《ふつう学級のよさは、
学校を終えてからの方がよく分かる》
①
ふつう学級のよさは、
学校を終えてからの方がよく分かる。
なぜか。
余計な問いが消えるから。
「余計な問い」は何?
古い文化の障害観や教育。
私たちの中の「強力な固定観念」。
ふつう学級で本当にいいんだろうか?
何か問題が起こるたびに、わき上がる疑問。
専門家のいうことを聞いた方がよかったんじゃないか?
この子のために本当は、どっちがいいのか?
たえず選択を迫られる日常。
もしかしたら私が間違っているんじゃないか?
子どもの将来を狭めているんじゃないか?
この子は言葉で話してはくれない。
本当にここでいいの?
この子にとって最良の場所はどこ?
本当に自尊感情が育たなかったらどうしよう。
本当に自己肯定感を失くしたらどうしよう。
こんなにできないことだらけで、
社会に出て、自信を持って生きていけるのか?
この社会の人たちは、障害のあるこの子を、
この子のありのままを受け止めてくれるだろうか。
この子が大人になっても、
友だちは、友だちでいてくれるだろうか?
そうした「余計な問い」に惑わされていると、
目の前にある豊かな関係を感じている暇もない。
だから、ふつう学級のよさは、
学校を終えてからの方がよく分かる。
(つづく)
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