《伊織くんと栞音さんとあーちゃんさきちゃんが教えてくれたこと》（その１）

《伊織くんと栞音さんとあーちゃんさきちゃんが教えてくれたこと》（その１）



高校に行きたいのは出会うため。
学びたいのは出会うため。
入試を受けるのは出会うため。
私はここにいると伝え、出会い、つながるため。

入試は出会い。
入試も学び。
入試もつながり。

だからこの子たちは前を向く。今を信じて生きる。
絆を信じて手を伸ばし続ける。
手を伸ばしても「言葉」がなきゃだめだと手を振り払われてても。
この子は他に術がない。
だから信じてまた手を伸ばす。


入試も出会い。
入試も学び。
入試もつながり。
入試も私を表現する一日。

高校生になりたい私の意思と希望を表現する日。
これが私。
私はここにいる。
私は生きている。

小さいころからの友だちも先輩も後輩も、みんなここにいる。
だから、私もここで学び、生きたい。
私はここにいる。

小さいころから一緒に学び、遊び、話をしてきたみんなと一緒に、今日も話をしたい。
私がここにいることを、毎日話したい。伝えたい。
みんながここにいることを、毎日聞きたい。知りたい。

みんなはそうして大人になり、社会に出ていくのでしょう。
だから、わたしも。

高校生になる前の入試が出会いの始まり。
入試も出会い。入試も学び。入試もつながり。
点数による評価は明日の天気のようなもの。
雨でも晴れでも雪でも嵐でも、私はここにいる。

入学も、入試も、出会いの始まり。
その出会いのために、私はいまここにいる。
居続ける。生き続ける。


わたしがみえますか。
わたしのこえがきこえますか。
わたしのおもいはとどきますか。
わたしはここにいる。