日常

4月になりました

2010-04-02 15:22:13 | 生活
4月1日から新研修医の先生方がはいってきました。

大学病院のシステムもよくわからず(わしもいまだによくわからん)、
採血や点滴すらもまともにしたことがなくて、
その辺をゼロから教えつつ医療行為のことも教えないといかんので、
時間がどんだけあっても足りない。


見ているほうとハラハラするので、
結局は病院内に張り付いています。
とりあえず、ずっと病棟に佇んで、
なんでも質問コーナーをひっそり開設してオープンしていると、
ひっきりなしに質問が。

それにしても、大学病院っていうシステムはものすごく複雑怪奇。
これって官僚とか政治の仕組みも同じなのかな。
誰のためにできたのかよくわからない奇妙なシステムは数多く残っていて、それだけで、お互いが疲労しています。
ふぅー。



昨日も朝3時まで、おとといも朝3時まで院内にいたし。
今日はまたも24時間当直。
いやー、こんなはずじゃなかったのにー。村上春樹の本がもっと読みたいー。

あ、そうそう。
いまさらながら、村上春樹作品にはまってしまい、全作品読破を目標にかかげています。
あと1年でできるかなぁ。
翻訳とかもいっぱいあるから、かなり量は多いけど。

と、ふと夢想してみる。
すぐに現実に復帰。


完全に容量オーバーになってテンパッてる人とか、
目がフラフラ泳ぎまくっている人をいると、見ているだけで激しく心配。
ハラハラ、ドキドキ(←全然関係ないけど、この擬音語ってどうやってできたんだろう?)。
ミスが起きないことを願いつつ、常にダブルチェックでやってます。


・・・・・・・・・・
研修医に話した例え話。

生物の生存本能として、生命の危機に瀕したとき、
「五感をフルに使い感覚を鋭敏にするか」「感覚を遮断して無感覚になるか」
どっちかに分かれてしまうけど、前者のほうが生存確率は高いと思うので、
なるべく前者の作戦を取るように。
と伝えた。
伝わったかなぁー。

ま、お互い様・お陰様、の精神で、がんばりましょう。

4 コメント

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お疲れ様です! (YUTA)
2010-04-02 23:37:28
質問コーナーをボランティアで開く親切心には頭が下がります!

採血や点滴は、全て看護師さんに任せるというわけにはいかないのでしょうか。
それにしても、大学病院の非合理的な因習について繰り返し言及されてますね。東大病院は、世界でも最先端の医療を行っていると思うのですが、その病院がなぜそんな体制に?……と不思議になります。
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お疲れサマー (ともこ)
2010-04-03 08:02:54
仕事を始めたばかりの頃ってやっぱり技術面での未熟さを意識しすぎて、どうしても自分の目から見える範囲でのものに意識が向きがちだよね。
全体像の中の自己なんて見えなくて、セカンド(かサード自分くらいまで)引いて自分を見ることができないから、抽象論は浸透しにくいものです。

でも、自分より先を生きている人が常に全体像を持ってメッセージを投げかけてくれるから、徐々に酵母が熟成していくのだと思う。その意味で、下の人間にあきらめずに継続的にメッセージを発信し続けてくれる先人は素晴らしいと思うな。
いなばさんはまさにそれでしょう。

「五感をフルに使い感覚を鋭敏にするか」「感覚を遮断して無感覚になるか」

この“生存本能”はどの業界でも似ているのだなと思いました。教育も相手が多数だと無感覚になって技術だけで教えることはできる。しかも、それなりにうまく、ありがたがられる方法で。
でも、長期的な自己の成長、他者への貢献を考えると決して無感覚・無感動になってはいけなくて、研ぎ澄まされた意識をもって、その分野を好きで、夢中になっていることが不可欠なのでしょう。
生存本能でありながら、今の時代では価値観の選択のように感じます。


花見まで頑張って~!
桜のはかなさ、美しさが疲れを癒してくれるでしょう。
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その気持ちと行為が自然と伝承されるのが、本当の意味での教育なのでしょうね。 (maki)
2010-04-03 14:42:16
何やるにも不安でしょうがない時に、優しく手を差し伸べてくれる、というかいつでも質問していいよってすっと受け皿を差し伸べてくれる先輩の存在って、もうこれ以上ないぐらい頼もしく感じると思います。偉いねえ、俊君は。

きっと、教えてもらえる技術そのものも、もちろん今この瞬間から使える大事なことだけど、何よりきっと、そうやって自分の時間を削ってまで寄り添ってくれようとする俊君の気持ちに感銘を受けると思う。そして、その行為自体に「響いた」研修医は、絶対自分が上司になったら、同じことを良かれと思ってすると思う。
とっても、大事なことだねえ。

このフレッシュな記事を読んで、4月1日になったこと(新年度になったこと)に正直あまり気付かなかった自分をちょっと反省しました…

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今日はひさびさ早めの帰宅。 (いなば)
2010-04-05 23:06:44
>>>YUTA様
質問コーナーとかは、別に誰に頼まれるものでもないし、単なる善意ですよね。
あと、自分が研修医の時、よく困ったので。
けっこうとんでもない事することもあるものだし。

大学病院は、ほんと非合理で不可思議ですよ。
組織が巨大化すると、そこを隠れ蓑にして好き勝手する人が出てきて、それが飽和状態になると潰れちゃうんでしょうね。JALとかも、沈まぬ太陽見ても、なんかひと事には思えなかったですし。

個人とシステムの在り方。
これはかなり普遍的な問題ですね。
システムって言わなくても<場>でもいいかもしれない。

それぞれの個人はよくても、集まって場を形成すると、まるで駄目になっちゃうことって、不可思議ですよね。お互いがお互いが阻害しあうような関係って。

ま、小さいとこからコツコツはじめてます。



>>>>>ともこ様
そうそう。新人はとにかくプラクティカルな、より実戦的な知識を求めるものです。
もちろん、その辺を教えるのも自分の仕事だと思うんで、自分の小さいこだわりを色々教えてますけど、やっぱり数年経って効いてくるようなものも、ちゃんと小出しにしないといかんなぁとよく感じますね。

自分の昔を思い出しても、小手先の事もそうですけど、哲学的なことのほうが、ずっとこころに残ってて。

「どんなに寝てなくてつらくても、笑顔で接するのが医者で、プロなんだ。」
ってことを何気なく言われたこととか、すごくよく覚えてたりして。
自分も、夜中に起こされて呼ばれても、ふとその言葉を思い出して笑顔で行くようにしたりとかね。


「五感をフルに使い感覚を鋭敏にするか」「感覚を遮断して無感覚になるか」
これって、僕も研修医の先生に言ってる台詞だけど、まさしく自分もそうなんだよね。

自分も、大学から教育を目的としてお金もらってるわけじゃないし、自分も日々やりたいことあるし、後輩に対して無感覚になることはいくらでも簡単にできるんだけど、少し感覚を研ぎ澄ませていると、研修医が困った顔しているのも、すぐわかるようになる。誰もが、そういう微細なサインを送っている。
それに気付かないふりして無感覚になるかどうか、そこは自分も同じことなのよねー。

言葉って言霊あるから、人に言うことで、自分も同じものを課されるもので。


>>>>>maki)
いやはや、自分も同じ時期あったなーなんて思ってね。
他人事とは思えない。
自分っていう範囲を少し拡張すれば、時間軸を少し拡張すれば、
そういう研修医も過去の自分であって、自分の問題事になるもので。


そうやって何かしらを人に残していけば、自分という存在が死んでも、何かしら次の時代へと残るのかなぁって感じてます。
そういう意味では、全てはつながっているし、全ては連鎖しているんだよね。

完全な虚無の中に一人生きているわけではないもので。



ま、普通にフレッシュな研修医と話していると、なんとなく面白いし。
ホウレンソウ、報告、連絡、相談が大事だよー。
なんてことから日々教えてるからね~笑。
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