ル テアトル銀座にて『アンナ・カレーニナ』を観てきました。ナビザで申し込みまくって当たったのは1公演、しかも最前列センターというとんでもない当たり方をしてしまいました
あの頃はまだじいにも運があったのね~~
(遠い目…)
最前列、
な方がいらっしゃるなら別ですけど、今回はじいのらりほ~対象者はいないので、冷静に、そして普通に楽しみました。でも、最初で最後の公演を観るにはちょいと……{今回はオケピが舞台前ではなく舞台の奥に作られていたので、最前列となると本当に見上げるような感じ。ベガーズの時も似たような状況でしたけど、ベガーズは舞台の真ん中だけがせり出していたので役者さんの動く範囲も狭かったので比較的観やすかったような……でも、今回は舞台の端から端まで広範囲なので舞台全体がよく分からなかったのが残念。その代わり
何といっても“かぶりつき”ですから役者さんの表情はばっちり堪能
一路さん、凄すぎる
一路アンナ:
そういえばエリザ以外で一路さんを見たことがなかったのですが、さすがでした
もう、歌は申し分なし
音を外すなんてことは絶対にないし、ただ上手
っていうだけではなく、きちんと感情が乗っているので心に響いてくる歌声でした。最後、子供に会わせてもらえないまま駅へ向かって汽車に飛び込んで自殺するところ、汽車に飛び込む前に息子セリョージャへの愛情を歌うんですけど、もう泣けて泣けて
後で書きますけど、今回、アンナには共感できなかったんですよ。でも、このシーンだけは、子供を思う母親の気持ちがジ~~ンと伝わってきて切なくてねぇ~~しかも、一路さんの絶唱がこれまた凄くて
最後は鼻水(?)混じりで舞台上に流れ落ちてました。いやぁ~~圧巻です
井上ヴロンスキー:
エリザで親子を演じた一路&井上コンビが不倫とは
1幕最後のソファーでのキス、別の意味でドキドキしちゃいました。マイヤーリンク並みに腐女子な妄想が……(スミマセン
)でも、井上クン、かっこよかったわ~年下のツバメも悪くはない
アンナを優しく抱きしめる手に温かさを感じてしまって、私もハグしてほしいなぁ~なんて
おっと、じいのアホ妄想はこれくらいにして……今回の井上クン、素晴らしかった
M!の時は気負いすぎてる感もあったけど、今回は演技が自然だっし、若い将校が純粋に年上の人妻に惹かれていく様がよく表現されてて
でした。結構おいおい
みたいなこともやってるんですけど、これがイヤミにならないところはさすがというか、ちょっと悔しいというか
それにしても、いろんな軍服着せちゃうところ、アレ反則~~~制服マジックさらにかっこよくなるんだもん^^;
葛山レイヴィン:
正直、ここまで歌える方とは思っていませんでした。じいの中では「真珠夫人」の時の印象が強くて……ちょぉ~~っと苦手なイメージがあったんですけど、今回は良い意味で驚かされました。歌い方はミュージカル俳優と言われている人たちとは違った歌い方で、やはりストプレ出身ということか、セリフを喋るような歌い方。ただ、ひたすら大声で一定な感じで歌ってる?みたいに感じさせるところがあったのはちょっと……あと、やっぱり歌ごとにもう少しシーンに応じた演じ分けをしてほしかったかな
場面ごとに雰囲気を変える力があると更に良い?!でも、化けそうな気がするんですよね~~是非他のミュージカルでお会いしたい
小市スティーバ:
『秘太刀・馬の骨』の馬の骨の使い手さん……でしたよね
今回は深刻なストーリーの中で場の雰囲気を和ませてくれる存在。でも、とぼけたようにみえて、一番鋭い目を持っていて、一番心が大きくて、一番優しい人だったのかなぁ~って思うんですよね。アンナの死後、戦地に旅立つヴロンスキーを見送る姿に「大人の男」を感じました
ちょいと泣いていらした
山路カレーニン:
悪役という感じはしなかったです。そうかといって不器用な感じが前面に出ている雰囲気でもなくて冷静沈着、でもダンディーでかっこよかったです。カレーニンという人物ってホント、不器用な人だと思うんですよね。2幕で家を捨てたアンナが戻ってくるシーンがあるんですけど、アンナが戻ってくる前に「夜になると君が恋しい、廊下を歩く音などを思い出すと…」みたいな歌を歌うんですけど、もう、なんで素直に自分の気持ちを言わないのよってもどかしくなってしまって……山路さん演じるカレーニンって気持ちを絶対に表に出さないんですよ。ともすれば印象が薄くなってしまうんですけど、カレーニンの奥に秘めた優しさをじんわりと無意識のうちに伝わってきてたんですよ。で、これが、最後にどど~~んとやられちゃって……ヴロンスキーがアンナとの間にできた娘をカレーニンに預けたことが、ヴロンスキーとスティーバの最後の会話で明かされるんですけど、その瞬間、カレーニンの抑えていた本心がフラッシュバックして、じいはとうとう涙の洪水
新谷キティ:
役者さんとしては申し分ないし、すっごく楽しませてもらったんですけど……ホント、ごめんなさい
歌がもうちょっと
第1幕は今回の演目でのキティの雰囲気を考えると「これもあり
」と思ったんですけど、第2幕の「愛はみっともないものよ」って歌うアンナとのナンバーは正直きつかった
1番のキティの歌った旋律は??だったし、そもそも聴いてられない
みたいな……だからこそ2番のアンナの旋律がいっそう美しくて。今回のキティ、じいは納得できなかったかも
アンナとの対比で明るくて幸せになる女性として描いているのは分かるんですけど、アンナとヴロンスキーのストーリーを邪魔している気がして……あ、でもこの点は新谷さん云々じゃなくて構成に問題あり
正直、じいはアンナには共感できなかった。子供を置いてヴロンスキーと駆け落ちしておいて、子供のことで後悔するなんて……それなら何故子供を置いてきたの?って思うんですよね。いくら恋の衝動があったからって、親としてそれはどうなのよ?って
しかも、アンナという女性、ヴロンスキーに出会うまでは貞淑な妻、愛情深い母親、慕われる女主人だったそうで……ベースには真面目で社会の規範を守りたいという理想があって、でも同時にそれを打ち破って自分の心に素直に生きたい、そして相手にも同じことを求める部分がある。じいは、そのことはよ~~~く分かってるつもりなんですけど、そんなに抑えられない衝動があるなら、ちゃんと覚悟して飛び出せばいいじゃんって思うんですよ。で、ふと思い出しちゃいましたわ、シシィのこと。同じ一路さんが演じるシシィとアンナ、ついつい比べちゃって……自分の行き方を求めたというところは似てるような気がするけど、じいが共感できるor共感できない違いってなんなの??って……多分、結局どちらも選ばなかったアンナみたいな女性が苦手なのか……な