農林水産省「もっとおいしく安心して使うための砂糖の基礎知識」より
沖縄・鹿児島のサトウキビ農業と今後の方向性について考察します。筆者が当地の新聞をこれまで見てきた中では、サトウキビ農業は大切にされてきたようです。今後の発展が望まれる訳ですが、砂糖が悪者にされがちな昨今、また収穫量が減少傾向にある昨今((10)さとうきび 農林水産省 ※2011年までのデータ)、本気で振興するのであれば、一から見直し新しい戦略を練る必要があるというのが、筆者の考えです。
もっとおいしく安心して使うための砂糖の基礎知識(農林水産省)によれば、日本で消費される砂糖の内、国内産は4割であり、その内8割が北海道のてん采由来で、2割が沖縄鹿児島のさとうきびになります。
五訂増補日本食品標準成分表 第3章 資料-1-3(文部科学省)を参照すると、(日本でよく使われる)上白糖や(世界でよく使われる)グラニュー糖でさとうきび・てん菜の区別がありません。てん菜上白糖もあるようですが、精製したら同じだと考えて良いのでしょう。
それを踏まえて、国内産の砂糖が8割てん菜なのであれば、上白糖やグラニュー糖の原料としては、てん菜の方が競争力があるとも考えられます。だとすればつまり、沖縄や鹿児島のさとうきびは、未精製の砂糖に力点を置いた方が良いのではないでしょうか。
【血糖値も安定】体にいい砂糖のおすすめ人気ランキング10選(mybest 料理研究家 スマイリー)は、体に良い砂糖とは栄養分が残された完全に精製されていない砂糖だとしています。癖がない甘さなら精製された砂糖なのでしょうが、不純物を取り除くのも良し悪しだと思います。
栄養価が非常に高いのが黒糖ですが、独特の癖もありますし、沖縄や鹿児島としては、あわせてより癖が少ないきび砂糖もプッシュすべきかもしれません。てん菜糖よりミネラル分は多いようであり、ミネラル分は精製された白米を食べる日本人には不足しているようで、健康にはきび砂糖や黒糖が良いのかもしれません。白い砂糖でてん菜と勝負できないなら、茶色の砂糖を如何に推すかです。補助金依存の農業を幾ら大事にしたところで、ジリ貧になることは否めないと思います。沖縄に必要なのは強い産業だと考えます。
黒糖の消費拡大PR 生産量、2期連続9千㌧超(八重山日報 11日 5月 2018)
元々(沖縄)県含みつ糖対策協議会が5月10日を黒糖の日としてアピールしたように、沖縄で黒糖重視の流れはあるんだろうと思います。もっともそうしたニュースを見た時は筆者もよく分かっていませんでしたが、これまでの黒糖重視は良いとして、+αで未精製という一点に絞ってきび砂糖もプッシュすると面白いと思います。より癖はなく受け入れられやすそうですし、ライバルてん菜から精製できないという意味では黒糖に並ぶ訳で、選択肢は増やしておくことに越したことはないんじゃないでしょうか。
まぁ、前述のテレビでひっぱりだこだという料理研究家スマイリー(フードソムリエ 料理家一覧)さんによると、完全に精製していない茶色のてん菜糖もオリゴ糖が含まれており、それはそれで良いものであるようです。フランス料理でよく使われるのだとか。スマイリーさんはフランス料理でキャリアを積んでいるようですが、沖縄の物産をアピールするのに影響力のある料理人に忌憚のない意見を聞き、使ってもらうのもひとつの方法なのかもしれません。沖縄の場合は観光でファンになってもらうという手もありますが。
なお、黒糖ですが乳児ボツリヌス症との関連性を指摘されており(例えばウィキペディア「黒砂糖」2018/12/7)、これは風評被害を生んでいると考えて良いようです(徹底調査!乳児は絶対NGな「ボツリヌス菌」。ハチミツ以外の危険食品の真偽とは?! くらトピ)。何でもライターの方が沖縄県黒砂糖工業会に聞いたところによると「沖縄黒糖にボツリヌス菌の混入例は聞いたことがなく」「濃縮の過程でかなりの高温(120度以上)での仕上工程があり、その過程でボツリヌス菌などの耐熱細菌も全て死滅するほか毒素は失活致します」だそうです。
なお先に紹介した「もっとおいしく安心して使うための砂糖の基礎知識」において、虫歯予防に関しては、長時間食べかすを残さないことの重要性が指摘されており、糖尿病に関しては、世界では英名「diabetes mellitus」中国名「消渇」のように糖という言葉は使われておらず、過剰に砂糖がイメージが悪くなっていると示唆されているようです(食べ物では炭水化物も原因)。
健康に関心がある人が増えている昨今、調べたら事実が出てくることを防ぐ方法は無いと思いますが、シッカリ調査して風評被害を生む誤説に関しては、訂正を求めていくことも重要なんだろうと思います。後手に回らず、食と健康に関する科学的根拠を自分達自身で調べて事前に計算して方針をたてる農政が求められているのかもしれません。
沖縄・鹿児島のサトウキビ農業と今後の方向性について考察します。筆者が当地の新聞をこれまで見てきた中では、サトウキビ農業は大切にされてきたようです。今後の発展が望まれる訳ですが、砂糖が悪者にされがちな昨今、また収穫量が減少傾向にある昨今((10)さとうきび 農林水産省 ※2011年までのデータ)、本気で振興するのであれば、一から見直し新しい戦略を練る必要があるというのが、筆者の考えです。
もっとおいしく安心して使うための砂糖の基礎知識(農林水産省)によれば、日本で消費される砂糖の内、国内産は4割であり、その内8割が北海道のてん采由来で、2割が沖縄鹿児島のさとうきびになります。
五訂増補日本食品標準成分表 第3章 資料-1-3(文部科学省)を参照すると、(日本でよく使われる)上白糖や(世界でよく使われる)グラニュー糖でさとうきび・てん菜の区別がありません。てん菜上白糖もあるようですが、精製したら同じだと考えて良いのでしょう。
それを踏まえて、国内産の砂糖が8割てん菜なのであれば、上白糖やグラニュー糖の原料としては、てん菜の方が競争力があるとも考えられます。だとすればつまり、沖縄や鹿児島のさとうきびは、未精製の砂糖に力点を置いた方が良いのではないでしょうか。
【血糖値も安定】体にいい砂糖のおすすめ人気ランキング10選(mybest 料理研究家 スマイリー)は、体に良い砂糖とは栄養分が残された完全に精製されていない砂糖だとしています。癖がない甘さなら精製された砂糖なのでしょうが、不純物を取り除くのも良し悪しだと思います。
栄養価が非常に高いのが黒糖ですが、独特の癖もありますし、沖縄や鹿児島としては、あわせてより癖が少ないきび砂糖もプッシュすべきかもしれません。てん菜糖よりミネラル分は多いようであり、ミネラル分は精製された白米を食べる日本人には不足しているようで、健康にはきび砂糖や黒糖が良いのかもしれません。白い砂糖でてん菜と勝負できないなら、茶色の砂糖を如何に推すかです。補助金依存の農業を幾ら大事にしたところで、ジリ貧になることは否めないと思います。沖縄に必要なのは強い産業だと考えます。
黒糖の消費拡大PR 生産量、2期連続9千㌧超(八重山日報 11日 5月 2018)
元々(沖縄)県含みつ糖対策協議会が5月10日を黒糖の日としてアピールしたように、沖縄で黒糖重視の流れはあるんだろうと思います。もっともそうしたニュースを見た時は筆者もよく分かっていませんでしたが、これまでの黒糖重視は良いとして、+αで未精製という一点に絞ってきび砂糖もプッシュすると面白いと思います。より癖はなく受け入れられやすそうですし、ライバルてん菜から精製できないという意味では黒糖に並ぶ訳で、選択肢は増やしておくことに越したことはないんじゃないでしょうか。
まぁ、前述のテレビでひっぱりだこだという料理研究家スマイリー(フードソムリエ 料理家一覧)さんによると、完全に精製していない茶色のてん菜糖もオリゴ糖が含まれており、それはそれで良いものであるようです。フランス料理でよく使われるのだとか。スマイリーさんはフランス料理でキャリアを積んでいるようですが、沖縄の物産をアピールするのに影響力のある料理人に忌憚のない意見を聞き、使ってもらうのもひとつの方法なのかもしれません。沖縄の場合は観光でファンになってもらうという手もありますが。
なお、黒糖ですが乳児ボツリヌス症との関連性を指摘されており(例えばウィキペディア「黒砂糖」2018/12/7)、これは風評被害を生んでいると考えて良いようです(徹底調査!乳児は絶対NGな「ボツリヌス菌」。ハチミツ以外の危険食品の真偽とは?! くらトピ)。何でもライターの方が沖縄県黒砂糖工業会に聞いたところによると「沖縄黒糖にボツリヌス菌の混入例は聞いたことがなく」「濃縮の過程でかなりの高温(120度以上)での仕上工程があり、その過程でボツリヌス菌などの耐熱細菌も全て死滅するほか毒素は失活致します」だそうです。
なお先に紹介した「もっとおいしく安心して使うための砂糖の基礎知識」において、虫歯予防に関しては、長時間食べかすを残さないことの重要性が指摘されており、糖尿病に関しては、世界では英名「diabetes mellitus」中国名「消渇」のように糖という言葉は使われておらず、過剰に砂糖がイメージが悪くなっていると示唆されているようです(食べ物では炭水化物も原因)。
健康に関心がある人が増えている昨今、調べたら事実が出てくることを防ぐ方法は無いと思いますが、シッカリ調査して風評被害を生む誤説に関しては、訂正を求めていくことも重要なんだろうと思います。後手に回らず、食と健康に関する科学的根拠を自分達自身で調べて事前に計算して方針をたてる農政が求められているのかもしれません。