じいの徒然日記

内野聖陽さんにfall in loveしたじいのおバカな毎日を綴った日記

イザボー

2024-01-30 20:18:14 | 観劇記


~あらすじ~

百年戦争の時代。バイエルン大公の娘として生まれた少女は、やがて隣国フランスの王妃イザボー・ド・バヴィエール(望海風斗)となる。夫であるシャルル6世(上原理生)はイザボーをこよなく愛したが、ある出来事を境に狂気に陥ってしまう。破綻した王政につけ入り、権力を掌握しようとするのはシャルル6世の叔父ブルゴーニュ公フィリップ(石井一孝)とその息子ジャン(中河内雅貴)。彼らと対立するシャルル6世の弟オルレアン公ルイ(上川一哉)は、イザボーと不貞の関係となり、彼女が権力を獲得するために助力していく。混沌の時代の中で、イザボーは愛と衝動のままに生き抜こうとする。のちにフランス・ヴァロア朝の第5代国王となるシャルル7世(甲斐翔真)は、義母ヨランド・ダラゴン(那須 凜)と共に、実の母であるイザボーの生き様を辿っていくこととなる。フランスの歴史上でもっとも嫌われた最悪の王妃の生きた道を──。

(公式サイトより)


今年の観劇始めはブリリアホールでミュージカル『イザボー』 1月20日ソワレと27日マチネを2回観劇しました。MY初日、いつもの如く~なので期待せずチケットを発券してみたら予想外にメチャクチャ前の方 でも悪名高い劇場だしサイドで前過ぎるお席はかえって観にくいし~と思っていたところ……まさかのまさか!最前列だったという 横からの眺めなので観にくい場面や見えない場面はありましたがかぶりつきで堪能~♪2回目MY楽は少し下がったところで全体を味わえたのでよかったです

じゃぱに~ずミュー、、、正直あまり良いイメージがなくて(何かね、いろいろダサいじゃん)しかも演出家は2.5次元のにおいプンプンだし……ゲネ映像を観た時も歌詞が説明的に感じて嫌な予感がしていたのですが、全然悪くなくて寧ろ好きな世界観 カタルシスを感じさせながらもそこには留まらない余白を加えていて観る度にいろいろな発見があって面白かったです。明らかにあてがきであろう演出もあったりしてね ただ全体的にもう少し交通整理をした方が良いのかな?と思うところがチラホラ。物語の流れや構成で蛇足的な間延び感があってモッタリしてしまう部分も 観劇しながら思い出したのが新感線の舞台。メチャクチャかっこよくて緩急の勢いがあって派手でおちゃらけて、でも深くて……やっぱ凄いんだなぁ~と改めて

物語は中世ヨーロッパの話。100年戦争とかヴァロア朝とか英仏王家の争いとか世界史でやったけどそんなに興味はなくて(苦笑)フランス革命好きのじいの中ではアンリ4世ナントの勅令辺りから本気のフランス史という感じなので最初に観劇した時はストーリーと登場人物の関係を整理することに必死 その後いろいろ教科書やら資料やらを引っ張り出して復習したので2回目に観た時は余裕を持って楽しめたかな~ 登場人物全員、完全な善人がいなければ悪人もいない。不遇な生い立ちを送ったシャルル7世でさえ“正義の味方”に見えるようで決して聖人君子ではないし結構メンドクサイ奴で…。少しでも油断すれば足元をすくわれる厳しい時代なので無理ないのですが、ヨランド妃のセリフにある「時代に飲み込まれるか、時代に乗るか」の差で運命が変わる。この演目ではジェンダーや戦争・暴力など当時の価値観を大事にしながらも現代の課題を匂わせるところがあったりして複層的に問いかけがあって深く考えさせれる内容でした。少女時代のイザボー、大人イザボーが幻覚?として見る少女イザボー、そしてジャンヌ・ダルク……3役を同じ役者に演じさせているところが意味深 あることないこと膨らませてくれる作りになっているところも堪らなかったです。ジャンヌ・ダルク自身の評価もまた肯定されるのみではないので。

悪名高きブリリアでしたが、それを吹き飛ばすキャスト陣の素晴らしさ。音響の悪さがかえって歌唱力の有無を露わにしてしまう件…ゴニョゴニョ。一筋縄ではいかないキャラクターを演じるカズさんの素晴らしい安定感!ムーラン・ルージュでも魅力的だった上川くんと中河内くん、今回の役も良い味を出していてとても良かったです。じい的にはかなりお久しぶりかも 相変わらずの歌声~~理生くん演じるシャルル6世陛下!望海さんとの迫力あるデュエット、ただただ圧倒されました。当時の政情から清濁いろいろな思いはあったのかもしれないけど、劇中の中ではイザボーを大切に思っていたんだろうなぁと微笑ましかったり切なかったり悲しかったり……。那須凜さんのヨランド妃も素晴らしかったです。現代を生きる同性の身としては嫌いなタイプの女性ですが(苦笑)イザボーとの反発と融合を感じる存在感がありました。

そして望海さんが演じたイザボー・ド・バヴィエール どこかで~会った?何だか妙に懐かしいこの感じ??(笑) 黒々しい悪~りぃ顔、悔しがり~の素直になれない哀しみ顔、そっちを選んだら確実不幸になるのにどーして選んじゃうかなぁ?の人生を選んでしまうキャラクター、、、安全安心安定、このわかりみすぎって こういうのが観たかった、歌声の圧や殴り合い、そういう誉め言葉を見かけることがありますが、じい的には逆にそういうのは全く求めていないし違うと思っていて…… 退団直後にこれだったらそこでファンを止めていたと思うし、様々な演目を経た上での今これ!だったので更に深みを帯びた迫力が沁みたんですよね~~1幕終盤のナンバーはマジ圧倒されて胸いっぱい。大抵の人が出しやすい中低音域ってともすれば単調になったり逆に上ずったりするんだけど、望海さんの歌声は共鳴音を含めて一直線に伝わってきて感情が乗った音符が胸に突き刺さるから本当にヤバイ ブリリアの音響を突き抜ける素晴らしい歌声でした でも一番圧巻だったのは2幕終盤に敵方となっていた息子のシャルル7世と再会した場面。その立ち姿と存在感が凄くて……全ての権力を失ってかつての強さもダークな輝きも見た目は全くないのにイザボーの変わらぬ信念と絶対に譲らない強さを感じました。私は悪くない、後悔はしていない、でもそれは強がっているところでもあって、、、そういうのが滲み出ていて歌にもそれが表れていて……そういう望海さんを観られたのが無性に嬉しかったです。これからもずっと見ていきたい……強く強く思いました

イザボーにとってその瞬間瞬間が真実で、人間という生き物の素を見たような……。彼女が1幕最後に「今度は私が復讐する番よ」と言っていたけど、女性を縛り付ける政略結婚や子供、そして国……大切な存在でありながらも負の側面からその全てを捨て去る。フランスをイギリスに売ったトロワ条約、、、狂ったシャルル6世の代わりに守るはずだった国の王位を他国に売り渡したのは彼女の壮大な復讐になったのかなぁ~と思ってみたり。。。観終わった後にいろいろな意味で引きずる演目でした


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ファントム

2023-09-04 23:33:23 | 観劇記


8月26日ソワレの観劇記です。

夏の観劇祭りラストスパート!国際フォーラムでファントムを観てきました。城田くんがファントムをやるようになってから観るのは初めて…のはず。演目自体は4年前に雪組で観て以来なのですが、ヅカ版の歌詞が入り過ぎていたので頭を切り替えるべく観劇前に2019年版の映像をリピするという準備をしてから臨みました。

城田ファントムは4年前より台詞回しが自然な感じになっている 今回は歌とお芝居でガラッと変えて緩急を持たせているように感じたのですが、じい的にはちょっと… 歌が突出してしまって(それも中途半端に・爆。2割増しの見た目の力が大きく・・・)観ていて気持ちが途切れてしまうんですよね。前回の方が最初は台詞のテンポに戸惑うけど、まだ演じているキャラクターの個性と思って受け入れられるような……。“闇感”は凄かったです 生まれてからずっとオペラ座の地下の墓場しか知らず、良くも悪くも生まれたままの状態で大人になってしまったキャラクター My Mother Bore Meを歌った後は客席降りで退場になるのですが、お席が通路に近かったのでめっちゃ横を通っていった~~すすり泣く声が切なくて暫く耳に残りました。

シャンドン伯爵はエリックと対照的な存在。大野くんのシャンドン伯爵は派手で華があって眩いというよりは、品があって汚い物事を知らずに生きてきたのであろう育ちの良さがあって……それもメチャクチャ腹が立つ程に←褒めてます(笑)クリスティーヌに対する特別感はあまり感じられなかったけど初めて自分から好きになった存在だったのかな~~他の女の子は勝手に寄ってきたけど邪険にするのもなんだから相手にしているという違い…か。歌に関してはあまり印象に残らず。でも終盤でエリックと一騎打ちした時に突き落とされそうになってしがみつくところ……あんな純粋で一途な表情をされたら助けてしまうよね~~エリック悔しかっただろうなぁって

岡田キャリエール、、、諸悪の根源 そう言ってしまうと元も子もないのですが(苦笑)強さと弱さ、脆さ、卑怯さ、優しさ、愛情、それら全部が詰まった人間という生き物のであり、観る者誰もがどこかに持っているであろうもの。岡田さんが演じる人物はそういうちょっとした、ともすれば見逃してしまいそうな喜怒哀楽を伝えてくれるところが凄いなぁと思うのですが……1幕のビストロの場面は歌を開花させるクリスティーヌを見ている時の表情にベラドーヴァへの思いが詰まっていたし、2幕の冒頭で「お前を見捨てないといけない時がやって来る」と言った時の後ろ姿が卑怯そのもので……こうやってベラドーヴァやエリックに背を向けて逃げてきたんだろうなぁと確信させる You Are My Ownはもちろん号泣 今回はクリスティーヌが陽の光を放ちまくっていたせいかキャリエールとエリック2人のやり取りが良い意味で呆れ返って愛おしい、その分だけあまりにも切なく感じました。ベラドーヴァにある意味“取り込まれた”キャリエール、彼女によく似たクリステーヌに母性を重ねて愛してしまったエリック。“同じ種の”女性を愛したどうしようもない男たちで、片方はずっと父親だと名乗れずにいて、もう片方は父親だと気づいていたのに言えなくて……そんな2人が愛する女性たちを共通項として最初で最後にお互いに思いを交わす……ホント堪らんかったです

そしてそして 最大のお目当ての真彩クリスティーヌ。凄い、、、凄すぎる!!!4年前に観たクリスティーヌからパワーアップしている~~ エリックじゃないけどこれぞまさに探し求めていた音楽の神に愛された人!音楽の天使!!天使の歌声!!!原詞に寄り添うあまり説明的で武骨な歌詞は相変わらずでしたが、そういう気になる点を消し去る歌唱力。いろいろ違うものが記憶の奥から湧き出て複雑な気持ちになったのは否定しないけれど引き込まれてしまいました。素晴らしかった~~ 出ている場面が待ち遠しくて、出番の時にはそこだけしか見ていないという完全パパラッチ観劇(笑) 1つ1つの表情に意味があるというか、必ず伝えてくれるものがあって目が離せなくて……。特にエリックの素顔を見た時の表情は圧巻 驚きながらもどうにか受け入れようと努めているように見えました。この時の表情が後の「戻らなくては!先生に謝らないと!!」に説得力を持たせると思うのですが、唐突感なくスーッと受け入れられた……素晴らしかった~

コンテンポラリーダンスもとても素晴らしくて……真彩ちゃんってこんなに踊れるんだ~とビックリしました 今回はベラドーヴァの方も真彩ちゃんが演じていましたが、一般的なイメージの母性とは少し違う感じ “女性性”を強く感じる未成熟な母性というか……でもベラドーヴァはそれでいいのかなぁと思ったりしていて 最後にエリックを抱きしめるところもベラドーヴァとシンクロさせるというよりは最後までクリスティーヌとして存在していたように感じました。エリックはクリスティーヌに母の面影を見ていた部分はあったんだろうけど生身の女性に恋した部分もあって……理想と現実?類似と相違が振りかかったエリックにとっては悲劇であり未熟さであり、そして純粋さの表れだったような……深く突き刺さるんだよなぁ~ あと、、、キャリエールがエリックのことを「私の人生そのもの」と歌っていたけど、エリックは神の御業が現れた存在と考えてみたり……ちょっと宗教的な感じ……か 真彩クリスティーヌが聖母マリアと重なって見えるところがあって最後にエリックを抱いたクリスティーヌがピエタ像に見える瞬間があってね。。。

ちょっと気になったのが演出的なもたつき。例えばMy Mother Bore Me直前、クリスティーヌが去った後のエリックの慟哭。その“間”を持たせる芝居力があれば成立する静寂の場面なんだけど……エリックが撃たれた後にキャリエールがルドゥ警部に事情を説明するとこの流れもね……こちらの場合はお芝居というよりは演出がちょっと気になったかなぁと。音楽の繋ぎ方はヅカ版の方が無駄がないような???まぁね~~正直言って全般的に真彩ちゃんが完全に喰っていた感あり。それだけ凄い光を放っていたということなんだと思いました。

そうそう、開演前のアナウンス=ルドゥ警部が担当しているのですが、とても気が利いていて楽しかったです。携帯電話絡みの注意事項で現代の言葉を使わずに「持ち運び電話機」と連呼していて……最高っ!!!
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何て素晴らしい~君のいる世界!

2023-08-25 23:35:08 | 観劇記


昨日はムーラン・ルージュMY楽の観劇でした。キャストは前回と全く同じ できるだけ後ろの日程で望海サティーン×芳雄クリスチャンを観たくて、尚且つ自分が行ける日が偶々昨日だったということなのですが、この2人の組み合わせはこの日がラストだったんですね~~全く気づいていませんでした(苦笑)そして今まで帝劇では座ったことのないお席を初体験。ミュージカル演目だと大抵はオケピになっているので存在しないX○列の客席。普段は座ることがないので貴重な 経験でした。



舞台近っ……近すぎっ!!ロクサーヌの場面とか舞台後方が見えなくて何のこっちゃだったり前方に置かれた照明が邪魔だったり、、、ELMの場面とか他のダンスシーンとか程々に前の方が観やすいのかな~と思ったりしたのですが贅沢すぎる言い分。音楽に惚れ込んでいる人とその相手として十分すぎるほど素敵なじいの愛人と……二人の生声を浴び続けた3時間。話すように歌っているのを実感し、演じる役の感情を歌の積み重ねによってひしひしと伝えてくる。至福のひと時でした

芳雄クリスチャン、、、至近距離で見るとやっぱりメチャ大人(爆!)でもそんなことはすぐに忘れさせてしまう諸々のスキル!やっぱり観劇するからにはこういうのが観たいわけで……大満足 1幕でサティーンにアプローチしていく様は可愛くてかっこよくて……「僕と星を旅しよう」と言った時はじいもサティーンと同じタイミングで「あなたバカなの?」と呟いてしまっていましたが(笑)前半の方はサティーンとイイ感じになっていても何となくこのまま関係が続けばどこかで別れそうとか、この手の話あるあるを想像させる雰囲気があったのですが、その関係性が積み重なっていく中で後半になると変化して永遠の関係になっていくのが伝わってきて……。ロクサーヌ、Crazy Rollong、凄いことになってた~~トゥールーズのセリフにあるサティーンが浮かび上がってくるような、サティーンの二面性が映し出されているような、、、その術中に嵌ったクリスチャンが爆発していて聴いていて苦しかったなぁ~

望海サティーン、余すことなく複雑で複層的なキャラクターになっていて今回は本当に切なくて切なくて これまたトゥールーズの語る彼女の姿が見事に投影されていたんですよね~~ファンタジーを見せて夢を打ち砕く娼婦の顔、時折見せる無邪気な子供の顔。クリスチャンとのデュエットでフワッと彼女本来の持つ純粋すぎるほど純粋な部分を感じさせるんだけど、それを覆うオンナの部分が常にあって本心を追いやって自分に正直になることを抑制しているようにも感じさせる。最後の最後、Your Songリプライズ♪1幕のクリスチャンの告白に対するサティーンの答えになっているんだけど、やっぱりどこかで自制しているところがありつつ本音が滲み出ていて、しかも残されるクリスチャンに対する大きな大きな愛が詰まっていて……それが全部音楽で伝わってくるわけですよ!もうぅ~~堪らんすぎて号泣でした

クリスチャンの全てを振り絞ったCome What Mayで不意打ち!中井サンティアゴがクリスチャンに微笑んだことに気づいちゃったのよね~~反則 絶対に泣くやつじゃん 最後、Hey Sister, go sister, soul sister, flow sister~と始まりを告げるのも好きなのよね~~サティーンの思いが繋がっていくようで。フィナーレで盛り上がって終われるのもスッキリ!今回はメチャクチャ紙吹雪が飛んできて全身浴びまくりでした。サティーンみたいに紙吹雪をクリスチャンに払ってもらいたいなぁ~と妄想、スミマセン(笑)何もかもが贅沢なMY楽、心残りはありません!熱くて暑い夏もそろそろ終わり……?

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ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル

2023-08-12 00:37:09 | 観劇記
 

先週またもや赤熱の帝劇に行ってきました 2回目ということでゆとりの 劇場入り~♪品切れだったグッズをゲットしてキャスボを撮ったら観劇に集中。前回は初見だったこともあって、只々圧倒されたところがありましたが今回はツッコミを入れつつも楽しめたかなぁと……初回の観劇から半月ちょい、進化した印象あり、キャストの違いで受ける印象あり、様々に面白かったです どうしても観たいキャストと組み合わせと行ける日程・・・と、お財布(笑)←試しに観てみたい的な観劇をするには厳しい設定 の関係で全キャストと組み合わせを網羅できなさそうなのは残念。次の機会(ありそう)があればもう1人のサティーンは是非観てみたいなぁ~と。

以下、7/16マチネと8/3マチネ、まとめて感想をつらつらと↓ ↓ ↓

物語性のあるミュージカルというよりもお芝居仕立てのショーという感じかな。ブロードウェイ演目あるある(この演目は映画からの発祥だけど)あらすじは1段落で書けてあとは歌とダンスで押し切る……的な←超絶偏見スミマセン 正直言ってあまり得意な部類の作品ではないのですが、やるべき方々がやると違うんですよね~~あっという間に作品の世界に誘われて気づく頃にはどっぷり浸からされているという。豪華なセット、開演前から誘われる非日常の空間、素晴らしい歌とダンスそしてお芝居にすっかり酔わされました 楽曲はどこかで耳にしたような~が折り重なる構成。フレンチカンカン定番の天国と地獄から歴代のポップスの名曲の数々、そして訳詞は日本の名立たるアーティストが手掛けるという贅沢っぷり。原詞的にはどーしてそうなる?という部分はあったけどポップスの名曲に相応しい素敵な歌詞がたくさん。Your Songとかユーミンらしい言葉遣いが心に沁みたなぁ~~音楽的に奮い立たされるのは1幕ラストのElephant Love Medley レミゼのOne Day Moreの作りが頭を過るような……数々の名曲が織り重なり合ったところから飛び出す誰もが知るホイットニーヒューストンが歌うアノ有名な曲。もうぅ~音楽脳が喜びすぎちゃって

芳雄くんのクリスチャン、、、実年齢の等身大で押せる役ではないところはどうだろうと思っていたら何とまぁ 7月に観た時は若干44歳(爆!)の分別のある男が垣間見えるところがありましたが伸びやかな歌声と何歳にもなれる音楽力が素晴らしくて……8月の時はすっかりアメリカから自分探しに来た初心な男になっていて久しぶりに胸キュンで萌えました 1幕のYour Songとかバカ♡と思いながらも悶えたし←アホ(笑)2幕でサティーンにこっぴどく振られた後のCrazy Rollongはともすれば歌だけが分離して悪目立ちするところを物語の流れの中で違和感なく聴けるし、最後の方で「サティーン、僕を見て」と泣きながら懇願するところなんてもうぅ~~かっちょいい男がイイ女に縋り付いて這いつくばるシチュエーションが大好物なので←どういう癖なんかいっ!(笑)望海サティーンとの歌の呼吸もピッタリだったし、ほーんと素敵なクリスチャンでした。しっかし冒頭の方で「閣下とお呼びした方がいいかしら?」とサティーンに言われるところがね、、、確かに閣下で間違いないよなぁ~って

ジドラー役は両方を観劇。舞台で松村さんを観るのは初めて。じいの中では大映ドラマの記憶が 当時は切れ味鋭いナイフのような濃いイケメンでしたが今回は素敵なイケオジになっていて……丁寧に演じている印象、、、真面目すぎ&存在感が舞台の勢いを止めてしまっている部分があったのは気になったかな 裏街道、底辺社会を生きてきた悪党だけど根は凄く良い人なんだろうなぁというジドラー、これはこれでありだと思いました……が!さとしさんのジドラーを観てしまうとね、、、あまりにドンピシャ過ぎる適役で1ヶ月近く経っても忘れられない程 どこまでが冗談でどこまでが本気なのか、どこまでが素でどこまでが役なのか、観る者を混乱させてしまう真実の読めないジドラー。悪に徹しきれないお調子者で日の当たらない底辺を生きる者たちだけが持っている美学を感じました。結末に向けて涙腺決壊のトリガーを引いたのはさとしジドラー。病気を押して初日の舞台に立とうとするサティーンに向けた言葉に大きな愛を感じて泣けて泣けて

ニニ、個人的な好みは藤森さんの方かな。サティーンとの対比や演技がストンと落ちるというか……加賀さんもダンスは良かったんですけどね~~舞台上で在り方や喋りがちょっと気になっちゃって 中井さんのサンティアゴ 、相変わらず気持ちよく突き抜ける歌声と色気が堪らなかったし、Kさん演じるデュークはホント嫌なヤツで 2回目に観た時の方がマジに腹の立つ悪役になっていたけど、どこか哀れみを感じてしまう部分があるんですよね~~形にできないものまでお金で買うしかない不器用さが見えちゃって。。。

そして望海サティーン まさに輝くダイヤモンドに相応しい存在感 ムーラン・ルージュで光を放つ虚の存在感、サティーンの奥底にある彼女自身の実の存在感……オンナと少女の二面性を持つ複雑なキャラクターを見事に演じていました。1回目に観た時にセリフ部分が気になったんですよね~~ドリガの時もちょっと感じたんだけど女性の役としての喋り方が力み過ぎているというか 2回目に観た時はそこまで気にならなかったのですが……でも立ち姿や放たれる空気感は本当に素晴らしくて それが全て音楽で伝わってくるところがもうぅ~~堪らなくて 1回目の観劇でハッとなったのが望海サティーンの歌の存在感。Your Songを聴いた時にツーっと涙が出たんです。特段予習はしていなくて軽くあらすじをなぞった程度、ほぼ真っ新な状態での初見だったのですが物語の筋が音符となって伝わってきて……最初に望海さんの生歌を聴いた時と同じ感覚。ファントムのHOMEだったんですけどね……アレコレ逸話を知らなければ望海さん自体も全然知らずに観劇したのに物語が見えて役の関係性がビシバシ伝わってきて……そんなことまで思い出したりなんかして 役者力のある人が演じる役ってその人が出ていない場面でも舞台上に存在を感じることがありますが、望海サティーンの場合は出番ではないシーンで歌の空気が漂っていて確かなサティーンの存在を感じることにドキッと。

2回目に観た時は更に凄いことになっていて圧巻。舞い込んできた“異世界”のピュアな男クリスチャンとの“遭遇”や秘密の遭遇で垣間見せる少女の顔には胸が潤みました。トゥールーズの語るサティーンの過去と彼女本来の姿が歌の中で投影されるんですよね~~Elephant Love Medleyは素の彼女が見ている純粋な夢のように見えるしクリスチャンとのデュエットは恋のバカさ加減が見えてホヤ~っと(〃∇〃)♡ 一方でムーランルージュを背負うオンナの顔には痛々しさを感じながらも憧れるところがあったりして……Firework、初見の時よりめっちゃ進化していて聴き惚れました 抗えない過酷な状況に悲嘆しながらもこれまた抗えない女として湧き出る欲と熱を感じて……その強さが切なくもあるんですけどね。舞台を覆うサティーンの大きな大きな愛……そしてクリスチャンの中に確かに存在するサティーンの愛情に涙涙でした。ミュージカルである以上どんな形や趣向の作品であっても歌は自然に存在していてほしいし、役の心や物語の世界が見える歌が好き。更には期待する周波数のところに音が落ちてきて共鳴音までその周波数帯だった日にはどんだけ堪らん状態になるのか!!!望海サティーンの歌は生の楽器の如く響いて音楽そのものと見紛う存在感があるのよね。音感が狂喜乱舞~~幸せっ
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笑の大学 東京公演千秋楽

2023-03-24 23:50:00 | 観劇記
3月5日東京楽の観劇記です。

前回の観劇ではセリフが前のめりになっていて2人の掛け合いのタイミングが合わなかった場面があったりで少しお疲れ気味 と思うところがあったのですが、今回は要所要所が引き締まっていて、それでいて熟れたゆったり感があって千秋楽に相応しい素晴らしい公演でした。

東京で観られるのも今日が最後!あそこが好き、ここ良いよね~と1日1日を噛みしめるように観てしまいました 1日目、冒頭から勢いのあるやり取りが炸裂……椿の柔軟な口調と向坂のいかにも昭和のおじさんっぽい口調(もちろん良い意味で!)が板についていて初日の頃の硬さが嘘のように馴染んでいてそれだけで圧巻 雷屋の今川焼からの向坂の自虐的なツッコミ……「今こう思いましたね?なーんだ、結局は持って帰るのか。あなたそういう顔をしていた!」「酷い男にぶつかった。あなたそう思いましたね?」あ~~~めんどくさくて可愛いっ ←バカ(笑)

2日目、カラス談義を繰り広げる椿と台本を読み続ける向坂、そして話にならんと台本を破り捨てて……徹夜して書き上げたんだから納得いく説明を~とキレまくる椿。椿の持つ激しさの一端を見たように感じたのですが破り捨てたのは別の劇団の台本で……ホッとしたところで自然に猿股失敬が出るところが面白すぎて 向坂が飼っている…のか?ムサシの巣箱も、、、本みたいに折りたためる形。表紙にムサシ君の何とかって書いてあるようなのですが全景が見えなくて……そうそう見えないといえば椿の台本!元々はジュリオとロミエットというタイトルだったのが結局何に変わったのか???2人で作り上げてさんざん盛り上がって最後に椿の思いを全て込めた台本なのに……自分ちゃんと見ておきなさいよっ と自己ツッコミしちゃった(笑)次に観る時はちゃんとオペラでガン見しておこうーっと。

3日目のやりとりは向坂の気の利かない雑談から始まるのですが、「わんこそば上手いよね」「何杯いけるものなんだろうね」と敢えての 棒読み調なところに向坂の不器用さが滲み出ていてなーんか好きなんですよね。ちょっと厭らしい感じなのに可愛いところもあって…みたいな お国の為→芸者のおクニちゃんで笑いを取る……おクニちゃんの人生に肩入れする向坂にちょっと稽古中の内野さんを重ねてしまったところがあって……5日目に警官の登場場面について椿と議論するところや6日目のアオカン出演について語るところも……勝手な想像ですが良い意味でめんどくさいやり取りが起こりそうで思わずニヤリと( ̄▽ ̄)この日語られた椿の大好きな伊勢の昔話。笑いのことなんか考えたこともないと言い放つ向坂、、、ちょっと切なくなりながら聞いていたのですが、椿は必死に笑いの大切さを訴える。「私は心の底から笑ったことはないがどうにか生きてきた」と言う向坂でしたが、椿の言っていることと向坂の人生が重なり合っていろいろ考えさせられて……。

5日目辺りから2人の関係が何となく柔らかくなるような……ピーちゃんの件、椿が向坂に餌と飼育メモを渡すところは結構上から目線的な感じになっているのに“台本直し”のところでは向坂が椿をリスペクトしているような感じからの厭らしいダメ出しで立場が逆転に逆転を重ねていくところが面白くて 初めての演劇 向坂が警官を演じるところはもうぅ~~毎回メチャクチャ笑えます←一種の繰り返しの法則・・・か 客席の方を向いてセリフを言って!と言われて客席を見た時の真ん丸な目がホント可愛くて 椿の書いている喜劇同様に劇中劇になっているところは上手いなぁと感じました。しかし、、、この日の2人のやり取りを永遠に見ていたいと思うほど温かい場面です。。。

6日目もジュリエットと神父様、じゃなくてお宮と浄土宗のお坊さんの立ち稽古からスタート。向坂の一生懸命なのに不器用な台詞回しがツボるんですよね~~「◯◯だよ」の語尾に必死さと実はノリノリな感じ なところが出ていて面白いし可愛いし……しかし、上演許可が下りて明るく笑って終わるのかと思いきや椿の告白からの急展開……というか緊急事態 緊張感が漂いながらも何となく響き合っている2人に見えて実はそんな単純な関係でもなく……恩賜のタバコを断る椿、何だかんだで権力側の発想になってしまう向阪、、、それぞれが譲れないプライドを持って生きてきたのだろう、お互いに尊重し合っているのだろう、だからこそこういうことになってしまったのだろう……今回は2人の関係が尊くて切なくて強くて悲しくて……台詞以上に伝わってくる空気感があって、手にする小道具にも思いが込められているように感じました。内野さんと瀬戸くん2人が演じている人物の関係性がずーーーっと纏わり続けている感覚 全てにおいて反対の凸凹コンビが美しくて切なくて痛くてね……反戦+α凄いものを残してくれたように思いました。

7日目の終盤、台本に名前を書く椿を見つめる向坂の目線と表情から目が離せませんでした 3日目に向坂が満州で労働者の統括、反日思想の統制をしていたことを語っているのですが、その背中に滲み出ていたものがとにかく重かったんです。勝手な想像ですが、彼は過酷な状況を見てきたのではないか?あるいは相当酷いことをしてきたのではないか?そして内地では語られない戦争の現実を知っていると思われ……だからこそ椿の気持ちを慮りながらも希望が叶わないかもしれないことを分かっているような……それでも帰ってこいと願った向坂の思いが温かくて切なくて堪らなかったです暗転からのラストシーン、今回は拍手が起きず静かに2人に寄り添う客席。じっくり最後の最後まで噛み締められたおかげで大号泣だったよーーー

カテコはあっさり3回。最初は役が抜け切らない内野さんでしたが、最後は瀬戸くんと固く握手を交わして肩を組んでバイバイしてくれました
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ジェーン・エア

2023-03-21 20:22:39 | 観劇記
3月16日マチネの観劇記です。

~あらすじ~

1800年代ビクトリア朝のイギリス。ジェーン・エアは孤児となり伯母(ミセス・リード)に引き取られるが、いじめられ不遇な幼少期をおくる。プライドが高く媚びることをしないジェーンは伯母に嫌われ、寄宿生としてローウッド学院に行くことになる。そこは規則が厳しく自由がなくジェーンは教師たちに反抗的であった。ただヘレンというかけがえのない友に出会い、「信じて許すこと」を学ぶ。しかし彼女は病気で死んでしまう。成長したジェーンはローウッド学院で教師をしていたが、自由を求めて家庭教師として学院を出る。ジェーンは、広大なお屋敷の主人、エドワード・フェアファックス・ロチェスターの被後見人・アデールの家庭教師となる。

主人のロチェスターは孤独で少し皮肉で謎めいた男だが、ジェーンは自分と共通する何かを感じる。この出会いが自分の人生を大きく変えていくことになるとはまだ知らない。夜になるとこの屋敷には女性の幽霊が現れ、そして大きな運命の歯車が動き出す—

(公式サイトより)

屋比久ジェーン&萌音ヘレンの配役での観劇。唯一取れた公演回だったので……逆バージョンも観たかったのですが配信はどうしよう…… 松さん&さとしさんの初演と再演を観ています。本当に本当に素晴らしくて大好きだったのでどうしても比べてしまうところが多々あり。でも甲乙つけがたい、それぞれに軍配の上がる良さがあったと思います。フワフワのお嬢様=当時の理想の女性像 とは真逆の不器用な21歳差の小娘という設定、原作の英文学的な世界観という部分では今回の方が納得できるような感覚があったかなぁ~~決して屋比久ちゃんが不細工と言っているわけではないので誤解しないで~ ロチェスターとの身長差ある並び、ブランチ嬢との対比のバランスは今回の方がしっくり来たかなぁと 舞台のセットは初演&再演と変わらない感じ???当時の記憶が曖昧なので細かいところは違っているかも。前方左右のとちの木?は前はなかったような気がするけど……舞台の上手と下手にステージ席があるのは同じでしたが、今回は黒着用のドレスコードありで徹底されていたみたいですね ステージ全体が絵画のような雰囲気で物語の中にスッと入っていける……こういうの好きだなぁ~

今回は新演出版。初演&再演はジェーンが出ずっぱりで語っていましたが、今回はコロス役の人たちが順番に語る形に変更されていました。その時々のジェーンの表情や醸し出される雰囲気が堪能できたのが良かったです。お芝居や歌は堅実にゆったり静かな印象。もう少し緩急をつけてほしいかなと思うところがあったのですが、やっぱり前と比べてしまっているところがあるせいなのかなぁと思ったり……。Painting Her Portrait、Sweet Liberty、Secret Soul、、、誰の目もない一人の空間だからこそ出せる感情爆発みたいなものがなくてちょっと物足りない???松さんのジェーンはこういうところの見せ方や演技が素晴らしかったと思うのですが、屋比久ちゃんのジェーンは粗削りな瑞々しさがあってジェーンのイメージにピッタリ。歌の中にそこはかとなく感じる何かがあったしこれまた素晴らしかったんですけどね。でもしつこいけど、演出的にもう少し勢いがほしかったです。あと歌詞ね!これは断然前の方が良かった 今回の方が直訳に近くて情報が豊富。ロチェスターの生い立ちやアデールとの関係、リード夫人の事情等々しっかり語られているので物語を理解しやすくなっていると思いました。ただ詰め込みすぎで説明的すぎるんですよね~~そのせいで言葉の後ろに存在する世界観、観る者の中にある知識との戯れを邪魔していて全く頭も心も広がらない あと宗教的な部分もね……キリスト教がベースにない日本では若干鼻につくというか宗教色が色濃く出ていることで、せっかくの素晴らしい物語で伝わるものも伝わらないような気がして勿体ないなぁと。。。特に2幕最後のBrave Enough for Love。うろ覚えですが今回の歌詞では「愛する勇気」「信じること」「赦す」という言葉は出ていたと思うのですが……ホントのトコ分かった?と問いたいような ただただ教訓めいたものに感じちゃったのがちょっとね。言葉をちょい盛りした解釈付きの歌詞だったとしても前の方が良かったなぁ~~「秘密」「生きることは辛いからこそ愛し合い信じる」……こっちの方が逆に聖書の内容がちゃんと浮かんでくるというか現代の教会で牧師さんが話しそうなことに繋がるところが思うんですけどね。

屋比久ジェーン、前半は心の内を絶対に見せない硬い表情。でもヤング・ジェーンを見る時やロチェスターとの絡みで不意に見せる喜怒哀楽の素直な感情に釘付け。歌の端々に秘めた荒らしさと強さを感じました。当時の当たり前だった女性像=ブランチ嬢のような感じ とは一線を画す自分の足で立って自分の意志で生きる道を選んでいく女性像を見事に演じていました。素晴らしかった~ 萌音ヘレン、、、今回はジェーン役とのダブルキャストにしたことで物語の中でのヘレンの存在感が大きくなっていたように感じました。ヘレンが繰り返しジェーンに説いた赦すことの大切さ……レミゼだと司教様的な立ち位置???善く生きることのきっかけになった……萌音ちゃんの真っ直ぐな歌声が心に響きました ヘレンはストレートに信仰的に生きたと思いますが、そこに留まらないでより人間的な部分に引き寄せて生きたのがジェーンなのかなぁと思うところがあって……その関係性がダブルキャストで更に表現されていたのが良かったです。

芳雄ロチェスター!わたくし、数日前に観劇した演目で美しいことは素晴らしい と豪語していましたがゴメンナサイ 芳雄くん、かっこよすぎるのが逆に……別にさとしさんがかっこよくないと言っているわけではないので誤解なきよう ツッコミどころ満載でロチェスターの柄ではない気がしました。ジェーンに対して気になるからこそ出すちょっかいも……腹黒プリンス出たなっ!って感じで(苦笑)いや、ホントね、かっこいいのよ 冒頭のジェーン~ジェーン~の歌声から萌え~ だったし「心密かに」「プロポーズ」の場面はキュンキュンしたし歌声の重なりも素晴らしくて聞き惚れました。ただジプシーの場面はちょっと……声色を変えていても歌い方がザ・芳雄くんだからバレバレ(苦笑)最後の場面も火事に遭ったにして綺麗すぎだし杖の扱いが健康的すぎて……

春風さんのミセス・フェアファックスは人生経験豊かな包容力に溢れた女性を見事に演じていました。ソーンフィールドの歴史を全て見てきたような説得力のある立ち居振る舞いと言葉。最後の場面でジェーンが舞台中央で語っている時にロチェスターの後ろに座って背中をさすってあげている姿が温かくて温かくて全てに良かったね~と涙が溢れました そしてじい的に一番ツボったのが中井さん演じるシンジュン。良い意味でウザくて良かったわ~~今の感覚では特に 明後日の方向に振り切れていて一歩間違うと新興宗教的ヤバそうな……胡散臭いまでに篤い信仰心のある青年で本当に本当に素晴らしかったです ジェーンが去った時の表情にも説得力がありました。

いろいろ思うところはありましたが、やっぱり大好きな作品です。曲を聞いただけで心がじんわりしてきて随所で涙涙でした
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笑の大学 4回目

2023-03-05 02:58:10 | 観劇記





3月2日マチネの観劇記です。

今回は上手側のお席で観劇。ありがたいことに今まではずっとセンターブロックから観ていたのですが、少し横に寄ることで今までは見られなかった表情が確認できてまた違う感情が沸き起こったりして……あとはやっぱりじいの大好物!!!内野向坂の語る背中を堪能しました 表情が見えなくても背中だけでその表情が分かるところが凄すぎて……語られる言葉にならない言葉や空気感も特別でした。素晴らしい~~

ど真ん中で観ていると背中を向けられてしまうので逆に見えなかった表情、、、特に個人的に肝になっている6日~7日目の向坂の心の移り変わり。上手側に向いていることが多いので今回はその表情を堪能することができたのですが、今回やっとここら辺りの心模様が分かったような、分からないような???笑うことを知った向坂が敢えて笑いの要素を一切排除した台本を要求した本当の気持ちは何だろうって……馴れ合いや共感、歩み寄りの理解、そういうものを超えた真剣勝負を敢えて仕掛けたように感じたんですよね。それは椿を弾圧するのではなく尊重したゆえに出てきた言動であり、逃げ延びてほしいという“一瞬の隙”のような優しさの表れでもあり……同時に笑いを知っても向坂が変えられない自身の性分や譲れないものがあって、向坂が向坂である為に必要な挑戦?挑発??だったのではないかと考えてみたり……

6日目に椿が「向坂さんには本当のことを知っておいてもらいたいから」と言って告白した自分なりの権力との戦い方。権力に抗って筆を折る、上演中止を覚悟で敢えて抵抗して散る、、、一昔前の自分だったらコレがあるべき姿で正解だと思っていたでしょう 戦時下の流行歌や童謡唱歌、クラシック音楽然り、映画然り、、、それらを作った人の本音は何だったんだろうか考えたことも。。。ただ何か正解なのか、正解は単純に導き出せるものではないと思います。この種のテーマ、パンフに載っている辻田氏の寄稿が凄~く参考になるので人選GJ と思ったのですが……検閲官の言う通りに書き直して、でも更に面白いものにしてやろうという気概。劇中でも実際に前よりも素晴らしいものになっているところがね~~人間の強さと崇高さ、可能性を感じて心が奮い立ちました。

笑のない台本を求められて書いたのが笑いだらけの台本。椿は自分が戦争でいなくなることを前提に、絶対に上演されないことが分かっていたからこそ今まで一番面白い台本を書くことができた、そして自分の学んだ全てと生きた証を残すことができたのではないかと思いました。それを向坂に託したこと……椿は笑いのなかった向坂の人生に明かりを灯して豊かな方向に導いていく存在だったというのを表しているようで温かい気持ちに包まれながらも悲しくて切なくてね~~ 最後に台本に2人の名前を書く椿。その手が震えていて……椿は夜通しこの台本を書いていたと言っていたけど、もしかして台本を書いていなければ平常心でいられなかったのかもしれない そんなこんなを考えていくと何か悲しくて理不尽で……。濃密な7日間、、、宝物のような。。。

最後に 台本直しの中で椿が漏らした愚痴 役者は自分のセリフのことしか考えない、必然性がないからこのセリフは言えない・演じられない、、、何だか内野さんの良いものを作ろうとする姿勢の中でチラホラ漏れ聞こえてくるエピソードが頭を過ってニマニマ 台本直しに脂が乗ってトコトン拘るウザい人になってくる向坂!役者バカに通じるところもあるような、、、向坂のことが妙に愛おしくなってしまう場面なのよね~~ヌフッ
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笑の大学 3回目

2023-03-05 01:53:28 | 観劇記
2月23日マチネの観劇記です。

今回は4列目センターブロックのお席。この辺りは役の言葉だったり空気感だったり思いだったりが直球ストライクで飛んでくる位置なんですよね~~なので観劇前からヤバイことになると覚悟はしていたのですが……完全にやられました 心が潤みすぎて油断していると泣きそうになる状態が暫く続きました……ウハッ

初日から1週間目で硬さが取れて自然になっていると思いましたが、2週間目で既に熟してきていて作品の登場人物が現実に生きているみたいにリアルに感じました。すっごく馴染んでいて自然!初日、2回目と実は瀬戸くん演じる椿に目が行ってしまうことも多くて……椿から発せられるセリフが多いせいだと思うのですが、それ以外にも(笑)顔小さいしお肌綺麗だし何かと光り輝いているから~~注!決して愛しの君がそうではないとは言っていないので念のため でもね、、、今回は向坂にロックオン!ずっとずっとず~~っと姿から言葉から全てを追っていました←ストーカーかっ 彼がどんな風に育ってきたのか、元来持っている性格はどうなのか、、、いろいろ想像せずにはいられない雰囲気を醸し出していました。「今までの人生の中で笑ったことがない」と言った向坂。もしかして娯楽とは縁遠く硬派で厳格に育てられてきたのかな~とか、大日本帝国の崇高な理想を求めて武骨で真面目に励んできたのかな~とか、プライベートはシャイで不器用だけど純粋なモジモジ君なのかな~とか……心の底から笑ったことがないと言った向坂の人生を思ってホロリと来てしまいました

ムサシとジュウシマツの話題になる場面では奥さんのこともいろいろ想像してしまい 感情を表には出さない良妻賢母の出来すぎた御内儀サマ…と見せかけておいて実は面白い人だったり?超絶真面目で大人しそうに見えて内面は変人だったり??あるいは向坂が圧倒されてしまうような肝っ玉母さんタイプとか???どちらにしても不器用な向坂と上手くやっていける(やっていけてるのかな)、理解しているのであろう“イイ女”なことは確かな気がしますが、変わった夫婦であることも確かなような……(笑)

6日目に椿に突きつけた無理難題。一緒に台本直しをしていく中で喜劇の面白さに目覚め笑いに傾倒していくのに突然厳しい顔に戻る……今まではこの豹変というか唐突なところに頭と心が付いていけなくて疑問に思うこともアレコレあったのですが、今回は妙なリアリティを感じてストンと落ちたような…… 人間そんなに簡単に変われるものじゃないよね……やっぱり根幹に関わるところは自分の誇りであり意地であり絶対的なものであり……そういう厳しい面は向坂そのものであり、それは悪いものではなくて純粋さの表れで可愛くもあり哀しくもあり……誠実な男であるところが滲み出ていてカッコイイな~と思ってしまうところがありました。笑いを一切排除した喜劇。向坂自身、椿が書いてくると思ったのか逃げ出すと思ったのか。どちらでもいいと思いながら(逃げてほしいというところもあったのかな?!)椿なら負けずに挑んでくる男と信じていたのかなぁ~~だから7日目に椿が現れた時に一瞬嬉しさが滲み出たように見えたんですよね~~実際は分からないけれど。

この日のラスト、、、幕切れの拍手のタイミングが!!!椿の残した台本を手に遠くを見つめる向坂→暗転で客席から拍手が起きてしまったんです。本当のラスト!再び板の上に照明が灯って向坂の前に椿が立っていて見つめ合っている……いろんなものを含んだこの一場面でもっともっと余韻に浸りたかったんだけどなぁ~~ ちょっと残念 笑いのなかった向坂の人生を豊かな方向に導いたのが椿。たった7日間だったけど向坂の人生を大きく変えるものになったことを実感しました。ひたすらに切なくて重い……考えるだけで今も泣きそうになります。

ちょうどこの日の朝に見ていたウクライナのニュース。空襲警報が鳴る戦時下においても自分たちと変わらない普通に日常が存在している。ロシアでは国威発揚のコンサートとプーチンの演説、熱狂する市民たち。全てが戦前の日本とダブって見えてしまって……笑の大学の中で繰り広げられる切ない物語、、、同じ過ちを繰り返す人間、そして歴史上の出来事と思っていたことが現実に起こっていて、もしかしたら今が“戦前”になるかもしれない不穏な時代になっていて……そしてふと思い出したのが戦争の中にあるのに決して消えなかった人々の笑顔を収めた戦場カメラマンの写真。なーんか妙にいろんなことが響いた今回の観劇でした。
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笑の大学 2回目

2023-03-05 00:34:11 | 観劇記
2月16日マチネの観劇記です。

初日から1週間、、、前回はどセンターで2人を拝んできましたが、今回はセンターブロックですが上手寄りで観てきました。2回目ということもあって余裕を持って観劇。お互いの心情がチラチラと見え隠れするのを感じられたように思います 椿の絆創膏が初日より大きめになっていた しかも片側が剥がれかけておでこでペ~ラペラ 向坂に更なる課題を突き付けられてムキになったように帰っていく椿……余計に笑えた~!!!

5日目と6日目、演劇にのめり込んでいく向坂……検閲を通り越して台本直し 椿と喜劇を作っていく中での会話が堪らなく面白い もちろん目の前で繰り広げられる劇中劇でのやり取りが純粋に面白くて笑えるというのはあるのですが、下手くそが真面目にやっている棒読みではなく真に一流の役者だからこそ成せる棒読みセリフとぎこちない動きだからこその味わいがあるんですよね。もうぅ~~それがそこはかとなく可笑しくて可笑しくて これぞ“本物の笑い”なのではないかと思う節があったり……。向坂の思いつきやアイデア、椿の緻密で論理的な作品の組み立て、、、向坂は「俺は門外漢だから・・・」と演劇を生業にしている椿に遠慮がちに提案していたけど、素人だからこそ気づく素朴で純粋なもの、プロだからこそ行き着く域、大人の事情があるプロだからできないことがある。観る側の要望と期待、作る側の狙いと忖度、そして理想……喜劇だけでなく全ての芸術に繋がる創作とは何ぞや?的なことも頭を過ったりしてワクワクヒリヒリしながらの大爆笑でした。この場面、実はテレビや興行主や事務所云々を揶揄していたりして

7日目に椿を待つ向坂の姿を見た時、来てほしくない気持ちと来てほしい気持ちの両方を感じました。前日に笑いの要素を一切排除した喜劇の台本、上演するなということかどうか「解釈はご自由に」と椿をけし掛けた向坂。ガラリと変わるこの場面、、、いろいろな感情が湧いては消え、消えては湧いて……ものすご~く複雑な気持ちになるんです だからこその7日目に椿が現れた時の向坂の醸し出す空気感、、、一種の高揚感みたいなもの???本心は嬉しかったのか辛かったのか、来てほしかったのか来てほしくなかったのか。敢えて無理難題を吹っ掛けたのは逃げることを想定したのか、それさえも超えられる凄い男と踏んだのか……う~~ん、いろいろ考えさせられる場面です。

椿に赤紙が届いた話から実は向坂がそれを差し止めていたことが判明する件。初日の後にパンフを読んでいて、検閲する側とされる側の互いに利用し利用されていた側面について書かれているところがあったんだけど、差し止められていたはずの令状が椿の告白と共に動き始めたのは実は……?!とバッドエンドを想像するのはさすがに邪推かな 普通に手違いだったとするのが筋だと思うけど、時代的に壁に耳あり障子に目ありの嫌~な時代だから2人の関係の変化を嗅ぎつけた密告者がいた可能性もあるのか……いや、これまた考えすぎ…ですよね

最後は初日以上に涙涙 向坂の一言一言が心に沁みました。お前の作品をもっと観たい……これ以上に悲しくて切ない、そして戦争に対する怒りを含んだ言葉があるだろうかと思いました。ラストで遠くを見つめて目を潤ませる向坂、そして一度暗転したところで明るくなった時に向坂の向かい側に椿が立って微笑んでいる。戻ってきたと希望を持たせてくれる結末のような……でも現実はおそらく……それでも希望を見せてほしいと思う幕切れでした。このラストシーン、、、その時々で違う思いを抱かせる名場面だと思います。。。
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ドリームガールズ 東京公演

2023-03-04 19:06:16 | 観劇記
~あらすじ~

1960年代、アメリカ。ディーナ(望海風斗)、エフィ(福原みほ/村川絵梨)、ローレル(sara)の3人は、コーラスグループ「ザ・ドリーメッツ」として活動し、ショービジネス界での成功を夢見ていた。そんなある日、野心家の中古車販売員、カーティス・テイラー・ジュニア(spi)が、彼女たちの才能を見初め、ドリーメッツのマネージャーとなることを申し出る。カーティスは、抜群の人気を誇るソウルシンガー、ジェームズ・"サンダー"・アーリー(岡田浩暉)のマネージャーであるマーティ(駒田一)を説得。ドリーメッツの3人は、見事彼のバックコーラスの座を手に入れた。エフィの弟で、才能あふれる作曲家のC.C.ホワイト(内海啓貴)と共に、大ヒット曲を続々と飛ばす彼女たちは、一躍スターの仲間入りを果たし、ついに「ザ・ドリームズ」としてソロデビューが決定する。しかし、デビューに向けて、カーティスから告げられたのは、高い歌唱力を持つエフィの代わりに、最も美しいディーナをリードシンガーにするという衝撃の方針だった。納得がいかないエフィは脱退、そして新メンバーミシェル(なかねかな)の加入など、複雑に絡まり合う人間模様に翻弄されながら、彼女たちが辿り着く場所、そしてそこで見る夢とは━━

(公式サイトより)


2月9日マチネ&2月11日ソワレを観劇。当初は唯一取れた福原エフィ回しか観られない予定でしたが縁あって村川エフィ回も観られることになって・・・しかもメチャクチャ前で!!!こんなに間近で演じる望海さんを観たことがなかったのでひたすらに眩しくて 若干?!何を見ていたのか定かでないほどのぼせ上がってしまったところはあるのですが←アホ(笑) 感謝しかありません

ブロードウェイミュージカル、、、苦手なんです なーんか軽いというか浅いというか「えっ!それでいいの?!」のご都合主義的……な ドッシリじっくり芝居重視の重めなヨーロッパ物とでもいうのかな~~そういう方が好みだったので不安だったところがあるのですが……思った通り!もちろん良い意味で!!然るべき人が演じると凄い舞台が成立するんだなと思わせてくれる公演でした。単に歌が上手、ダンスが上手……そんな人はいくらでもいるわけで、それだけじゃない、纏う空気感や醸し出す世界観を含めて歌ったり踊ったりできる人がやらないと成立しないのがブロードウェイ物なんだろうなぁと思ったり。。。今回は歌手出身の人が多かったのですが、内容がショービズの世界のことだったので違和感なく存在していたし、ミュージカルでお馴染みの顔ぶれは安定感抜群、舞台経験のある役者さんたちも良い味を出していて……それぞれの“出身”を感じさせる歌い方や演じ方が分かって自分の好みor好みじゃないが見えて面白かったのですが 良い化学反応が起きて素晴らしい舞台になっていたと思いました。

1回目は予習せずに初見、2回目は映画版を見てからの鑑賞だったのですが(ブロードウェイの舞台版は未見)当たり前だけど映画=制約のない映像なので余白も余韻も全て見せて語ってしまっているので何となくクドイ…… 真っ新な状態で観た1回目の時点で映画で見せたところを含めて表現できていたし伝わってくるものがあったように思います。黒人社会と白人社会、アメリカ音楽の歴史、ショービズのあれこれ、、、“見た目”のところで映画の方が分かりやすい部分はあるんだろうけど……今の時代黒塗りメイクはできないので今回の舞台の方はリアリティがない、アメリカ社会の本質、思考の根幹にあるものが伝わらないところがあるのかなぁと思ったり……ただコレってどんな手法を使ったところで当該の国や地域の外にいる人は頭では理解できても肌感覚で分かることは決してできないわけで……左脳で理解しつつ人間の普遍的な部分に落とし込んで味わえるように皆さん演じていたので、あーでもないこーでもないと心を動かされながら楽しんで観ることができたかなぁ~と

ダブルキャストの福原さんと村川さん、それぞれのエフィーが確かに存在していてどちらも素晴らしかったです 失礼ながら村川さんはこんなにパワフルに歌える人だと思わなくて……1幕ラストのAND I AM TELLING YOU I'M NOT GOINGは圧巻!エフィーの慟哭が本当に本当に切なくて 村川エフィは積み上げていくタイプかな~~辿ってきた歴史が見えてくるというか1つ1つの段階に必然性を感じるような演技でエフィの人生に説得力がある感じ。福原エフィの場合は初舞台かつバリバリのシンガーという異質感で納得感ある存在になっている感じかなぁと 高い歌唱力がある意味仇になってしまって実力はあるのに~というドリーメッツの他の2人とは違うエフィーの異質感と重なってまさにイメージ通りというか自然な感じで受け止められました。個人的な好みとバランスで言うと福原さんのエフィの方かな。カーティスとの関係性も村川エフィと福原エフィで違う印象だったな~~村川エフィの方は大人の恋愛で福原エフィの方は依存する恋愛。映画版に近いのは福原エフィの方かな~~カーティスとの間にできた娘の存在を最後に知らせてそうな印象 湿っぽさがあるからこそのカーティスを単なる悪者にしなかったところがあるのかも この男もまた一時は成功を夢見た黒人の男だったわけで……。村川エフィは相手を思う故に突き放しそうなタイプかなぁと思ったり……でも同性としてはカッコイイ!

岡田さんのジェームズ、、、ホント芸達者でいろんな顔を持っている役者さん 映像でしたがこの前観たのは超絶泣かせる役だったのが、今回は女癖の悪い、ワガママ、いろいろ趣味が悪い、でも実力派の大スターのソウルシンガーを怪演。ほっっんとダメンズなんですけどね~~売れること⇔やりたいことが乖離していった時の焦り、葛藤は見ていて辛かったです ジェームズを育てたマネージャーのマーティ。駒田さんもホント幅広い役ができる人だから カーティスのマネージメントで成り上がっていこうとするジェームズにかけた言葉、、、「全ては手に入らないんだよ。」深い!深すぎ!!ず~~っと頭から離れませんでした。何を得て何を捨てるんじゃない、夢は見るものなのか掴むものなのか、そんな簡単な二者択一ではなく……いろいろ考えさせられるわ~

この演目で一等嬉しかったのは望海さんがエフィではなくディーナの方を演じたこと エフィは見せ場が多くてソロ曲もあって歌で魅せられるオイシイ役で印象に残りやすい役どころでもあって……敢えてそこを選ばなかったことがじいの“好き”を途切れさせなかった気がしています。ディーナは一見目立たないし流されやすい立ち位置で静の役どころ。それでいて地味であってはいけないし、清廉潔白な優等生でもダメだし、芯の強さを観る者に強烈に伝えないといけないし……匙加減が難しい役だと思うんですよね。野心家のカーティスがエフィではなくディーナをリードシンガーに選ぶからにはそれに匹敵する華が必要(それ以前に初対面の時にディーナに一目ぼれしたカーティスの少年心もあるので憧れに値する存在感も必要…か)。年頃の子が夢見るきらびやかな世界に憧れる可愛らしさ。更には知的な部分、、、ジェームズのバックコーラスの仕事が決まって故郷にいる母親に電話をした時、ディーナに教師になってほしかったと言うシーンがあるんだけど、黒人社会で女性が自立して生きていくには学びが必要~みたいな感じで育てられたんだろうなぁと想像できたりして……そんなこんなが見事に詰まってディーナが確かに存在していて、そんな彼女を見て憧れたり共感したりする自分がいたりして……とっても素敵なディーナでした 映画で作られたディーナのナンバーListen♪ 今回はこれがないことを残念がる声があるようですが、じいはなくていいと思っています。心情を吐露するソロ曲がなくてもエフィやカーティスとのデュエットやお互いのやり取りの中で十分に伝わってくる歌と存在感!もうね~~2回目は至近距離で望海さんの役と物語の空気感がた~~っぷり詰まった歌を堪能できて胸がいっぱいすぎて呼吸困難で倒れるかと思いました 堪らんっ!
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