ごうりてきはいりょのはなし(1)
大人が子どもに配慮する―ということ。
大人が子どもに「公平・公正」を約束すること。
法に基づいて、公に「合理的配慮」を宣言すること。
障害によって子どもの教育が「制限」されないようにすること。
子どもの障害が「不利益」にならないように調整すること。
子どもが尋ねる。
「はいりょってなに?」
「あなたをまもることよ」
「わたしのため?」
「そう、あなたのため」
「ほかの子は?」
「もちろん、誰でも。誰も孤立しないように」
「こりつ?」
「一人ぼっちにしないってこと。さびしくないように」
「どうしてこりつするの?」
「まわりが壁だらけ、だと、誰にも出会えないでしょ」
「かべはどこ?」
「どこにでも。学校もお店も、道路も階段も、バスも電車も、街中にあふれてる。」
「かいだんもかべ?」
「赤ちゃんや車イスを使ってる子は上れないでしょ。だから壁といっしょ」
「そっか、スパイダーマンならどんな壁も登れるのにね」
「スパイダーマンには壁がないのかしら?」
「あるよ。糸がなくなったら跳べない」
「そうね、一人ぼっちも、つながりの糸がないと飛べないわね」
(つづく)
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