会から受験する方が2人増えて、今年の受験生は10人(o|o)
楽しみな一年が始まります。
というわけで、やっとできた今年の要望書をお届けします。
要望事項の「3」は県独自のものなので、あとで説明します。
◆ ◆ ◆
希望するすべての子どもに
後期中等教育の保障を求める要望書
千葉県公立高校に在籍する障害児の学校生活につきましては、日頃からご指導及びご尽力をいただきお礼申し上げます。県立高校へのエレベーター設置も進み、安全・安心な環境が整備されつつあることに心より感謝申し上げます。
今年は当会から5人が受検に臨み4人が合格し、新たな高校生活をスタートさせることができました。また今春、当会の8人が無事高校を卒業しました。子どもたちにとって、充実した高校生活は、その後の人生の大きな自信と支えになっています。長年の貴委員会及び各高等学校の障害児理解の姿勢の賜物と深く感謝いたします。
当会が高校進学の支援を始めて今年で23年になります。「障害児」の進学が想定されずに作られた「選抜」制度そのものが、障害児者にとって不利益である現実認識から、当会と貴教育委員会との話し合いは始まりました。受験時の配慮が何一つない時代から22年間、延べ287回の受験に臨んできた116人の子どもたちの姿が、公立高校の希望者全入を求める私たちの確信の根拠であり支えです。どのような障害があろうと、116人のすべての子どもたちが、勉強が苦手であっても高校に行きたいという意欲と希望を強く持ち、不合格にされてもあきらめずに受験に向かってきました。
特別支援学校の高等部では、すでに十数年前から、希望者全入が実現しています。このことは、障害の種類、程度を問わず、高校(後期中等教育)は子どもの学習する権利の一つであることを、社会が認知している表れです。しかし、千葉県では、毎年100名を超える定員内不合格者が出されています。「高校無償化」によりすべての子どもに学ぶ機会と権利を保障できる社会環境下において、「定員が空いている」状態での「不合格」という判断は、教育の放棄であり子どもの教育を受ける権利を無視するものです。
千葉県教育委員会は、以前より「障害のある生徒の高等学校への入学について」、次のように説明してきました。
『中学校及び養護学校中等部等に在籍する(在籍した)障害のある生徒が、卒業後どのような進路を選択するかは、本人、保護者の選択に任されている。したがって、養護学校高等部だけでなく、その他の学校等も選択することができる。』
(平成13年度県立学校新任教頭研修・資料より)
少なくとも上記資料以前から、特別支援学校高等部では「希望者全入」が実現していました。また2010年からは、98%の高校進学を支える「高校無償化」が実現しました。このように可能な限りすべての子どもに高校教育を保障しようとする政策が進む中で、普通中学校から普通高校を希望する障害のある生徒だけが、「障害」故に高校で学ぶ機会を著しく制限されています。「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」においても、「合理的な理由なく、障害を理由として、福祉サービスの提供を拒否し、若しくは制限し、又はこれに条件を課し、その他不利益な取扱いをすること」は差別であると定義されています。特別支援学校という「教育」を選べば、100%入学できるのですから、普通高校を選ぶすべての子どもたちにも、無償で高校を受けることのできる制度を整えてください。
・ 記
1. 平成24年度「千葉県公立高等学校入学者選抜」において、高校進学を希望するすべての生徒が学べる募集定員を設定し、すべての生徒に後期中等教育を受ける機会を保障してください。
2. 特別支援学校高等部の希望者全入の現状、高校無償化及び中高一貫校成立の趣旨を踏まえ、公立高校においても県として『定員内希望者全入』の基本的立場を明確に示して下さい。特別支援学校と高等学校の校長とは法的に同じ立場であり、県が『定員内希望者全入』の立場を明確にすることが、校長権限の制限干渉には当たらないものと考えます。その上で、例外については必要に応じて教育長と協議する公平な制度を整えて下さい。
3. 前期選抜試験の入学許可候補者の決定について、特別配慮申請書を提出して受験している生徒で入学後も合理的配慮が必要な生徒を入学許可候補者とする場合には、予め定められた定員の割合プラス1%を加える弾力的な運用を実施して下さい。また「転入学等の受け入れ推進のための定員の弾力的運用について」(通知)について、特別配慮申請書を提出し入学後も合理的配慮が必要な生徒を優先的に候補者とする弾力的な運用に変更して下さい。
以上
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