日常

美輪明宏「黒蜥蜴」

2013-04-30 00:18:08 | 芸術
美輪明宏さん(美輪さま)の「黒蜥蜴」を見てきました。

4月5日(金)~5月6日(月・祝)まで ル・テアトル銀座にて。

原作は江戸川乱歩!、 脚本は三島由紀夫!!

主演だけでなく、演出・美術・衣裳!!まで全て美輪さんがご担当。



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心の中では、あなたが泥棒で、私が探偵だった。
だって、あなたは私の心を盗んだのだから。

舞台『黒蜥蜴』は、1934年に発表された江戸川乱歩の探偵小説を、三島由紀夫が脚本として1961年『婦人画報』に発表。翌年1962年に初演されました。
三島由紀夫の念願が叶い、1968年にはいよいよ美輪明宏(当時 丸山明宏)を迎え、演出 松浦竹夫/共演 天知茂により上演され、大ヒット作品となりました。このヒットを受け当時新人であった深作欣二監督により映画化され、空前の世界的ブームにもなりました。近年では、嶋政宏氏を明智に迎えル テアトル銀座にて2003年05年08年と続けて上演、大好評・大絶賛を得ました。

江戸川氏・三島氏と実際に交流があった美輪明宏でしか成しえない作品理解・解釈をベースにした演出・演技力が魅力の作品。美しい日本語のエンタテイメント作品、ドラマティックにしてスリリングな展開を豪華絢爛たる舞台でお贈りします。

三島戯曲の『 近代能楽集~葵上 』の光役や『椿姫』のアルマン役で評判の木村彰吾が明智小五郎役を務めます。また、オーディションで選ばれた黒蜥蜴の愛人・雨宮役の中島歩と早苗役の義達祐未や、岩瀬庄兵衛役の若林哲行、青い亀の白川和子らベテラン勢など、新キャストを迎えて新たに作り直される『 黒蜥蜴 』。
どうぞご期待下さい!
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脚本が三島さんだけに、セリフが全て韻が踏んであるように思った。すごい。
芝居のセリフが既に音楽的で、美輪さんの声のVibrationも音楽的。時間を忘れて異次元に連れて行かれた。
14時30分から18時までの3部構成。あっという間だった。

前から4列目。11000円のS席はそれ以上の価値があった。
これこそ芸術だと思った。ほんと圧倒的ですごかった。




会場にて。




会場先行発売のDVDも買った。サインありの本も購入。感動。宝物。



DVDはフランスで放映されたドキュメンタリーのDVD。これまた素晴らしい作品だった。
いい買い物をした。横尾さんも出ていた。
以前映画化されたときの「黒蜥蜴」の貴重な映像もあった。






DVDの中での話。
ゲイはすごい差別を受けていた。親に公表して受け入れられず、自殺した友人もいた。
美輪さんはどんなに差別され迫害されても、いつも聖書の一節を思い出していたとのことだ。そして、私が闘わないといけない、と。
美輪さんが切り開いた道は大きい。

「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい。」
という有名な一節を思い出していたとのことだ。


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ヨハネの福音書 8章1節~11節(新改訳聖書)

イエスはオリーブ山に行かれた。
そして、朝早くイエスはもう一度宮に入られた。
民衆はみな、みもとに寄って来た。イエスはすわって彼らに教え始められた。
すると、律法学者とパリサイ人が、姦淫の場で捕えられたひとりの女を連れて来て、真中に置いてからイエスに言った。

「先生。この女は姦淫の現場でつかまえられたのです。
モーセは律法の中で、こういう女を石打ちにするように命じています。
ところで、あなたは何と言われますか。」

彼らはイエスをためしてこう言ったのである。それは、イエスを告発する理由を得るためであった。
しかし、イエスは身をかがめて、指で地面に書いておられた。
けれども、彼らが問い続けてやめなかったので、イエスは身を起こして言われた。

「あなたがたのうちで罪のない者が、最初に彼女に石を投げなさい。」

そしてイエスは、もう一度身をかがめて、地面に書かれた。
彼らはそれを聞くと、年長者たちから始めて、ひとりひとり出て行き、イエスがひとり残された。女はそのままそこにいた。

イエスは身を起こして、その女に言われた。
「婦人よ。あの人たちは今どこにいますか。あなたを罪に定める者はなかったのですか。」

彼女は言った。
「だれもいません。」

そこで、イエスは言われた。
「わたしもあなたを罪に定めない。行きなさい。今からは決して罪を犯してはなりません。」
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人間は、自分の中にあるドロドロした奥深い場所を見たくないから、自分の中に原因を見つけたくないから、「外」に原因や犯人を捜し出す。納得したふりをする。
ただ、本当の問題は「外」にはなく、「自分の中」にしかない、と思う。

「外」に問題を見つけても、それは「自分の中」の問題を先送りしているだけ。
それは形を変えて、自分の中の問題に気付くまで、繰り返し何度も何度もパターンを変えて自分の前に出てくるのだと思う。

問題はすべて「自分の中」に求めなければいけない。差別する心、偏見を持つ心・・・・すべての火種は「自分の中」にあり、そのことに気づき、乗り越えていくために、僕らは一過性の生を与えられている。





DVD、最後の台詞に感動した。

「どんなことがあっても自分を支えてくれたのはL'amour(愛)。
どんなときでも自分が愛する人、自分を愛してくれる人はいた。どんな時でも常に、その人たちの支えが私の力になった。」
とおっしゃっていた。
美輪さんのようなすごい人生を送った人だからこそ言える言葉だし、深く重い。それでいて深い愛を感じた。


愛は、受け取ることも大事だけれど、与えることも大事だろう。というか、与えることに意識を向ければ、自然に愛は返ってくるものだ。
そして、その愛は条件付きではなく、見返りを期待しない無償の愛であるはずだろう。
それは宇宙や自然や太陽が人類や地球に与えてくれているような、無償で無限の愛と相似なのだと思う。

美輪さんを見ていると、「愛」と言う言葉を使う事に恥ずかしがる自分そのものが恥ずかしくなる。
だから、美輪さんの影響で、自分も「愛」という言葉を気にせず自由に使えるようになった。それは自分の中で一つの成長だと思う。
「愛」を実践していれば、その言葉を使うことに恥ずかしく思う事自体が、恥ずかしい。





美輪さんは、フランスの国民的歌手エディット・ピアフの「愛の讃歌 HYMNE A L'AMOUR」を日本に紹介した人だ。


Le ciel bleu sur nous peut s'effrondrer
Et la terre peut bien s'écrouler
Peu m'importe si tu m'aimes
Je me fous du monde entier
Tant que l'amour inondera mes matins
Tant que mon corps frémira sous tes mains
Peu m'importent les grands problèmes
Mon amour, puisque tu m'aimes...

空が落ちてこようと 大地が崩れ去ろうと
そんなことはどうでもいいの
貴方が愛してさえくれれば
世の中なんてどうでもいいの
愛で満ちた朝があれば
貴方の手の中に包まれていれば
世の中の問題なんてどうでもいいの
愛しい人 貴方が私を愛してくれるから

⇒以前、ブログに「エディット・ピアフ」(2008-10-15)書きました。




愛の讃歌の動画。これは必見の必聴。

美輪さん!
美輪さん別バージョン!
越路吹雪さん
エディット・ピアフ


これも聞いてほしい(泣ける。魂を感じる。)
美輪さん ヨイトマケの唄1
美輪さん ヨイトマケの唄2




そういえば、美輪さんの本も素晴らしいですよ。

自分のベストはこれです。
●「ああ正負の法則」(2002/4)
●「愛の話 幸福の話」(2002/6/26)
●「霊ナァンテコワクナイヨー」(2004/4/10)
●「紫の履歴書」(2007/3)

「人生ノート」(2011-05-24)は感想書いてます。





ということで、美輪さんの「黒蜥蜴」はとてもとても素晴らしかった!ということです。
まだ余韻から、夢から、魔法から、、、醒めません。。。