今日は赤坂に出没
都心の空気の乾きっぷりは半端ないですね~~喉はからっからになるのはもちろん全身が思いっきり乾燥しちゃって
頭がボーっとしてきた……のは多分寝不足と喉の渇きのせいね
午後から新妻聖子ちゃんの一人芝居を観劇予定だったのですが、赤坂勤務の内野友からランチのお誘いがあったので早めに到着☆ボリュームたっぷりのお得なランチと楽しいお喋りができました。実は、お誘いが来た時に「どうしてこの日に私が赤坂?」と大きな大きな?が頭上を飛び交っていたのですが……観劇すること自体は覚えていたのですが日付の記憶がぶっ飛んでいたという
そんなやる気のないじいでしたが(笑)2011年観劇始めに相応しい素晴らしい舞台でした
以下、思いっきりネタバレしまくりで綴っていきますので観劇予定のある方はご注意を
赤坂レッドシアターはお初。座席数200ちょっと、舞台はすぐそこ!という感じの凄く凄く小さな劇場でした。最前列だと……観難いこと必須
目の前で自分に語られるみたいに観られそうなので、それはそれで面白いかもしれませんが(笑)じいのお席は7列目。ちょうど良い距離感でとても観やすかったのですが、、、両隣のおじさんたちが始まって10分もしないうちに爆睡、しかもイビキ
集中できないじゃ~~んと殺意を覚えてしまいました
観劇慣れしてるっぽい感じだったけど寝るぐらいなら来なきゃいいのに
ま、途中から気配を消してくれたから助かったけど……
それとやっぱり狭かったのは腰に堪えました
新国立中劇場みたいな拷問的な(爆!)椅子ではなかったんだけど、とにかく狭いのがねぇ~~結構力を入れたままで見入っていたので終盤は肩までハリハリ
上演時間1時間20分、違った意味で「頑張ったぞ、自分
」みたいな
舞台の中身
28歳の五月(さつき)は、絵本作家になりたいという夢に挫折し、勤めていた絵本の出版社を辞めて人生に悩んでいた。そんな時に訪れたのが、祖母が亡くなる前の3年間暮らしたという防空壕。防空壕の中には冷蔵庫等々の生活必需品と共に、祖母が折り紙で作った動物たち(劇中では「紙の動物園」と呼んでいた)がテーブルの上に飾ってあり、作りかけの巨大なキリンが残されていた。五月は祖母が生前に書いて送ってきた「青空」と書かれたノートの束を持ってきていて、それを読み進めていくうちに五月の目の前に祖母の幻影が現れる。幻影との対話の中で一緒に過ごしていた頃の思い出が蘇ってくると共に、ノートに書かれた生き様や思いに触れて五月自身の抱える苦悩や本音に向き合うことになる。防空壕に残されていた作りかけの巨大なキリン……これを完成させれば何かが見えてくるかもしれない!そう思ってここに来てこうやってキリンを作っていると語る五月。そんな五月に祖母は「約束のキリン」について何度も何度も言葉を投げかけるのだが、五月にはそれが何なのかどうしても思い出せない。ある台風の夜、荒れ狂う天気を空襲と勘違いして怯えた祖母の魂が五月の中に逃げ込み……その瞬間に五月が見た光景とは?語りかけられたメッセージとは??
ざっくり流すとこんな感じです。約束のキリン……五月が幼い頃に祖母と折り紙をした時に戦争中の悲しい思い出→防空壕に逃げると折り紙で遊べたので嬉しかったけど、その最中にも多くの人が死んでいき自分の父親もそうやって死んでいったことを自分は知らなかった、だから折り紙を折ると辛い思いに苛まれると聞かされていて、その時に五月が「キリンは首が長いから雲から頭を出して空高く飛んでいける。そうすれば死んだ人にも会いにいける」と言って曇りガラスに描いた翼の生えたキリン、それが「約束のキリン」だったというわけなのですが、防空壕のセットの中に千羽鶴が天井から吊るされているんですよね~~やっぱり戦争絡みのことが出てくるとどーしても重ね合わせてしまうというか、「約束のキリン」って千羽鶴のことかも
なんて考えが頭を過ぎりました
何か似ているように見えてきちゃってねぇ~~でも、それが構えることなく自然にフワッと入ってくるような物語に作ってあるのが素敵だな~と思いました。ちょいと終盤の展開は無理があるというか唐突感があったので、それまで少しずつ積み重なっていった聖子ちゃん演じる五月の落としどころが微妙なところがあったのは
と思わないでもなかったけど。でもね~~決して戦争が~とか自分探しが~とか、そういう肩が凝るような話じゃなくて……悲しいことや辛いことがあっても生きないといけない、そんな中でも人は希望を見出していく、でも悲しいことも辛いことも忘れることはできないし忘れてはいけないことがある、そんなこんなをない交ぜにしてそれでも人は前向きに生きようとするし、自分が大切な人にそんな風に生きてほしいと幸せを願う
最後の願い、、、祖母側の視点はちょっと「父と暮らせば」の舞台を思い出したところはあったんだけど、そんなこんなを暖かく澄んだ空気に包み込んでまさに青空が心に残る作品でした
じい、一人芝居は初めてでしたが、多少のいかにも~な演劇的な表現が気になったものの(元々こういうのがあるから昔は舞台が苦手だったの
)すんなり作品の世界に入っていけたので大丈夫でしたね~~それに演じているのはここ数年の成長には目を見張るものがありまする
すっかりお気に入りの役者さんになった新妻聖子ちゃん
前に会った時は予言大好き!どこぞやの王女様でしたが(笑)今回は等身大の女性を見事に演じきっていたと思います
イリアスの時と同じく歌あり
童謡あり~の民謡あり~ので3曲ぐらいだったかな~~歌はもちろん文句なし!セリフから歌にいくところが凄く凄く自然で心にスッと沁みてくるような歌声と空気感を存分に味わうことができましたね~~セリフ⇔ナレーションの往復もありましたが、イリアスの経験が活きてる
語られる光景が眼前に広がる感覚!これぞまさに言葉が生きている証拠ですよね~~本当に素晴らしかったです
特に祖母の魂が五月の体に入った瞬間に一気に変わった空気感と目、圧倒されました。あと、、、間の取り方が絶妙!五月のキャラ
一人でボケツッコミしているシーンが結構あるのですが、それがすんごく良くて面白くて面白くて
思いっきり笑わせていただきました。羽の付いたキリン→最初に聞いた時にじいはユニコーンじゃん
と心の中で突っ込んでいたら同じツッコミがその後で出てきたり
そうそう、このキリンに乗るシーンがあるんですけど、思わず頭を過ぎったベルばら第1幕ラスト
大劇場で笑い倒したオスカルだぁ~~~スミマセン
でもね、、、五月のこういうツッコミどころ満載の面白さや可愛さは五月自身が持つ不器用さの証拠じゃないかな~とふと。。。
まだまだ若手、確かに足りない&粗の部分はありました。祖母の幻影……って五月だけに見えているものだし、ハッキリと幻影だの亡霊だの定義はされていないから問題ないのかもしれないけど、五月の存在感によって観ている側にも本当に存在しているかのように感じさせてくれるものがちょっと足りないかな~と思ったんですわ。それに、五月の言葉の反射というのかな~~喋っている相手の存在によって自分の発した言葉が撥ね返ってくる感覚
そういうのを感じなかったのがちょっと物足りないのかな~とも。ま、それが現段階で完璧にできていたらその方がおかしいですけど
それに今の聖子ちゃんだからこそ演じられるキャラクターだと思うんですよね。思春期の純粋な瑞々しい苦悩とは違う瑞々しい苦悩……一度社会に出て現実を知り受け入れ、それでも譲れない部分があって葛藤し生き方を模索する、それが凄く説得力を持って表現しているな~と……そして自分自身と重なるところもあってすんごい共感しちゃいました
終盤に何度も何度も、そして強く強く発せられるセリフ、、、「作り物のキリンは空なんて飛べない」自分の周りにあるものってほとんどが作り物……夢も非日常の舞台も所詮は。。。それでも羽ばたいた約束のキリン。いろんな思いや真実が詰まっている心に残った言葉です
終演後に20分程度のアフタートークあり。特に狙ったわけではなく行ける日が今日だったので何気なくチケを取ったのですがラッキーでした
聖子ちゃんと今回の演目の作/演出の東憲司さんの楽しいトーク……っていうか作品の話はほとんど出なかった気が
やっぱりこれに尽きるでしょ~~お互いの印象で東さんが聖子ちゃんのことを「可愛くて……でも、本当によく食べる女優さんだな~」って
200%納得しちゃいましたわ。さすが食べ歩きの女王
ホントいろんな美味しいものを食べててお店もよく知ってるな~とブログを読む度に思ってましたね~~やっぱりそうなんだ
あと印象に残ったのがセリフの覚え方。一人芝居とは言っても前に出演した初ストプレ「サド侯爵夫人」よりは少ないとか。その時はセクションごとに波があってそれに沿って覚えていけば自然に口が覚えていったし相手がきっかけを作ってくれるから大丈夫だったけど、今回の一人芝居はセリフが点在している感じ
バラバラしていて覚えにくかったそうです。歌うたいの発想というのかな~~音楽的な思考って感じがしてじいは分かりやすかったかな。。。