ワニなつノート

ひとりごと



《ひとりごと》



「できないことをさせるのはかわいそうだから、できることだけを《本人のニーズ》にされてしまうこと」は、なかった。

「みんなができて、自分だけができないのは傷つき自信をなくすからと、別の場所で守られる子ども」ではなかった。

いつのまにか、「支援されるだけの役割」を抱えこんでしまうこともなかった。

傷つかないように心配され、守られ、保護される人生ではなかった。

そうした「やさしい人」だけに囲まれてはいなかった。一人の小学生、一人の中学生、一人の高校生として友だちと出会い仲間と出会い、一人の大人として接する人たちと出会う人生だった。

たとえ、歩けなくても、動けなくても、重い病を抱えていても、守られ、保護され、支援されるだけの人生では、まったくなかった。

こうとしかいられない姿のままで、「生きる喜び」を感じ、後につづく子どもたちを支え、幼い子どもを育てる親たちを一緒に応援してくれた。

何より、その存在で、子どもたちを支えてくれたその意味を、彼が生きている間、私は気づいていなかった。
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