最近は病院での当直ばかりしていて、台風が到来している今日も当直をしている。
そろそろ台風は通り過ぎたのだろうか。閉じたICU(集中治療室)では、そんな大自然の営みと隔絶された生活をしている。
真夜中に電話でたたき起こされて、そのまま寝付けない時にふと本を読んでみたりする。
なんとなく本棚から持ってきた、養老孟司「からだを読む」(ちくま新書)を読んでいた。
2002年発行なので「イマサラー」です。 . . . 本文を読む
デカルトの「方法序説」(岩波文庫 訳:谷川多佳子)を輪読したのでその感想を書きたい。
タイトルは有名すぎるほど有名だけど、なかなか読む機会がなかった。
なんだかんだの縁で読んでみると、デカルトがどういう人なのかは雰囲気だけでも伝わってきた。
■「方法的懐疑」
デカルトは「方法的懐疑」というのを言っている。
高校時代に倫理の授業で習って、それ以降好きな言葉でもある。
「方法的懐疑」が極端 . . . 本文を読む
新宿西口に損保ジャパン東郷青児美術館ってのがあります。
20年前のバブル時代に、ゴッホのひまわりを58億円!くらいで購入したことで有名な美術館です。
(ちなみに、ゴッホのひまわりは常設で展示してあるのでいつでも見れますよー)
この美術館で、「ミリオンセラーの絵本原画と世界の絵本画家たち」っていうのをやっているのですが、最高によかった!!強く激しくお薦めします。
と言っても、もう来週くらいまでし . . . 本文を読む
「忙しい」という言葉がある。
この言葉には呪縛の力がある。
その呪縛に縛られても、本人は気付いていないことが多い。
「忙しい」とは心を亡くすって漢字で書くんだーみたいな金八先生的な話も聞いたことあるし、忙しいのbusyを名詞にしたbusiness自体が仕事って意味だったりもする。
「忙しい、忙しい」という言葉は自分を縛る。
一般的にも「ことば」は物事を固定化し、人間を固定化する働きがある。 . . . 本文を読む
『鉄―137億年の宇宙誌』展というのが、東京大学総合研究博物館(東大本郷キャンパスの端っこにある)でやっている。
これ、見てきたけどかなり面白い!!
しかも無料だし。
鉄を切り口に、宇宙誕生の137億年前から現代、そして未来の鉄利用まで壮大な宇宙史・人類史を描いている。すごく丁寧に詳細に妥協なく調べていて、主催者の愛情や情熱がほとばしって伝わってくる。
鉄によって機械による効率化と電気文 . . . 本文を読む
■覚醒
最近、覚醒剤や麻薬の事件を耳にする。
それについて考えていることを書きたい。
覚醒剤とは、その名のとおり、覚醒させる薬である。
覚醒とは起きているということであり、意識が保たれた状態を無理やり保ち続けるということ。
『寝ること』(2009-06-25)というタイトルで書いたけど、
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・僕らが寝ているとき、起きているときと同じ程度 . . . 本文を読む
最近、現象学、身体論あたりが気になっている。
■現象学:フッサール、ハイデガー、メルロー・ポンティ
現象学を哲学した人で言うと、フッサール、ハイデッガー、メルロー・ポンティあたりの哲学者が気になっている。
日本人だと竹田青嗣さん、木田元さん。
簡単にいえば、
【現象学とは僕らが生きて意味付けしながら生きている世界と客観的な世界とのズレを扱う学問】
とでも言えばいいでしょうか。
向こう . . . 本文を読む
安部公房の「砂の女」(新潮文庫)という本がある。
今週末、ラピュタ阿佐ヶ谷って映画館に、「武満徹の映画音楽」シリーズの一環として安部公房原作の「砂の女」の映画版《1964年/勅使河原宏》!(←存在することすら知らなかったけど。)を見に行くので、久しぶりにもう一度読んでみた。
ちなみに、「砂の女」は「新潮文庫の100冊」の中の一冊でもあって、表紙の装丁が新しくなってかっこよかったので、また思わず . . . 本文を読む