テーマⅡ
「普通学級に当たり前に居続けるために知っておきたい大切なこと」
(あるいは普通学級を手放さないために知っておきたい大切なこと)
《強力な固定観念 3》
「分けること」は、分ける側の「固定観念」をさらに強固にする。
それが、特支や福祉の古い人たちの姿だと私は思う。
表向きは「共に」とみんながいう。
でも、それが難しいから、分けた場所で守ろうとする。
療育施設。特別支援学級。特別支援学校。高等部。作業所。グループホーム。施設。
就学相談会に来る人の中に、ふつう学級よりも特別支援学校の方が将来、就職ができると思っている人がいる.
でも、手元にある平成21年度の資料には、特別支援学校高等部卒業後、就職者23.7%とある。
社会福祉施設等入所、通所者が64.4%。
それが現実だと、福祉の人ほど知っている。
でも、その「現実」とは、「強力な固定観念」に基づいたこの社会のことだ。
現実に沿うということは、古い時代の「強力な固定観念」を守り続ける、ということだ。
「分けられること」は、分けられる子どもの「固定観念」をさらに強固にする。
分けることは正しいことだとみんなが言うなら、正しいことなのだろう。
分けられた子どもは、そう思うしかない。
分けられることは「差別」ではない。
分けられることは「私」のためなのだ。
分けられることは「私の将来」のためなのだ。
つまり、分けられるのは、私が原因なのだ。
私に原因があるのだから、「いっしょ」とか「ともに」とか、夢みちゃいけないんだ。
分けることは、正しいことなのだから。
分けることは、私のためなのだから。
《「強力な固定観念」が溶ける時》
「障害のある子どもが、ふつう学級に喜んで迎えられることはない。」
「障害のある子どもが、ふつう学級で敬意を払われ大切に扱われる訳がない。」
《い》「いじめられますよ。真顔で脅す校長先生」
私の作ったカルタで、「そうそう、私もこれ言われた」と一番反響のあるのがこれだ。
北海道から沖縄まで、全国共通の脅し文句だ。
それが「脅し」として成り立つのは、それが親の一番の気がかりでもあるからだ。
ふつう学級を選ぶ親の中にも、「障害があると、いじめられる」という「強力な固定観念」はあるのだ。
では、親はその「強力な固定観念」を抱えたまま、どうやって「ふつう学級」という、低くはないハードルに挑もうとするのだろう。
そして、親の「強力な固定観念」は、どうやって溶けていくのだろう。
(つづく)
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