行ってきました~~新宿ピカデリー

映画「家路」の完成披露プレミア上映会!題材が題材なだけに初披露のお祝いで華やかに盛り上がるという感じではなかったのですが、真剣な雰囲気の静かな……いや、真摯さが内側から湧き出る熱さとでもいうのかな~~そういう“盛り上がり”の上映会でした。
舞台挨拶は上映前。松ケン君、内野さん、久保田監督の順で登壇、それぞれの挨拶から始まりました。内野さんは「兄ちゃん役をやりました」と自己紹介……兄ちゃんって

最初は役どころについての質問があって、松ケン君は「ある理由で東京に出て20年ぶりに帰ってくるキャラクターで……後は見ていただければ分かります」と短めに切り上げて内野さんへ。「私はケンちゃん、じゃないか(笑)彼が帰ってくる福島で農業を営む長男で、土地を奪われて家族ともいろいろあって、弟に対しても複雑な思いを持っている男。初めてやるような役で難しかったけどやりがいがあった」と演じられた兄・総一について説明されました。そして続けて役作りについての話になって、松ケン君が農業指導の話を……松ケン君&内野さん→沢田家の人間で農家ということで、農業指導の秋本さんの家を沢田家として撮影に使わせてもらっていたこと、秋本さんの家族がお昼ご飯を作ってくれたりして仲良くさせてもらっていたことを話していて、とても和気藹々とした現場だったということでした。内野さんも横から「蕎麦が美味しかったね」と

その地で採れたものをたくさん振る舞ってもらったとおっしゃっていました。内野さんの役作りについては松ケン君とは違うアプローチだったようで……「今回はフィクションなんだけど農家の長男で仮設住まいという方は実際にたくさんいらっしゃって、自分がまず思ったのが福島の悲しみの前にこの役をどうしたらできるだろうかと常に悩んでいた」と内野さん。今回は福島ロケで、土地からもらったものや出会った人たちから受けたもので何とか演じきった、福島に感謝しているとのことでした。
そんな風に話す演じ手の二人について久保田監督に話が振られて、二人の違い

を監督の口から披露~~松ケン君は大人で自分とは25歳違うけど話していると同級生か先輩と話しているように感じさせる、全くブレなくてこう決めたらそこから外れないそうで……なるほろ~~確かに話している姿や立ち姿、雰囲気も落ち着いて見えましたね~~それに対して内野さんは……ハハハ

何か動きがあるのよね~~腰から下がチラチラ動くのは気のせい???それを受けてかどうか……は分かりませんが、監督の話も妙に納得!「マサは、、、うっちーは…」と日頃の関係が見え隠れするような呼び方で内野さんの話が始まり「真逆で絶えず悩んで凄く深く考える。揺れながら答えを見出していく」んだそうです。「ケンイチが考えていないわけではないよ」とフォローも忘れず(笑)それで、その違いがまさにそれぞれが演じた役にも通じるところがあるとか……ネタバレはできないので物語の中身は言えないけど、確かにそうかもしれないな~
ベルリン国際映画祭の話もいろいろと出ました。内野さんはこの映画をベルリンに持っていくことを意識していなかったけど一番盛り上がっていたのは監督だったそうで……でも監督は最初からベルリン国際映画祭に出したいと思っていたとか

内野さんはドイツに行くのもこういう映画祭に参加するのも初めてで何もかも新鮮、ドイツ人は生真面目な国民性というか原発に対しても関心がとても高くて凄く集中して観ていた感じだったとおっしゃっていましたね~~そして映画がつまんないと途中でも席を立つ人が結構いてシビアだけどこの映画は「1人か…あ、2人いたか」と……もうぅ~~何を言い出すのぉ~と思わず噴き出してしまいましたが、でもそれは凄いことなんだそうですね~~それだけみんな集中して観ていたということになるんだそうです。監督も「満開満席で夜中の上映もあったけど拍手がとても温かかった。マサはちょっとウルウルっと…」と話題は内野さんの涙へ

マスコミに内野さんも涙したと書かれていたことに対して真相

が明らかに!内野さん曰く「自己満足の涙ではなくて改めてこの作品を通して観て、福島の人たちのことを思い出してしまって涙が出た」とのこと。淡々と、でも力がこもった話し方でしたね~~チクッとしたものが滲み出ていたような
上映後には毎回Q&Aがあるそうで、その中の面白いエピソードが監督から紹介されて、松ケン君におんぶされる田中裕子さんの写真……ポスターになっているアレです。それを見た60代の白人男性が「楢山節考を意識されましたか?」と質問したそうで、実は本当に深い質問で観てみると分かる、皆さんが「ここで生きていく」というフレーズをどうとらえるのか凄く楽しみだと……観た後の今なら分かるわ~~なぜ監督がそんな風に言ったのか

うん、深い、深すぎて答えが出ない。ただこのシーン、観ているとジワジワ迫ってくるものがあるのよね~~被災地云々を通り越した人間の営みの部分で究極の問題というか……本当に本当に難しいです。。。
充実したベルリン話で盛り上がっているところで一人蚊帳の外にいたのが松ケン君

気持ちは行っていたそうですが……現地の人たちの雰囲気や出てくる質問が楽しみで触れてみたかったと何気にドンヨリ気味

そこに内野さんが「客席から女性が質問した時に松山ケンイチ君は来ないんですか?と言われました。ちょっと不愉快でしたけど(笑)」と松ケン君に直接クレームで意地悪を

松ケン君は「サクラじゃないんですか」と負けじと返していました
フォトセッションではソチにちなんだ

パネルが登場。がんばれニッポンだの目指すぞ金メダルヒットだのという文言が……思わず微妙な雰囲気になったのは気のせい…か

じい、たまたま今朝ネットで読んだ
こんな記事が頭を過って苦笑いしてしまいましたが……案の定出たよ~~この質問

今回オリンピックで感じられることはありましたか?という愚問が

内野さん、この映画とはあまり関係ないですけど…と苦笑いというか絶句に近い間というか

「僕は例えば羽生君の、彼も震災の中でいろんな苦労をして立ち上がってきたという話に凄く勇気づけられました。一人一人が重圧の中で頑張っていらっしゃる姿に勇気をもらいました」と頑張って(爆!)答えられていました。更に羽生選手の金メダルまで話を引っ張る司会女性……あまりに腹が立ったから言っちゃうけど、いいかげんそのバカっぷりは止めろと思いましたけどね~~内野さんは「この映画は金メダルとかそういうものではないので」と静かに、でもハッキリおっしゃっていました。味わってみていただきたいということでした。松ケン君も「ここには金メダルヒットと書いてありますが意味がちょっと分からないんですけど」と同様に苦笑い。こちらもたくさんの人たちに観てもらいたいとのこと。五輪選手同様に観ている人を前向きにさせてくれるような作品になっているので是非観に来てくださいと言っていました。
撮影の時はパネルが光るので傾けてほしい云々の注文があったのですが、そのパネルの上から覗く内野さんの指や手つきが可愛かった~

それにフォーカスしているカメラの視線上に自分の席がある時はカメラ目線の内野さんがダイレクトにドーンと



それだけで十分に幸せです

写真の後は客席後方の動画用カメラからの撮影

いつも思うんだけど、こういう時の内野さんの手の振り方が面白くて面白くて……普通のバイバイじゃないんですよね~~両手を頭の上に揚げて体も左右に振って、、、24時間テレビのサライの空の振りを想像してもらえると分かりやすいかと……その不慣れさが無性に愛おしいのよね
最後に登壇した3人から締めくくりの挨拶。内野さんは「この映画はオール福島ロケで仮設住宅も本当のものを使わせていただきました。全てが福島そのものの映画です。フィクションですが実際にそういう方もたくさんいらっしゃるという作品なので、等身大のこの世界に入っていろんなことを感じてくださったらいいなと思います」とおっしゃっていました。等身大……全てにおいてという感じでじいは受け止めたのですが、公開前なので詳細は控えます。でもね~~本当に素晴らしい作品でした。確かに重い……でもそれ以上に深いという言葉の方が適しているのかなぁと思ったり。。。監督のおっしゃるように答えのない描き方でした。福島の内側と外側、どちらにも寄っていない、双方に時として厳しいセリフもあって、いろんな角度から味わえる作品でしたね~~自分はどう思うか、どうするか、自分の中身と対話するような側面もあって何とも言葉にならない複雑なものが積み重なりました。。。
それにしても、、、最新の(笑)内野さんですが、妙に日焼けしていたのが気になりました……しかも顔だけ。どーいうこと???