障害児の高校進学 2022
高校の交渉は気が重い。
子どもを不合格にさせる怖さと自分の無力さ。
同じことを37年も繰り返し。
自分はここで何をしているんだろう、と思う。
□
今年最初の話し合い。県教委からは学習指導課、児童生徒安全課、教職員課、特別支援教育課、教育政策課、財務課、教育施設課から指導課長をはじめ13名が出席。
そこで受検生と親が思いを話すところから始まる。
今年の受検生は2名。一人は身体障害はあるが成績は学年で一桁の子。もう一人はひらがなを学び中の子。入試が不安なのは、点数が取れない子の方だ。
だけど、それぞれの両親の思いを聞きながら、点数とか障害の話が背景に遠ざかり「ここにいられてよかった」と思える瞬間が訪れる。
それは《しあわせに包まれている子どもがみえる瞬間》でもある。こんなにうれしい場所にいられることは、そうはない。
「高校にいきたい」という子どもに、「大丈夫」と約束はできない。
入試で不合格になることもある。
それでも子どもは「がんばる」という。
だって、みんなと小中学校で学んできて、その先の学びのためにみんなが次へ行く。この子も同じ。
小中学校でのこの子の学びの成果は、もっとみんなと一緒に学びたい、という意思そのもの。
そうであれば、この子が高校に行けない理由はない。
子どもの思いを大切にしたい親の思い。その言葉に包まれて、子どもはどれほど安心だろう。
15歳までのこの安心が、この先の人生の出会いの豊かさにつながっている。
そのことを今年も思い出す。
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