気管切開児を学童保育が受け入れ
/流山市
2010年04月23日 朝日新聞
流山市は今年度から、保護者が働いていて自宅に不在となる小学生を預かる学童保育で、医療職以外は実施を制限されている痰(たん)吸引が必要な児童の受け入れを始めた。吸引のような医療的ケアが必要な子どもを受け入れる学童保育は全国でも珍しい。(重政紀元)
受け入れが認められたのは、同市立新川小学校1年生の木村海斗君(6)。同小の敷地にある学童保育「つくしんぼ学童クラブ」に、4月から平日を中心に週5日、通っている。
海斗君は気管が十分に発達しないまま生まれる先天性気管狭窄のため、手術でのどに穴をあける気管切開をしている。体育や食事は周囲の児童と変わらない生活を送れるが、自力では痰を出せないため吸引機で痰を吸い出す作業が欠かせない。
だが、国は原則として吸引を医療的ケアとして、医療職や患者家族以外が行うことを禁じている。気管を広げるために入れているカニューレが抜けるなど命にかかわるケースがあることを理由にしている。
このため同市教育委員会は海斗君の入学にあわせて、同校に看護師の有資格者を常駐させ、1時間おきに吸引ができる体制をとった。学童クラブの保護者らでつくる運営委員会とクラブを所管する同市保育課も「同様の用意が必要」と判断。授業終了から午後4時すぎまで、看護師を置くことを決めたという。
海斗君の母親、和子さん(49)は介護職としてフルタイムで働いている。入学前に相談した民間の預かりサービス施設は、週1回以上の利用は難しいという回答だったという。「もし、市が受け入れをしてくれなかったら仕事は辞めざるを得なかった。本当に感謝しています」
同市保育課の宮島芳行課長は「気管切開のようなケアが必要な子どもはこれから増えてくるのは確実で、市としても受け入れ方を模索している。障害は個々で差が大きいので、すべての方に同様のことが可能なわけではないが、できる限り受け入れを進めていきたい」と話す。
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かいとママ
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kawa
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