東京・上野の国立科学博物館で、関野さんのグレートジャーニー展を見てきました。
6/9まで。ラファエロ展は大行列でしたが、こちらは比較的すいてました。
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以前、糸井さんと関野さんとの対談も、紹介しました。
⇒「グレートジャーニー」(2013-04-03)
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一番感動したのは、カヌー作りの工程と、カヌーでの旅。
関野さんの学生さんたちと、砂鉄をとるとこから始め、鉄器をつくることから始まる。
インドネシアの大木を切り落とすため森の精霊に祈りをし、大木を落とし、そこからカヌーを掘り出す。
僕らが、いかに目の周りにあるものの「結果」や「最終産物」しか見てないか、痛感した。
昨今の生活には「プロセス」を感じさせないものがあふれているから、社会は「プロセス」を必要ないものとして、「結果」として値段が安いものだけが市場に出回るようになっていくのだろう。
いろんな人たちの手仕事というのは、非常に手間暇がかかる。ただ、その分だけ愛が詰まっているように思う。
プロセスを感じることは、一人の人生をすべて尊重するようなもの。一人一人には生誕から成長し恋をして失恋をして、成功して挫折して、最終的には老いて死んでいく。そのすべてのプロセスが含まれるのだけど、そういう全プロセスを感じると、一人ひとりの人間が生きているということ自体に深い敬意の念が生まれる。畏怖の感情にも似ている。
それは、モノでも同じ。
そういう複雑で深遠な工程を、この<カヌー作り>という一見単純に思えてしまうプロセスから深く感じた。展示の中で、そこが一番心に残った。
映画化されてDVDもあるみたいですね。
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○「僕らのカヌーができるまで」[DVD] 関野吉晴 (出演), 佐藤洋平 (出演), 江藤孝治 (監督), 水本博之 (監督)
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つくる、そして、気づく。
探検家・関野と若者たちが挑む
果てしないものづくりのドキュメント
2009年4月。探検家・関野吉晴は日本人の祖先の足跡をたどる旅「新グレートジャーニー」最終章として、インドネシア~沖縄の海洋ルート航海に挑んだ。
「自然から直接採取した材料だけで、手作りのカヌーを作ろう」。
この旅を始めるにあたって、関野は自身が教鞭をとる武蔵野美術大学の教え子達にこう呼びかけた。
壮大な計画に夢を重ねた若者達がそれぞれの想いを胸に集い、2008年5月、千葉県九十九里海岸でカヌー造りは第一歩を踏み出した。
まずは120kgの砂鉄を集める。木を切り倒す鉄斧を作るため…。
それは古代から伝わる素材、伝統技術を巡る果てしないものづくりの旅の幕開けだった。
鉄器、縄、保存食、そしてカヌー本体。
航海に必要な4つの要素を作るべく、若者達が現代の日本とインドネシアを舞台に奔走する。
僕らが手にしたものは何だろう、それと引き換えに失ってきたものとは。
”つくる” ことを通して得られる幾多の気づきに、現在、そして未来を模索する若者達の奮闘を描いたドキュメンタリー。
ポレポレ東中野上映作品(2010年4月・2013年3月、4月)
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ちなみに、人類の歴史に関しては、国立博物館の常設展の方が質・量ともスケールが大きい。
常設展を見たことがない人は是非是非是非!見てほしい。
化石や標本など・・信じられない規模の世界が広がっています。
○
国立科学博物館の地下3階にある霧箱に感動した。
動画で少し雰囲気が分かる。
霧箱(cloud chamber)は、蒸気の凝結作用を用いて放射線の飛跡を見る装置だ。
アルコールの気体(過飽和状態)の中を通った放射線は、飛行機雲のような飛跡を残す。
1911年、イギリスの科学者ウイルソンが霧箱を発明。彼は霧箱を使った研究でノーベル物理学賞を授与されたらしい。
百聞は一見に如かず。是非見てほしい。時間を忘れます。
こんなにも宇宙線(Cosmic ray:宇宙空間を飛び交う高エネルギーの放射線のこと。主な成分は陽子。アルファ粒子、リチウム、ベリリウム、ホウ素、鉄などの原子核が含まれている)が日々僕らを貫通しているのか!と、この世界の神秘を垣間見ます。
6/9まで。ラファエロ展は大行列でしたが、こちらは比較的すいてました。
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以前、糸井さんと関野さんとの対談も、紹介しました。
⇒「グレートジャーニー」(2013-04-03)
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一番感動したのは、カヌー作りの工程と、カヌーでの旅。
関野さんの学生さんたちと、砂鉄をとるとこから始め、鉄器をつくることから始まる。
インドネシアの大木を切り落とすため森の精霊に祈りをし、大木を落とし、そこからカヌーを掘り出す。
僕らが、いかに目の周りにあるものの「結果」や「最終産物」しか見てないか、痛感した。
昨今の生活には「プロセス」を感じさせないものがあふれているから、社会は「プロセス」を必要ないものとして、「結果」として値段が安いものだけが市場に出回るようになっていくのだろう。
いろんな人たちの手仕事というのは、非常に手間暇がかかる。ただ、その分だけ愛が詰まっているように思う。
プロセスを感じることは、一人の人生をすべて尊重するようなもの。一人一人には生誕から成長し恋をして失恋をして、成功して挫折して、最終的には老いて死んでいく。そのすべてのプロセスが含まれるのだけど、そういう全プロセスを感じると、一人ひとりの人間が生きているということ自体に深い敬意の念が生まれる。畏怖の感情にも似ている。
それは、モノでも同じ。
そういう複雑で深遠な工程を、この<カヌー作り>という一見単純に思えてしまうプロセスから深く感じた。展示の中で、そこが一番心に残った。
映画化されてDVDもあるみたいですね。
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○「僕らのカヌーができるまで」[DVD] 関野吉晴 (出演), 佐藤洋平 (出演), 江藤孝治 (監督), 水本博之 (監督)
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つくる、そして、気づく。
探検家・関野と若者たちが挑む
果てしないものづくりのドキュメント
2009年4月。探検家・関野吉晴は日本人の祖先の足跡をたどる旅「新グレートジャーニー」最終章として、インドネシア~沖縄の海洋ルート航海に挑んだ。
「自然から直接採取した材料だけで、手作りのカヌーを作ろう」。
この旅を始めるにあたって、関野は自身が教鞭をとる武蔵野美術大学の教え子達にこう呼びかけた。
壮大な計画に夢を重ねた若者達がそれぞれの想いを胸に集い、2008年5月、千葉県九十九里海岸でカヌー造りは第一歩を踏み出した。
まずは120kgの砂鉄を集める。木を切り倒す鉄斧を作るため…。
それは古代から伝わる素材、伝統技術を巡る果てしないものづくりの旅の幕開けだった。
鉄器、縄、保存食、そしてカヌー本体。
航海に必要な4つの要素を作るべく、若者達が現代の日本とインドネシアを舞台に奔走する。
僕らが手にしたものは何だろう、それと引き換えに失ってきたものとは。
”つくる” ことを通して得られる幾多の気づきに、現在、そして未来を模索する若者達の奮闘を描いたドキュメンタリー。
ポレポレ東中野上映作品(2010年4月・2013年3月、4月)
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ちなみに、人類の歴史に関しては、国立博物館の常設展の方が質・量ともスケールが大きい。
常設展を見たことがない人は是非是非是非!見てほしい。
化石や標本など・・信じられない規模の世界が広がっています。
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国立科学博物館の地下3階にある霧箱に感動した。
動画で少し雰囲気が分かる。
霧箱(cloud chamber)は、蒸気の凝結作用を用いて放射線の飛跡を見る装置だ。
アルコールの気体(過飽和状態)の中を通った放射線は、飛行機雲のような飛跡を残す。
1911年、イギリスの科学者ウイルソンが霧箱を発明。彼は霧箱を使った研究でノーベル物理学賞を授与されたらしい。
百聞は一見に如かず。是非見てほしい。時間を忘れます。
こんなにも宇宙線(Cosmic ray:宇宙空間を飛び交う高エネルギーの放射線のこと。主な成分は陽子。アルファ粒子、リチウム、ベリリウム、ホウ素、鉄などの原子核が含まれている)が日々僕らを貫通しているのか!と、この世界の神秘を垣間見ます。