山好き ojisan の ひねもすだいありー 

あの山この山、山行の備忘録。♪憧れの山に旅して、登って、食べて、飲んで…♪ 心地よい生き方を探しましょ♪

ただ北岳‥ ⁈ な訳じゃ、ないっしょ⁉︎ (後編)

2017年09月17日 14時47分35秒 | 南アルプス
 さて 前の晩、我が隊に、
①する事も無く、②疲れ切って、③取り敢えず お腹だけは満たされた結果、
必然的に ある化学反応が生じました‥

そう、 『消灯前の爆睡現象』でゲス。



布団の上に寝っ転がってボーッと干しといた帽子を眺めていると、
まだ あちこちの部屋から
グループの談笑する声やら、
ガサゴソと明朝の出発に備え、荷物をまとめようとしている音、
マグロの競りの声なんかが 聞こえてきて‥‥
ん⁇
マグロの競り⁈
んなバカな‥‥
ありえ ないっしょ‥‥ ‥‥
ありぇ‥ ‥ ‥



んがぁぁ…  ぁぁ … …



( スカピー) ( スカピー) ( スカピー)

           


ん⁉︎
何時間、経ったんだろう‥‥

既に意識は寝覚めていますが
寝返りをうったりして無理やりその意識を押し込め
目を固く閉じて、ひたすら横になり続けます。

何故って⁈
だって、起きあがって時間を確かめた瞬間
まだまだ起きだすには早過ぎる事に愕然とし、
そのあと 羊を何万匹と 数えるようになるのがオチだからです‥‥



これが、『消灯前の爆睡現象』の
典型的な例‥‥  

この症例のよく見られるのは
主に 3,000メートル級の標高の山小屋が中心

患者のほとんどが、所謂 壮年期、40代後半以上の世代です 。
女性はほとんど罹りません。
ある患者のケースでは
ジャンピング シープ 258,654匹カウントという
ギネス記録も打ち立てています。(嘘 )

 おサル君は、
羨ましいほどの熟睡っぷり 
“寝る子は育つ”   否    どちらかって言うと
“悪い奴ほど よく眠る” でしょうか、イヒヒ


“寝た子を起こさず”に そっと布団を抜け出し
外へ出てみると
意外や 満点 満天、 否、89点くらいの星空🌌 


※イメージ


玄関に戻ると、暗いうちから歩きだそうという人で
早くも ざわざわしています。
じゃあ そろそろ我が隊も始動しますか‥



朝食中、何人かが富士山が見えたとか何とか 話していましたが
ふ〜ん、と たいして気にも留めずにいた 隊長、
食器を厨房へ返そうと立ち上がった刹那、
視界の端に 何かが引っかかりました。
食堂の窓から見えていた、まだ薄明の雲のかなり下の方に
あの見慣れたシルエットが浮かんでいるじゃあ ありませんか!





一気にテンションが上がってきました!
ヨシッ、行くぞ〜🏃    





外へ出ると
早朝の凛とした空気、
雲一つ無い夜明けの空に 稜線が鮮やかです。
ウヒャヒャ〜、これこれ、
この感じが味わいたかったんだよ〜🎵

取り敢えず余分な荷物は山小屋にデポして、
間ノ岳 ピストン、ゴー‼︎ 
( イヒヒ、 おサル君は余計な荷物だらけだから、
ほとんど空身のザックっす‼︎ )



ところが隊長、身軽なはずなのに、
それでもやっぱり登りはキツくて、
どうもペースが上がらない‥
もしかして 高山病⁈


※左端が間ノ岳


昨日はガスの中だった北岳が、今朝は岩の一つ一つまでハッキリと見えてます。


















富士山が、
♪あ~たま~を く~も~の~、う~えに~だ~し~♬


北岳の上に、笠雲がかかってきました。
あまりいい兆候じゃないなぁ…


ん?! こんなとこに キャディさん?
ファ~!!


手前の中白根山辺りまでは まだ良かった天候が
肝心の間ノ岳に着く頃には
ガスで真っ白白
あちゃー、


調子が上がらないくせに、空元気の隊長っす!!




標高日本第三位の、間ノ岳、とうちゃこ~



辺り全部ガスに囲まれ、
ねばっても、回復する気配もなく
しょうがない、こんな時は とっとと退散 っす



ところで、ガスって、
馬鹿にできないもんです。
5メートル先のおサル君が、ただのぼんやりとした影にしか見えず
( 決して おサル君がぼんやりした奴だと言ってるわけじゃありません(^_^;))
時には 横に並んだ 岩影と見分けがつかないことさえ‥‥‥

相変わらず調子の上がらない隊長を尻目に
とっとと 先に進む おサル君‥‥
危ない危ない、ルートを見失うのはこんな時です。

ガスに消えかかる おサル君の影と
岩にマークされたペンキの印と
時折現れる ケルンを慎重に追いながら、
足を運びます。
それでも おサル君、要所要所で 後ろからちゃんとついてきているか、
気にはしているようで、
癪だけど 全くこれじゃあ どちらが隊長だか、わからないっすね‥‥



山荘に戻り、デポした荷物を回収、
一気にザックが元の、否、それ以上に重く感じられます。
誰か、漬物石でも入れてない⁈



昨日 やり過ごした北岳山頂へ向かい
ざれた石だらけの斜面を登り始めてすぐでした、
ガスの中から 雷さま 登場っす‼︎
大人の雷さま二羽、ヒナ雷さまが三羽、
やっぱり雷さま、ガスがお好き。


※カメラのレンズ内が曇ってしまっているのを気付かず
肝心の写真がこの後しばらくうまく撮れてません 

雷鳥がどこに写っているのかわからないのは、その為です。
決して、カメラの腕が悪いわけではありません
  

しばし観察に没頭していると、
ん⁉︎
ガスが、ちょっとづつですが晴れてきています。





振り向いた目に、間ノ岳方面の稜線の眺めが、
そして前方には 急峻な北岳の頂きが‥‥





写真を撮ろうと構えるそばから すぐガスが広がり
諦めて歩きだすなり一瞬 稜線が顔をだし、と
イタチごっこしながらも 一歩づつ高度を稼ぎます。






「隊長~っ!! まだ あんなにあるっすよ~!!」








どうにか、北岳、キターーーッ‼︎





やっぱり、真っ白でした、ハハハッ





山頂で“クラツリ”ご一行さまをやり過ごし、
一応 記念撮影。
やれやれ

後は、もう下るだけ
それだけが救いっす、ハハ




北岳の❝頭と首❞を下ってきたんで、『肩』とうちゃこ~
こらっ!!  おサル君、勝手に鐘ならしちゃだめっす!!




やっぱり、日本アルプスの夏山は、こうでなくっちゃ!!
稜線を辿る道筋がずーっと見えて、気持ちよくなってきました!!


深い谷越しに見えているのは、多分 仙丈ケ岳!!
※実は 恥ずかしながら後で地図を見て 気づきました




目の前に続くのは「小太郎尾根」という 尾根らしい…
もうすぐ、右俣大下りの分岐、
再び大樺沢へ向かいます




なんか、だんだん明るくなってきた。
下ってきたから晴れだしたのか、時間的に晴れだす時間なのか…





分岐を曲がったら、広河原が見えてるじゃんっ!!
まだ1,500m以上は 標高差があるのにっ!!





登りでは、あるのはわかっていても
見る余裕のなかった高山植物のお花畑が広がっています














すっかり青空!!
水の勢いも 結構すごい。頭から水かぶりたいっす!!


何故か人一倍 虫に好かれるおサル君、
頭からすっぽりかぶるタイプの 虫よけを装着っす








この橋を渡りきれば、広河原っす!!
おサル君、激下りと その長さに足にだいぶきて
最後は ヘロヘロだったみたいだけど
よく頑張った!!


振り仰ぐと、
北岳への直登コースが 一望に望めました。
あ~、良く歩いたなぁ~、
ただ来ただけじゃあ、やっぱりなかったね、イヒヒ

※その後、麓の温泉宿で疲れと汗を流して帰りましたとさ
めでたし めでたし


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ただ北岳‥ ⁈ な訳じゃ、ないっしょ⁉︎ (前編)

2017年09月02日 14時56分04秒 | 南アルプス
そりゃ そうです、ただ来ただけ じゃあ ありません。
今回は、目的のお山があるんでゲス。

『 間ノ岳 』(あいのだけ)‼️


※晴れたら こんな素晴らしい眺めが見れるはずなんです!!
真ん中の一番高い山が、間ノ岳、手前の山小屋が北岳山荘


愛の水中花」でもなければ「愛のメモリー」でもないっす‼︎ (古っ!)




ダレノガレ でもないっ!
( わかったっ、て。 いつまでやってんの‥ しかも、「の」 しか 合ってないし‥)


日本第3位に肉薄し、ついに並んだ、成長株です。
何が、って 標高でゲス、標高‼︎

別に ピークハンターってわけじゃあないんでゲスが、
富士さま、北岳さま、奥穂高岳さま、槍さま、と
高いところは それなりに順調に踏んで来た中で、
なかなか 間ノ岳 だけは 踏めずにいたんでゲス、へえ。


🎵南アルプス 天、然、水〜🎵



山深いんだなぁ〜、南アルプスって‥
おいそれと 来て すぐ登れる山じゃあ ないんでゲスよ
( あくまでも自分的なイメージなんだけどね〜 )


恒例の 夏山休暇に 用意した三連休、ですが
太平洋高気圧の張り出しの弱い今年の夏
どこもパッとしない天気ばかり‥

天気図と天気予報・ヤマテン
ギリギリまで睨めっこして (それと 懐とも、睨めっこしてね)
選んだ先が
間ノ岳 でございます。


とは言え、山深い南アルプスです。
前夜、甲府駅前のビジネスホテルに前泊、
始発 4時半過ぎのバスで いざ登山口の「広河原」へ‥

サスベションのあまり効かないバスで
しかも路面の悪い悪路を2時間、
眠いのに眠りにおちることの出来ない生殺し状態で2時間は
辛かったでゲス‥



想像していた通り、
陽射しも有るし、涼しく、そこそこの天気。
ヨシッ、いいぞっ‼︎



いくつかルートがありますが、
本日のお宿、 来ただけざんしょ⁈ もとい『 北岳山荘』
個人客は基本 予約不要の 早い者勝ち⁉︎
あまり遅い到着は 受け付けてもらえない、なんて噂もあって、
さすがに受け付けてもらえない、なんて事はないだろうけど
ホームページ見ると、確かに

「北岳山頂経由で北岳山荘に向かう場合、北岳肩の小屋を13時までに出発してください。
それ以後の方は、肩の小屋に宿泊願います。」

などとあって、
共通一次試験みたいに 足切り有りの山小屋なんです、はい。
もたもた登ってる暇はないのであります。
故に、我が隊
直登一本槍‼︎
もとい
直登八本歯‼︎ ( 大樺沢を直登し、八本歯のコル 直進 )
※北岳山頂は今日は踏まずに行こうという作戦っす!!












これが、キ・ツ・イ‥












始めこそ渓流沿いの気持ちいい樹林の中を、
右岸、左岸と渡渉を繰り返し進むのですが
あら⁈ いつの間にか雲が低く垂れ込め、雨が‥




ぷぷっ!!
見てください、おサル君のこのザックの大きいことったら…





ゴアテックスの威力も、
こんな日は あまり発揮出来ません。
アウターを着込む前に 既にたっぷりと汗をかいてしまっているので
外の雨粒はシャットアウトしてても
中の蒸れの解消が追っつかないのです‥  



考えたら、
☔️雨の中を登る、って
最近は 事前に天気予報を駆使して 雨を避けて来ていたので
随分と久しぶりになります‥












お腹減った~  小降りになったんで、
ここでぱぱっと お昼にしちゃいましょ~



ずいぶんと高度を稼ぎましたが
ザックは相変わらず、重いし ‥ (軽量化、いまだ果たせず)
中は蒸れ蒸れ、
急登の勾配もかなりなもんで、
こりゃ確かに、キ・ツ・イ‥










どうにかこうにか、
八本歯のコルまで来て、
あとはもう、山荘までわずか、な はずなんでげすが
視界が悪いと、距離感も上手く働かず
歩いても歩いても、と エンドレスな霧の中‥


※もっとも 視界が良くても、こんなトラバースが続き
間違いなく ビビっていたはず… 
 

      




いいかげん 心が折れかけたところで
向こうにぼんやりと 砂山みたいな形が浮かび上がり、
あれって何やろう、と 進むと
5メートル前まで来て初めてそれが テントのシルエット⛺️と
わかる始末‥  

いやはや、ボロボロの濡れ雑巾状態での
山荘 とうちゃこ でございます‥
はぁ‥ 


雨こそ止んだようでゲスが、
眺望は全く効かず、
まぁ 早く部屋にしけ込んで、濡れた服を着替えませう。

幸い、週末を一日だけずらしたんで、
なんとか一人一布団は確保出来るみたいだし、
10人部屋に我が隊の他は三人組の若者グループのみ(今のところ)、
ちょっと、ほっ‥

でも、基本 予約いらない山小屋だし、
これから一個師団ぐらいの フリー登山客が押し掛けてくるやもしれず、
そうなった時のために、
せいぜい既得権オーラを醸し出せる様に
牢名主のように振る舞おうと思う
小心者の隊長なのでした‥ 

↑↑↑↑↑↑↑↑
コラーッ‼︎ 山では譲り合いが 基本じゃーっ‼︎
かぁ〜つ‼︎ ( 山ノ神)



結局、その日、部屋はそのまま、
新しい住人が来ることはありませんでした。
心の度量の狭い、醜い自分に向き合わずに済み、
😥やれやれ 




夕食前に談話室でビールを飲んでいると
隣のテーブルで ベテランらしき兄ちゃんが、
ここで知り合ったらしき若い青年と 山談義をしていました。


聞くとはなしに 話が耳に入ってきてしまいます

「2週間前に 西穂から奥穂高へ一人で縦走してさぁ‥」
( 俺 : ふむふむ )
「ジャンダルムの登り降りはさすがに 神経が疲れたよぉ‥」
( 俺 : へぇ〜っ、す、凄いなぁ〜 )

「 何すか、ジャンダリムって‥」 ( 俺 : えっ⁉︎ この青年、知らないのか‥ )
「 ダルムだよ、ダ、ル、ム。 ジャンダルム」
「 ……………………………  」
「 えーっと、ジャンダルムってのはさぁ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥ 」
せっかく 自慢気に話し出した兄ちゃん、
ジャンダルムの説明から始めなくちゃならない羽目に陥り、
四苦八苦。
いくらその凄さを言葉で説明しても、
見たことも聞いたこともない若者に、
どれだけ その凄さが伝わるものやら‥

同情しながらも、
自慢するなら相手の経験値を会話の中から見極めないとねぇ‥  ふふん

と、ちょっとブラックな 隊長なのでした‥。


後編に続きます。


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