12月20日マチネの観劇記です。初日からそんなに日が経っていないので、ネタバレするかどうか迷ったのですが、いつものように言いたい放題の感想を書けないので
ネタバレします 今回の舞台は推理活劇。↓を読んでしまうと推理小説を後ろから読むことになるので、
これから観劇する予定のある方は絶対に読まない方がいいと思います。くれぐれも、くれぐれも、ご注意くださいね。間違って読まれても責任は取れませんので
ではでは。。。
さすがケラ作品、休憩15分を含めて3時間半のストプレ……大掃除でヘタレた足腰には堪えました
お尻が痛かったですぅ~~正直いらないかも
と思う場面もあったような。。。無意味とまでは言わないし濃い内容だったけど、話の大筋にはあまり影響しないのでもう少し縮められたように思います。2幕半ば辺りは撃沈
まではしなかったけど意識が一瞬ヤバい感じだったことがあって……ゴメンナサイ
本日のお席は2列目ど真ん中
まさかこんなに前とは思わなくて……コクーンの座席はXAから始まるというのは分かっていたのですが、まぁ4、5列目辺りだろうと
いや~~近すぎっ
モーレツ贅沢な言い分だとは思うのですが、かぶりつきで観たい人がいるなら舞台に張り付き大歓迎
だけど、そうじゃない場合=激しくまともな観劇をするにはちょいと難あり。今回は舞台中央に背の高いセットが組まれていて、回転することによって場面転換するのですが、照明も併せて描かれている時代の雰囲気を味わうならもう少し引いて観ないと分かりにくい部分もあったのがちょっと残念
特にオープニングで歌われる「東京ラプソディ」
銀座のデパートに見立てられたセットの各部屋で各キャストが歌っていたり、バルコニーから出てきたり……映像作品ならキャスト&スタッフのクレジットが右から左に流れて行きそうだな~という場面だったのですが、客席真ん中辺りから全体を見たかったです。でも、「東京ラプソディ」はじいのお気に入りの曲
一緒に口パクで歌ってしまいました。もちろんリアルタイムで知っている年齢ではないけど(笑)台所仕事をする時によく歌ってます
祖母が好きで、その娘・じいママも好きでよく聞いていたんですよ、、、藤山一郎
ストーリーは「まばゆいイルミネイション、華やかなレビュー・ショウ、ガラスとコンクリートの高層ビルヂング、自動車のヘッドライト、マネキン・ガール、殺し屋、闇取引、男と女の忍び逢い―――!モダン都市東京を舞台に、谷崎潤一郎氏も思わず平伏す倒錯的なエロティシズム、海野十三氏も文句なく万歳三唱の想像を絶する奇天烈さで描かれる、姉弟と探偵、彼らをとりまく曲者たちの織り成します、胸踊る一大心理活劇!(Bunkamura公式HPより)」日露戦争で誤って部下を銃殺してしまった上官(山崎一)が戦後、その部下の娘(松雪泰子)と男女関係になり、息子(瑛太)の方は父の敵討ちを企てている。その娘は他の男たちの愛人でもあるんだけど、結局その男たちは妻に惨殺されてしまう。部下を誤って殺した罪をもみ消してくれた別の上官(大鷹明良)は部下を殺した上官から口止め料を巻き上げていたが、逆に秘密を握られたので殺してしまうが、精神障害のある双子の兄が行方を捜しに来る。これらの事件を調べる探偵(橋本さとし)が事件の真相を明らかにしていき、殺したと思っていた上官が実は双子の兄の方で途中で摩り替わっていて、その企みに探偵も協力していて……ここでブラックエンディングと思いきや、突然探偵が狂気を帯びて弟を襲ってトラの檻に落下!実は実は
真犯人は瑛太演じる息子、彼は妖術使いで今までの惨殺事件の犯人である妻たちも、そして探偵も全員妖術をかけて操っていたという結末。最後は姉弟が今まで通り2人で生きていく……っていうか、実はこの2人も「できて」いたという
殺人事件の様相といい、特殊な性癖や近親相姦等々何でもありの設定といい、もうね~~まさに江戸川乱歩の世界が200%表現されてます!って感じでした。じい、子供の頃に読んだゴーストライターによってre-writeされたものも含みますが、ほぼ全作品読んでいて、ホント好きだったんですよ~~乱歩シリーズ。やっぱり一番は「黒蜥蜴」
マジに明知探偵に妄想全開で惚れてたんですが、あの鼻を突くようなモヤモヤした怪しい雰囲気があって、それでいて妙に爽快な空気も流れていて……あの不思議な感覚が漂っている作品だと思いました。姉弟のただならぬ関係というのは最初からそう思ってたし、大鷹さん演じる上官の妻(伊藤蘭)がイギリス留学中の息子のことを自慢するシーンが結構出てきたんですが、話の流れから絶対にその息子は殺されていて、実は母と息子で近親相姦だったというのもビビビッと
でも、じいの勘
もそこまで~~探偵さんの結末と弟の妖術トリックは最後の最後でやられたーー!!思いっきり作り手の思うツボに嵌められましたわ
でも「やられた」感じの爽快感というか、すっごく楽しめる作品でした
ただね~~めちゃめちゃじい的事情
上官が双子の兄を殺すシーンは発狂するかと思いました。その前の不倫男たちの惨殺死体も金田一張りの目を覆いたくなるようなグロさがあったんですが全然大丈夫だったんです。寧ろマジマジと見てたという
でもね~~上官のところは、彼が日露戦争から戻ってきた後に動物園の爬虫類館の研究職に就いたという設定になっていたので、研究機材のタンクの中にニョロニョロさんと双子の兄を入れて飲み込ませて……以下省略、とてもじゃないけど文字にできない
まぁ書けない部分に関してはさとしさん演じる探偵さんがトリックの説明をしてくれるんだけど、嫌いなものほど想像力が逞しくなるものなんですよね~~よせばいいのに(笑)妙にリアルな想像をしちゃって泣きそうになっちゃった
もうぅ~~大嫌いなのよっっあの生物は
殺人事件の他にも、田舎から上京してきた兄弟(ユースケ・サンタマリア&長谷川朝春)で兄は裏の世界に染まり、弟は怪しい宗教に嵌っていったり、、、舞台の背景にワインレッドの夜空に浮かぶ大きな満月が描かれているのですが、月の持つ魔力と都会の持つ魔力によって狂っていく人間、でも必ずしもそれが狂っているとも言えなくて人間の持つ本性なのでは?と思わせる部分もありました。お笑いの要素もたくさんあって、特にさとしさん、大倉孝二さん(探偵の友人で売れない小説家)、犬山イヌコさん(探偵の助手)、ユースケさん辺りはお笑い担当というか、ヘタレっぷりに思いっきり笑わせてもらいました
ただ、心底笑えない感じではあったんですよね~~ケラ作品の持つブラックユーモアのせいと思ったり、舞台がこなれていない影響があるのか、どっちもあるとじいは思うんですけどね~~適当な比較かどうか微妙だけど、昭和初期を描いた作品で思い出すのが井上ひさしさんの作品なんですわ。同じように笑いの要素があるんだけど、その後に残るものが違うんですよね~~切なさが残るところは似ているけど、その方向性が違うというか……乾いた笑いと濡れた笑い、冷たさと温かさみたいな感じ…か
出演者の皆さん、みんなみんな素晴らしかったです。結構一般的に名の知れた方々がこんなに盛りだくさんな舞台は初めてかも
そういうパターンって避けていることが多いんですよね~~映像で見たら良くても舞台だと360度ごまかせない分ダメってことがあるので。でも、今回はそういう人がいなかったので良かったですぅ~~ま、中には初登場シーンで映像作品のイメージが強すぎて勝手にツッコミを入れてしまった人たちもいたけど……すぐにその役として入り込めたので
瑛太クン、生で会ったのは始めて
相変わらず福耳
間近で見て……ちょっと浮気しそうになっちゃった
最初は兵士役として出てきて、ちょっと舞台的発声をしてます!みたいな喋り方が気になったけど、その後はちゃんと自然な雰囲気で演じていたので良かったと思います。無駄にキラキラしてなくて可愛いいのよね~~しかも、妖術を使って熟女たちを翻弄していく冷たい魅力も出ていて良かったわ
多分これからも出ている作品には注目するだろうな~~
松雪さんは「五右衛門ロック」以来かな。細いしパーツは小さいし、オヤジっぽい視線を送ってしまったわ
設定が昭和初期ということもあってレトロな雰囲気なんですよね~~そのせいか思わず頭に浮かんだ「クヒオ大佐」の時のしのぶさん
ま、愚かな女の部分は共通してた気もしますが
山崎一さんは冒頭から登場なんですが、ゴメンナサイ
昼間のサスペンスの見過ぎ!科捜研の所長さんだ~~って
でも芸達者な方だな~と引き込まれました。特殊な性癖を持った弱気な部分、それを隠そうと自分を強く見せる部分、双子の設定だったので二役演じていたんですが、そのキャラクターの演じ分けが素晴らしかったです
大鷹さん、長谷川さん、そうそう、あとルミコさん!もとい吉本菜穂子さんも出演されてましたが、存在感が違いましたね~~その他大勢の中にいても舞台に出てきただけで自ずと目で追ってしまうんですよ。上辺の派手なオーラじゃない、重厚な存在感がありました。
そしてそして、、、じいはこの方を観に行ったのよ~~さとしさん。最初はただの兵士役としての登場なんだけど、体格もまぁ……ね、目立つんだけど、これまたやっぱり存在感が違うんですよね~~すぐに分かっちゃう
メインの役は探偵さんだったけど、和服姿にロン毛がかっこよかったわ
しかもやることなすこと笑えるというか、その抜けっぷりがひたすら可愛くて
しかも最後は妖術をかけられてるし……やっぱり翻弄させるタイプの役なのね
時々明らかにオカシイ言葉遣いがあって、それが演じているキャラクターのせいなのか、ネイティブの関西弁が出ちゃってるのか??なんだけど、イイ味を出していたと思います。アレなら面白系の金田一耕助もいけるんじゃないかな~~なんて
まだまだ見落としたところがあると思うんですよね~~探偵が妖術をかけられたタイミングも不明。途中で探偵が調査に行く先々で弟クンを見たというセリフがあるので、もしかしたら徐々に罠に嵌めていっていたとか?あるいは息子と近親相姦だった母親と探偵が喋っているのでは?と想像させる場面があるのですが(舞台上ではそういうやり取りはなし)、その時に母親を介して妖術にかけたのか?と思ったり……とにかく全体の人間関係も裏表を含めて把握しきれていない気がするのが心残りです。なので、全部を分かった上でもう1回観たら新たな発見ができそう……でも完売なのよね
読書なら気になる場面から遡って確かめることもできるんだけど、舞台はノンストップなのでもどかしい気持ちを抱えながら観ていないといけないこともあって
シアターチャンネルかWOWOWで収録があると嬉しいんだけどな
さ~~て、これが2009年の観劇納めとなりました……いちおう
というのが、アイリッシュダンスとフランスの悲恋が誘惑してくるんですよね~~行くならクリスマスな2日間なんだけど、、、激しく迷い中
就活中の身だし、他に先立つ大事なイベントが目白押しなので節約が必要なのよね