観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

共産史観の亡霊

2010-10-07 21:43:26 | 注目情報
中国監視船も離れてどうやら落ち着きつつあるのだろうが、それはそれとして、気になる記事があったので、国際情勢を復習。

>9月27日に北京で行われた中露首脳会談で「第二次大戦終結65周年に関する共同声明」が調印されたが、「歴史問題」の蒸し返しから始まったこの反日色の強い「共同声明」は明らかに、中国がロシアと組んで「領土問題」での「対日共闘」をアピールしようとしたものである。
 
>そして9月30日、中国の新華通信社は共同声明の「歴史的意義」に対する解説の時評を配信したが、「釣魚島(尖閣諸島)」という固有名詞がその中で姿を現した。中国政府の意向を代弁したこの時評は、戦後、米国が尖閣諸島を沖縄とともに日本に返還したことを「ポツダム宣言に背いた勝手な行為」だと非難した上で、それが「歴史の正義が実現されずにして、(戦争)犯罪はいまだに清算されていないことの表れである」と断じた。※傍線筆者

尖閣での事件がホットな頃、何やら中国とロシアが握手しているのは知っていたが、PC故障中のせいか、中国でこんなケシカラン記事が出ているのは知らなかった。何時まででも第二次大戦カードを出してくるのは何時ものことだが、日本への沖縄返還を批判しているのは見過ごしてはいけないこんな記事もある。

どうやら沖縄が日本であることに不満があるらしいが、シャレになっていないので、連中の言い分とやらを検討してみる必要がある。

ポツダム宣言第八条

>八、「カイロ」宣言ノ条項ハ履行セラルヘク又日本国ノ主権ハ本州、北海道、九州及四国並ニ吾等ノ決定スル諸小島ニ局限セラルヘシ(国立国会図書館)

なるほどポツダム宣言が永久に守られなければならないとしたら、沖縄は永遠に日本であってはならないようだ。だが、そんなことは関係ない。

サンフランシスコ講和条約を見てみよう。

>第三条 日本国は、北緯二十九度以南の南西諸島(琉球諸島及び大東諸島を含む。)、孀婦岩の南の南方諸島(小笠原群島、西之島及び火山列島を含む。)並びに沖の鳥島及び南鳥島を合衆国を唯一の施政権者とする信託統治制度の下におくこととする国際連合に対する合衆国のいかなる提案にも同意する。このような提案が行われ且つ可決されるまで、合衆国は、領水を含むこれらの諸島の領域及び住民に対して、行政、立法及び司法上の権力の全部及び一部を行使する権利を有するものとする。(中野文庫)

日本は確かに台湾・澎湖諸島及び南沙諸島、千島列島・南樺太、南洋諸島の権利、権原及び請求権の放棄した(共産党の千島返還論は誤り)。だが、沖縄・小笠原は放棄していないのだ(だから戻ってきた)。アメリカの信託統治領をアメリカが日本に渡して何が問題だというのか。

日本は戦争に負けポツダム宣言を受諾したが、その後直ぐに冷戦が始まり、結局戦後処理としてサンフランシスコ講和条約が結ばれた。この条約は英米日を含む49カ国が署名している。その後日本が西側の一員として歩んできた歴史は明白であり、沖縄も日本に戻ってきた。そして冷戦は西側の勝利で(一応)区切りがついた。これが普通の歴史である。

中国がポツダム宣言から歴史の針を進めるつもりがないなら、それで構わない。だが、きっと歴史の改竄は諦めた方が賢明だろう。中国はソ連と組んで西側と冷戦状態にあったのであって、その間に歴史は動いた。そして、共産主義などというものは冗談みたいな存在となって、結局今の国際秩序は西側がつくっているのである。現実を直視し、今の国際秩序を認めるべきだろう。すなわち尖閣諸島を含む沖縄(と小笠原)は日本の領土だ。

>米国に対し、沖縄の管轄権と主権を中国に返還するよう要求しなければならない。そうしてこそ歴史の正義に適う(先のリンク香港誌亜州週刊)

沖縄が中国の領土であったことは尖閣諸島と同じく事実として一度も無い。だから、返還との言葉はいかなる意味でも誤りだ。「欲しくなったからくれ」とでも書いたらどうか。