かくて切なくて堪らなかったです暗転からのラストシーン、今回は拍手が起きず静かに2人に寄り添う客席。じっくり最後の最後まで噛み締められたおかげで大号泣だったよーーー
カテコはあっさり3回。最初は役が抜け切らない内野さんでしたが、最後は瀬戸くんと固く握手を交わして肩を組んでバイバイしてくれました