観測にまつわる問題

政治ブログです。「保険」「相続」「国民年金」「AIロボット」「運輸エンタメ長時間労働」「GX」を考察予定。

日米安保再改定案

2011-09-23 00:56:28 | 政策関連メモ
産経が日米安保再改定案を出していたので、自分も便乗して考えてみた。特別研究チーム(主査・佐瀬昌盛防衛大学校名誉教授、谷内正太郎元外務事務次官、坂元一哉大阪大学教授)が案を作ったそうで、まずは貴重な提言に賛意を示したい。

気になるのは・・・

前文の「一層緊密な経済的な協力」を「一層緊密な政治的及び経済的な協力」に改定している部分。寧ろ「一層緊密な協力」でいいのではないだろうか。第1条で政治的独立、第2条で自由な諸制度に言及しており、独立と自由の方がプライオリティが高いと思う。ゆえに2条の「締約国は、その国際経済政策におけるくい違いを除くことに努め」も必要ないのでは。いずれにしても良い経済政策はお互い取り入れると思うし、判断がくいちがった場合は無理しない方が信頼関係は強固になるはずだ。

次に第4条の「日本国の安全又は極東における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。」を「いずれか一方の締約国の安全又はアジア太平洋地域における国際の平和及び安全に対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。」にしている部分だが、「日本国の安全又はアジア太平洋地域における国際の平和及び安全に対する脅威又はアジア太平洋地域を通過するアメリカに対する脅威が生じたときはいつでも、いずれか一方の締約国の要請により協議する。」としたらどうだろう。片務性の解消は重要だが、現状では、日本がアジア太平洋地域以外のアメリカの戦略に深く関与することは考えにくい。かと言って今の片務性は問題なわけで、アジア太平洋地域における問題及び、アジア太平洋地域を通過するアメリカへの攻撃に関して協力を明記して限定的だが片務性を解消するという考えだ。今の時代、ミサイルが飛ぶので、通過するミサイルをどう考えるかの問題はあると思う。さすがにワールドワイドに展開する米軍についていくわけにはいかないが、アジア中心にアメリカの自衛に協力は出来るのではないか。一方的に守られるという考えは何処か歪んでいるし、弱い立場になることは間違いない。日本も主権国家なので、やはり普通の国防を目指す方向であるべきだろう。

自分が想定するアジア太平洋地域はこれまでの極東プラス東南アジア及び周辺海域(北西太平洋)。オーストラリアはアジア太平洋地域のプレイヤーと思うが、オーストラリアまで日本が出て行く事態というのは中々考えにくい。日豪関係の中で考えるべき問題だろう。インドも同じだ。東南アジアはマラッカ海峡など日本の生命線も多く、あらゆる事態を想定し、より積極的な関与があっていいのではないかと思う。

三菱重工へのサイバーテロ

2011-09-23 00:18:51 | 日記
三菱重工のサイバー攻撃に対する認識(三菱重工業株式会社 本日の一部報道について)が甘いように見える。

>過去に社内一部のコンピューターのシステム情報(ネットワークアドレス等)が流出した可能性があることは判明しているものの、当社の製品や技術に関する情報の社外へのデータ流出は現在確認されておりません。

情報って痕跡を残さず取られることもあるんじゃなかったっけ。確認できなくても、見られている可能性があることを前提にやっているかが気になる。防衛産業は情報流出に敏感じゃないといけないはずで、その辺がどうも心配。監督する方(防衛省・自衛隊)も時々あるし。

参考「世界サイバー戦争」リチャード・クラーク他著/徳間書店/155p

>サイバー窃盗と美術品窃盗の違いは、世界的ハッカーがデータを盗んだ場合、被害者本人が被害に気付かないという点だ。ある諜報機関の高官はわたしにこう言った。「アメリカ政府は他国のネットワークに1ヶ月当たり××回の不正侵入を行なっているが、相手側に気付かれたことは一度もない。こっちから向こうへの侵入が気づかれないとしたら、向こうからこっちへの侵入はどうなんだろうな?」

犯人は中国とも言われ(痕跡が残っていたとされる)、今回は情報流出はなかったのかもしれないが、大したことないという感じに一抹の不安を感じる。

犯人が見つかることを期待したい。