さて、尾瀬沼の北側、燧ケ岳の麓を池畔に沿って沼尻へ…
これも尾瀬に来るようになってからの定番ルートです。
途中で燧ケ岳への登山ルート( 長英新道 )と道を分け進みます。
晴れていれば、
深い木立の樹影越しに キラキラと陽射しを反射させる尾瀬沼の美しさが格別なのですが
残念ながら今日はそこまで太陽が顔を覗かせていません。
でも、梅雨ど真ん中のこの時期に、
ここまで天気が回復し、曇りでも薄日が時折射すような明るさなら
御の字 ってものです。
カエルの声も 一際 賑やかです。
何年か前に 訪れた直後に火災で全焼してしまった沼尻の休憩所です。
再建され、前回来たときには イマドキの白いパラソルなんかが目を引きましたが
今シーズンは コロナ禍で営業していませんでした。
中学生くらいの女の子と小学校4年くらいの男の子、両親という4人連れ家族が
反対側からやって来て、
リュックから大きな真っ黒くろすけなおにぎり弁当を取り出し食べ始めました。
男の子は 乗り気でなかったのに 無理くり一緒に尾瀬に連れて来られたっていう態が明らかで
隊長、ちょっと離れている事をいい事に、アテレコで
家族の会話を その光景に被せて遊ばせてもらいます。
男の子「もう、やってらんね~よ、疲れたし、まじ卍 くそ暑いし!!」
お父さん「でも こんな大自然の中を歩くのも 良太、たまにはいいもんだろ?!」
女の子「ちょっと、良太、それ、私が食べるって言ってた方のおにぎりじゃん、
お母さん、良太が私の 食べた~!!」
お母さん「良ちゃん、そんなに大きいの食べられるの? まったく普段はご飯なんて見向きもしないのに…」
男の子「ねぇねぇ、コーラの自販機とか、マジ どこかに無いの?」
お父さん「まゆ~、見てごらん、あの上に雲がかかってる山が燧ケ岳で、お父さんが中学の林間学校で…」
女の子「お母さん、虫!! 虫!! あ~っ!! お父さんの頭に止まった、叩いて、ぶっ叩いて!! 早く!! 早く!!」
… いひひ、いくらでも妄想していられる(笑)
さて、気を取り直して参りましょう。
沼尻から先、山小屋の集中する「見晴」まで、
わずかですがアップダウンの連続する峠越えになります。
実は 今回、ここで我隊は一番苦しむことになります。
え?! 何で?! こんなところで?!
もともと尾瀬には、環境保護を目的に、いたるところ「木道」が張り巡らされています。
そこを外れて歩く事の無いように、という事なんですが、
樹林帯の中の、常に乾く事の無い場所の木道って、もともと滑りやすいんです。
それが今年は、これまでのところ コロナ禍で入山者も少なく、天候的にもカラッと晴れる事が少なかった為
ヌルヌル ヌメヌメと、
いや もう、滑るの滑らないのって!! (←強い肯定。つまり滅茶苦茶滑るんです!!)
峠越えとなるので、当然 木道にも勾配が生じ、より 滑りに拍車をかけます。
「見晴」に抜けるまで、実に おサル隊員が 大滑り3回、隊長はなんと、4回!!
もう、コミックマンガで描かれるみたいな見事なスッテンコロリン!!
小滑りなんて、数えだしたらキリがない程。
ザ、滑り地獄!! In OZE!!
もし怪我なんぞしたら、笑うに笑えないし、ほんと、疲れました…
※これに懲りて、
すれ違ったオジサマ達がシューズに嵌めていた、木道用滑り止めを教わり、後日 モンベルにて購入。¥2,800也
ちょっと油断すると、すぐツルっ、とくるんで、変にへっぴり腰で歩いて
見晴まで来る頃には 疲れ切ってしまいましたが、
営業していた桧枝岐小屋で、ラーメンを食べるとみるみる内に回復、
これが地味に美味しいんです、ホント
今回泊まる予定の山小屋は 『温泉小屋』。
見晴からは、御池方面へ 更に30分ほど奥まった場所にあります。
広々と視界の拡がる尾瀬ヶ原を 気持ちよく歩いていると
ギャーッ!! 36q@ed)4s4d@)4w@r!!
青大将、日向ぼっこに登場っす!!
奴等、木道の下を住処にしている事が多いんで、
能天気に歩いているとえらい目に遭います。
四方八方、見渡しても 人の姿が見えない尾瀬ヶ原の真ん中で
その叫び声も空に吸い込まれていきました…
ちょっとオサレな 今時パラソルを前庭に並べた 「温泉小屋」が見えてきました。
朝五時過ぎから歩き通しだったんで、ここで荷を解いてもよかったんだけど
明日の天気の保証もないんで、ザックだけ預けて、さくっと 三条の滝まで行って来ちゃいましょう
三条の滝は、初尾瀬の時、雨の時に行った時以来、
おぼろげな記憶しか残っていません。
大迫力!!
なんでも、滝としての水量は日本一なんだとか…
はたして、やはり、さくっ、と行って帰って来れるところではありませんでした…
でも、無理しても行くだけの価値はあったね
ザックを置いて行ったのは大正解!!
一日 フルに歩き通した一日は、こうして終了
戻ってお風呂に入り、ビールでのどを潤す至福の時、
このスパイシーなカレー、なかなかのものでした
夜の帳の訪れと同時に 瞼も落ち、朝まで爆睡っす…
明け方、窓をたたく雨音に目が覚めます。
雨具の用意はもちろんしてきたけど、さすがにこの雨じゃあ出るのを躊躇います。
準備が出来た頃、小降りになったりのを見極めて、さぁ スタート
降ったり止んだり、また雨脚が強くなったり、
尾瀬ヶ原を南北に縦断しながら、
こんな天気も尾瀬らしくていいなと余裕の余っちゃんですが
本音を言えば やはり良い天気に越した事はなく
至仏山登山は 潔く諦め、早めに下界に戻る事にします
↑↑↑ あの、蓋を開けるなよ、開けるなよ、と言われれば言われるほど
開けたくなる現象のことを言うようです(嘘)
「逆さ燧ケ岳」も 今日は残念ながら… けたがちうひ
下界に戻るのに、何故か「山の鼻」から
鳩待峠までは上らなくっちゃいけない という
いつもながら変な感覚…
でもそこは 逃げ足の速い我隊っすから、
思っていたより脚が早く運べ、予定していた一本前の連絡バスに乗車できます
ラッキー!!
よし! この調子で 戸倉で温泉に入ってさっぱりして、と思ったら
なんと コロナ禍で、いつもの温泉がアウト!!
しかも 食事できそうなところも 一切見当たらず、
まさかの 汗だくのまま空腹で東京直帰の悲劇発生か!?
今回の山旅に訪れた、一番のピンチっす!!
待て待て、ここで諦めたら、熟練 山や の名折れやないかい、って事で
ネゴシエーション発動!!
何々、15分待つと、上毛高原駅・沼田駅行の路線バスが来るんで
それに乗車して「鎌田」まで?!
鎌田には、日帰り温泉と食事できそうなお店も何軒かあるみたい
しかも「鎌田」からは 新宿バスタ行きの関越交通高速バスも発着って、
凄い、スーパーミラクル大逆転っす!!
ヒントをくれた、戸倉の関越交通バス窓口のおばさん、ありがとう!!
無事 汗臭くなく、空腹に苦しむこともなく 東京まで帰京できました!!
リハビリ登山第二弾、梅雨真っ只中の尾瀬編、
これにて閉幕でございます。